原題:TORCH SONG

どこにも行けなかった。誰にも寄り添えなかった。

2000年/日本/カラー/107分/モノラル/35㎜/スタンダード 製作:mouchette 配給:スローラーナー

2002年3月8日ビデオレンタル開始 2001年8月25日よりテアトル新宿にてレイトショー公開

公開初日 2001/08/25

公開終了日 2001/12/14

配給会社名 0048

公開日メモ ホテトル嬢ミヤコと、心に傷を負った少女サキコ。2人の前に現れた不思議な男、新谷。互いに癒しあいながら惹かれあう3人。やがてミヤコは喉に痛みを感じ始める

解説



ホテトル嬢ミヤコと、心に傷を負った少女サキコ。2人の前に現れた不思議な男、新谷。互いに癒しあいながら惹かれあう3人。やがてミヤコは喉に痛みを感じ始める。しかし医者に行っても原因がわからない。喉の痛みはひどくなってゆき、3人の関係も変化し始める。3人男女の微妙な関係を、美しい映像とともに描き出す。キャストによる架空のバンド、ハンプバックスによる劇中歌「トーチソング」が印象的に響く。

劇場初公開作品『ひまわり』(2000年釜山国際映画祭・批評家連盟賞受賞作品)で注目を集める行定勲監督による新作『贅沢な骨』が7月、都内でクランクイン。これまで助手時代から共に作品に携わってきたスタッフ・キャストたちを集めての新作が、2週間に集約された撮影期間を経て完成した。撮影は、クリストファー・ドイル、篠田昇のもとでキャリアを積み、行定の前作『ひまわり』でもその美しい映像で観客を魅了した福本淳。出演は、『ひまわり』以来監督作品世界に共感し脚本段階より積極的に参加した麻生久美子(『カンゾー先生』)がホテトル嬢ミヤコを、『月光の厳き』で日本プロフェッショナル大賞新人奨励賞を受賞したつぐみがミヤコと共に暮らす少女サキコを、行定が助監督として参加した『濱マイク』シリーズ(林海象監督作品)より親交のある永瀬正敏が2人の間にあらわれる男・新谷を演じている。永瀬は撮影現場よりカメラを手にし、多くのスチールを撮影しており、何らかの形でこれらの作品が発表されることが期待される。また作品中効果的に流れる「トーチソング」は、キャストによる架空のバンド・ハンプバックスによるものである。脚本段階から撮影現場、編集に至るまで、全てのスタッフ・キャストのコラボレーションとして新たな作品が創り上げられた。

ストーリー


ミヤコとサキコのふたりは、ミヤコがホテトル嬢で手にしたいくばくかの収入で一緒に暮らしている。正反対の性格の2人の少女は目に見えない互いの小さな優しさに寄り添いあって暮らしていた。今日もまたミヤコは仕事に出かけ、サキコはそれを見送る。

呼び出しに応じ、出かけたミヤコを待っていたのは、今日が初めての客・新谷。ミヤコは客の新谷に初めての感情を憶える。そして時に強引にその中へ、サキコを巻き込もうとするのだ。ミヤコは自分の感情を、サキコと共有しようとしているのだろうか…?

サキコは誰にも話すことができない小さな屈託を抱えていた。父の新しい恋人がある日突然母となる。幼いサキコは自分が邪魔な存在だと感じていた。しかしその若い母が口ずさんでいた唄「トーチソング」は、なぜかサキコに優しく響いてくる。やがてミヤコのパートナーであるはずの新谷に惹かれていくサキコ。新谷もまたサキコの屈託に触れ、戸惑いながらもサキコに惹かれていく。

ミヤコはある時から突然喉の痛みに襲われる。何かがつかえている。しかしその細い喉には何もない。苦しむミヤコを抱きしめてくれるサキコ。どうしたらいいのかわからずサキコを傷つけてしまう度に喉が激しく痛むのだ。
一人の少女の死。火葬の際、最期に取り上げる喉仏の骨。目の前に添えられる骨は何を鳴こうとしているのだろう・・・。

スタッフ

監督:行定勲
プロデューサー/脚本:行定勲/益子昌一
撮影:福本淳
照明:市川徳充
美術:佐々木尚
録音:伊藤裕規
編集:今井剛
音楽:朝本浩文(ram jam world)/MOKU
スタイリスト:米村弘光
ヘアメイク:勇見勝彦
スチール:北島元朗/永瀬正敏
製作:mouchette
配給:スローラーナー

キャスト

ミヤコ:麻生久美子
サキコ:つぐみ
新谷:永瀬正敏
医師:光石研
眼鏡の客:田中哲司
花火のカップル:津田寛治
花火のカップル:小林美貴
危険な情事番頭:森下能幸
踊る少女:高木まり子
看護婦:山本麻里
クラブの少女:川村かおり
クラブのDJ:朝本浩文
サキコの継母:渡辺真起子

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