おかあさん、私、ずっと手をつないでほしかった。

2000年/日本/カラー/ヴィスタサイズ/90分/35ミリ 配給:ユーロスペース

2001年3月17日より渋谷ユーロスペース、吉祥寺バウスシアターにて公開

(c)2000/TBS・ユーロスペース・PUG POINT

公開初日 2001/03/17

公開終了日 2001/05/11

配給会社名 0131

公開日メモ 既存の社会で定義された「家族」を問い直し、「母と娘」が健やかな再生を果たす物語を、しっかりとした構成と演出、美しい情景を収めるカメラの力でまっすぐに切り取った作品、それが「アカシアの道」です。

解説


・アカシア 
まめ科の常緑の低木、高木。オーストラリアを中心に熱帯に産し、数百種ある。日本でも暖地に数種ある。
原作中のアカシアは「ニセアカシア」。街路樹、公園樹として植えられることが多い落葉高木、ハリエンジュの俗称。双生のとげがある。初夏、白い蝶形の花が扇状に垂れて咲き、香りが良い。

・<介護>を通じた<母と娘>の再生
娘は出版社で働くキャリアウーマン。母親は厳しい元教師。娘の生き方は、自分を厳しく育てた母親から必死で逃げ出そうとする戦いにも見える。
母との関係は、大人になっても理解し合えないまま。
そんなとき、娘は母の介護を迫られる。

頻発する青少年犯罪などで報じられる「家族の崩壊」。社会が複雑化し、従来「家族」が持っていた意味が問い直されようとしているのが現代です。「家族」を構成している一人一人の役割とは?「家族」をつなぐものは一体なんだろう?
既存の社会で定義された「家族」を問い直し、「母と娘」が健やかな再生を果たす物語を、しっかりとした構成と演出、美しい情景を収めるカメラの力でまっすぐに切り取った作品、それが「アカシアの道」です。

ストーリー



編集者、木島美和子(夏川結衣)。
凄まじいペースで働く彼女の元に「母親の物忘れが激しくなっている」との知らせが届く。大学進学からろくに連絡もしていなかった母親の急変に戸惑う美和子。
 2人の関係は良好とは言えなかった。

 母かな子(渡辺美佐子)は、教師の傍ら独り身で美和子を育てた。その厳しく辛い育て方に耐えられず、いつまでも自分を一人の人間と認めてくれない母親から逃げるように去った美和子。
 まさかあの母親が。しかも「物忘れ!?」。
 独立を果たした彼女を、「母と娘」という関係が追いかけて縛る。

 かな子の病状は思ったより遙かに深刻。
 「アルツハイマー症」という、脳の老化によって記憶が徐々に抜け落ちてゆく、不可逆進行形の難病だ。
 美和子は仕事を在宅で出来るものに切り替え、母の面倒を見ながら暮らすことになる。

 かな子の記憶は、美和子が子供時分の頃まで逆行しているようだ。身の回りの事を何一つ満足にこなせず、その上美和子を子供の頃と同じ内容、同じ文句で叱りつける母かな子。

スタッフ

監督・脚本:松岡錠司
プロデューサー:堀越謙三松田広子
協力プロデューサー:田上節朗もとひろ
原作:近藤ようこ(「アカシアの道」双葉社刊)
撮影・照明:笠松則通
録音:橋本文雄
美術:磯見俊裕
衣装:宮本まさ江
ヘアメイク:豊川京子
音楽:茂野雅道
編集:普嶋信一
助監督:板庇竜彦
配給:ユーロスペース
宣伝:ビターズ・エンド

キャスト

夏川結衣
高岡蒼佑
杉本哲太
藤田弓子
りりぃ
小沢象
土屋久美子
渡辺美佐子

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