原題:LE GOUT DES AUTRES

オトナの恋、応援します!

2000年フランス映画祭横浜出品作品

2000年3月1日フランス公開

1999年/フランス/112分/ 配給:セテラ・インターナショナル

2002年07月26日よりDVD発売開始 2001年12月22日より銀座テアトルシネマにて02正月第一弾公開

公開初日 2001/12/22

配給会社名 0117

公開日メモ ある女優と出会った、ある会社社長。女優は、あるウエイトレスの友達で、ウエイトレスはあるボディガードと出会う。ボディガードはあるタクシー運転手の同僚で、運転手はある室内装飾家を乗せるが、彼女は例の会社社長の妻で...。才女ジャウイが鮮やかに演出する出会うはずでなかった人々と階級の物語。

解説



 フランス中が見て、泣いて、わらった!
昨年の〈フランス映画祭横浜〉で上映され、見た人すべてをハッピーにしてしまった『ムッシュ・カステラの恋』(フランス
映画祭横浜での上映題『他人の味』を改題)がいよいよ公開されます。本国フランスではドラマ作品にも関わらず、評判が評判を呼びとうとう400万人以上が見た国民的大ヒットとなり、フランス映画としては『TAXi2』に次いで年間第2位の動員数を記録しました。その後もモントリオール国際映画祭グランプリ、伊ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞外国語映画賞など世界の映画賞に輝き、ついには最高の栄誉である仏アカデミー賞=セザール賞で最多の9部門にノミネートされ、そのうち作品賞ほか主要4部門を制覇。さらに米アカデミー賞でも外国語映画賞にノミネートされるなど、世界中でもっとも愛されたフランス映画になりました。
 
 社長さんが舞台女優に恋をした……!
中堅会社の社長カステラがいやいやながら受けることにした英語の授業。しかし彼はその英語教師の本職が舞台女優だったことを知ってから、彼女にぞっこん惚れこんでしまった!…かくて趣味趣向がまったく違う彼女に涙ぐましいアタックを開始した社長がきっかけとなって、出会うことのないはずの人々がめぐり逢い、思わぬ人間模様を繰り広げます。深い洞察が伺えるユーモアとペーソス、楽しくてホロリとさせられ、最後には拍手を送りたくなる至福のラストが待っている、本作『ムッシュ・カステラの恋』は人と人とのつながりが希薄に
なっているいまだからこそ送りたい、素晴らしき人間讃歌なのです。
 
 フランス映画界最強のカップル
監督は大ヒット作『恋するシャンソン』(97)『家族の気分』(96)の脚本・主演を兼任し、いまフランスでもっとも注目される才
女アニエス・ジャウイ。本作により映画業界誌が年末に選ぶ”今年の顔”にリュック・ベッソンらを抑えて選ばれるなど、監督初
挑戦にしてすべての栄冠を勝ち取る大成功を収めました。また公私共にパートナーである個性派男優ジャン=ピエール・パクリがこれまで同様、共同脚本で彼女を強力サポート。セザール賞史上最多となる4度目の脚本賞受賞を果たしています。もちろん2人ともそれぞれウエイトレスのマニー役、本作の主人公カステラ社長役で出演。惜しくも受賞は逃したものの、共に演技の方でもセザール賞にノミネートされました。

 見事なアンサンブルを見せるキャスト
カステラ社長が片想いの女優役には仏演劇界の実力派アンヌ・アルヴァロ。今回ジャウイたっての希望で映画に初主演、見事
セザール賞を獲得しました。同じくセザール賞に輝くボディガード役ジェラール・ランヴァン(『私の男』(95)は大人の男の色気と演技力を併せ持つ稀有な存在。運転手役のアラン・シャバはジャウイ同様『ディディエ』(96)で監督・脚本・主演を兼ね
る才人です。またジャウイ=パクリ組の常連ウラディミール・ヨルダノフ『家族の気分』、『愛を弾く女』(92)でセザール賞候補となったブリジット・カティヨン、舞台中心に活動するクリスティアーヌ・ミレらが要所を締めます。加えてジャウイ=パクリ
と交流が深く、『家族の気分』で好演していたジャン=ピエール・ダルサンがチラつとゲスト出演しているのもお楽しみのひと
つです。

ストーリー




ムッシュ・カステラは中堅会社の社長。仕事にさほど熱意がなく、有能な経営コンサルタントを雇っているが、エリートの彼が気にくわない。保険会社から派遣されたボディガードが四六時中護衛しているのも目障りで、長年連れ添っている妻アンジェリックは夫より飼い犬に深い愛情を注いでいる始末と、なんとも冴えない日常を送っていた。社長なら英語ぐらい話せなければ、とコンサルタントが英語教師の女性をよこしたが、英語は苦手と早々に追い返してしまう。しかしその夜、付き合いで見に行った芝居の主演女優が昼間の教師クララであることに気付いたカステラ社長は思いがけず彼女に恋してしまった。翌日も劇場へ行き、いままで見たこともなかったラシーヌの古典劇を、彼女の演技で味わって感動し、涙するほどである。かくて英語のレッスンに熱心に通い、彼女から本や戯曲を借り、彼女の出入りする場所にも足を運ぶなど、趣味趣向が違う彼女に涙ぐましいアタックを開始するカステラ社長なのであった。社長の運転手とボディガードは、常に社長と行動を共にしているため、クララ行き着けのダイニングバーでウエイトレスをしているマニーと知り合った。彼女はクララの友人だが、恋愛に対しで慎重な考えのクララとは正反対の、誰とでもベッドを共にする積極的な女性で、この男二人組ともすぐに仲良くなった。マニーはウエイトレス業の傍ら麻薬の密売に手を染めており、元刑事だったボディガードのフランクは彼女を好いていながらも複雑な思いだ。運転手のブリュノは理想家肌で、仕事でアメリカに行った恋人からひと月以上連絡がなくても、少しも疑わずに待っているウブな男である。遂にカステラ社長は授業中クララに英語で愛の詩を捧げるが、あえなく拒絶され落ち込み、おかかえの二人と夜な夜なクラブでしょぼくれる毎日であった。しかし、クララの周りにいる芸術家たちと交流してゆくうちに芸術の楽しみ方を覚え、彼女の友人の画家が開いた個展で抽象画を気に入って買ったのをきっかけに、彼のスポンサーを名乗り出た。クララはそんな彼の行動を自分の気を惹くためだと思い、直接彼に「妙な気をつかわないで」と言いに行くが、「自分は本当に絵が気に入っているだけだ。そう思えないのかな」とカステラ社長に切り返された。彼を芸術も文学も判らない人と決めつけていたクララは自らの思い上がりを知らされ、動揺する。すっかり絵画好きとなったカステラ社長に、心境面に於いても変化が訪れていた。これまで家中を自分好みのインテリアで固めているカステラ夫人に文句もいわなかった彼だが、家具と調和しない、という理由で夫人が勝手に抽象画を外したことを知るや激怒。一方で快く思っていなかったコンサルタントが辞表を差し出すと「誤解してた。お前にバカにされていると思っていた」と引き止めた。クララのも、前の一件以来カステラ社長の事が気になり始めていた。反目しながらも離れられないマニーとフランクの二人。恋人を別の男性にとられたブリュノ。クララが主役を務めるイプセン作『ヘッダ・ガブラー』の初日が近付くなか、それぞれの恋は果たして……?

スタッフ

監督:アニエス・ジャウイ
脚本:アニエス・ジャウイ、ジャン=ピエール・バクリ
撮影:ロラン・ダイヤン
美術:フランソワ・エマニュエル
衣裳:ジャッキー・スティーヴンズ=ビュダン
編集:エルヴェ・ド・リューズ
製作総指揮:ジャック・アンスタン
製作:シャルル・ガソ、クリスティアン・ベラール

キャスト

クララ:アンヌ・アルヴァロ
カステラ:ジャン=ピエール・バクリ
ベアトリス:ブリジット・カティヨン
デシャン:アラン・シャバ
マニー:アニエス・ジャウイ
モレノ:ジェラール・ランヴァン
アンジェリク:クリスティアーヌ・ミレ
アントワーヌ:ウラディミール・ヨルダノフ
ヴァレリー:アンヌ・ル・ニ
ブノワ:ラファエル・ドフール
ヴェベール:グサヴィエ・ド・ギュボン

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