200万人の心に響いた、あの感動の大ロングセラー、待望の映画化!

2001年/日本/ 製作:「大河の一滴」製作委員会(フジテレビ/幻冬舎/東宝/イマジカ/ポニーキャニオン/電通) 製作協力:フイルムフェイス 配給:東宝

2002年03月06日よりDVD発売&レンタル開始 2002年2月8日ビデオレンタル開始 2001年9月1日より全国東宝邦画系にて公開

公開初日 2001/09/01

配給会社名 0001

公開日メモ 父親は末期の肝臓ガンであった…。原作者にゆかりの深いロシアそして金沢を舞台に、余命幾ばくもない父親とその娘の、親子の絆を軸に、ヒロインをめぐる愛の物語が展開されていく。

解説


「人はみな大河の一滴(中略)しかし、無数の他の一滴たちとともに大きな流れをなして、確実に海へとくだっていく。高い嶺を登ることだけを夢見て、必死で駆けつづけた戦後の半世紀をふり返りながら、いま私たちはゆったりと海へくだり、また空へ還っていく人生を思い描くべきときにさしかかっているのではあるまいか」(——「大河の一滴」より)

1998年4月刊行されたエッセイ『大河の一滴』。混迷する世紀末に、作家・五木寛之が日本人へ綴った熱いメッセージは、世代を超え老若男女から絶大な支持を得て、200万部を超える大ベストセラーとなった。世紀末から新世紀へ、バブル崩壊から再生へ、激動する時の流れの中で、”人は一体どう生きていけばよいのか?”この根源的な問いに答えを見つけようとしている現代の日本人が、エッセイに共鳴し始めたのだ。”そうだ、こんな考え方があったのか!”ロングセラー化は、そうした読者たちの静かな共感の輪が広がった現象であろう。”悩み多き時代を生きるための新しい考え方”———それは心萎える人々に生きる希望を与えることにとどまらず、戦後半世紀にわたって繁栄を築きながらも、現状への閉塞感と未来への漠然とした不安感から抜け出せない21世紀の私たち日本人への提言として今なお輝きを増しつづけている。

この名著の待望の映画化は、困難が予想された。原作は、エッセイであり、物語の体を為していない。そこで原作者自身が、人物像やストーリー展開など大まかな原案を書き、日本映画界の巨匠・新藤兼人が脚本を担当。「人はみな大河の一滴」というテーマを織り込んだ、重厚かつ感動的なヒューマンストーリーを完成させた。監督は、「ハチ公物語」「遠き落日」「ひめゆりの塔」そして最新作「郡上一揆」等日本人の持つ美しい精神を基にした作品を数々手掛けた神山征ニ郎。師と仰ぐ新藤監督のシナリオを得、20世紀の日本映画界を支えてきたその手腕で、『愛』と『生』と『死』をめぐる壮大な人間ドラマを誕生させる。主人公・雪子は故郷・金沢を離れ東京でブティックに勤める独身女性。雪子がロシア旅行で知り合ったロシア人青年ニコライが”トランペット奏者”としての成功を夢見て来日、雪子と再会するところから物語は始まる。心躍る雪子のもとに金沢で暮らす父親が倒れたとの一報が届く。父親は末期の肝臓ガンであった…。原作者にゆかりの深いロシアそして金沢を舞台に、余命幾ばくもない父親とその娘の、親子の絆を軸に、ヒロインをめぐる愛の物語が展開されていく。

「最適のキャスティングが実現した」と五木寛之が語る通り、実力派の俳優陣が顔を揃えた。ヒロイン雪子役に「ラストソング」(94年)以来のスクリーン登場となる、安田成美。雪子の父・伸一郎役に、半世紀にわたり日本映画界で活躍しつづけてきた名優・三國連太郎。雪子の幼馴染で、愛する雪子に振り回されながらも陰で支える昌治役に、渡部篤郎。ロシア人ニコライ役に、世界でNO.1と言われるロシア人トランペッター・セルゲイ・ナカリャコフ。NHK朝の連続ドラマ「天うらら」の主題曲で脚光を浴びたクラシック界の貴公子が映画初出演、劇中で奏でる数々の名曲も注目される。そして夫を献身的に見守る雪子の母親・麻梨江役に、数々の映画賞を受賞した実力派、倍賞美津子。さらに山本圭、馬渕晴子、南野陽子、並樹史朗、犬塚弘ら演技派俳優陣が脇を固める。原作「大河の一滴」を具現化するにふさわしい背景と精神を持つ、最高のスタッフ・キャストが結集した。

2000年11月24日、日活スタジオにてクランクイン。2週間に及ぶ金沢ロケを経て、2001年1月ロシアロケを敢行。黒澤明監督「デルス・ウザーラ」(75年)の製作で知られる、ロシア最大の映画スタジオ<モスフィルム>の撮影協力を得、日露スタッフの共同作業の下、2月3日無事クランクアップした。
製作は、「大河の一滴」製作委員会(フジテレビ・幻冬舎・東宝・イマジカ・ポニーキャニオン・電通)。200万人の心に響いた「大河の一滴」が、2001年秋、スクリーンを通して日本全国に感動の渦を巻き起こす。
9月1日(土)全国東宝系ロードショー

ストーリー

2月のロシア、小椋雪子(安田成美)達ツアーの一行はガイドのニコライ(セルゲイ・ナカリャコフ)に案内され赤の広場を歩いている。ニコライのやさしい笑顔が、雪子の心に印象を残す。
10月、東京の輸入雑貨店で働く雪子にある日知らせが入る。ニコライは実はミュージシャンで、トランペットのオーディションを受けるため日本に来ているという。そのトランペットの音色に惹かれた雪子は、ロシアに恋人がいると知りながらニコライに深く思い入れ、心から応援するようになる。しかし、ニコライは落選、音楽家としての成功を目指し日本にとどまることにする。
そんな雪子のもとに思いがけない知らせが入る。金沢で特定郵便局を営む父伸一郎(三國連太郎)が倒れたというのだ。急いで帰省した雪子が見たのは母麻梨江(倍賞美津子)の制止も聞かず、病院を立ち去る伸一郎の姿だった。雪子は幼なじみの郵便局員昌治(渡部篤郎)の力を借り伸一郎を病院に連れて行く。検査の結果伸一郎は肝臓ガンで、長くて半年あるいは3、4ヶ月の命と宣告を受ける。周りの勧めに耳を貸さず、伸一郎は手術を拒否し、日常生活に戻る。麻梨江は御百度を踏み、雪子は東京での仕事をあきらめ、金沢に残ることにした。
カナザワ・フィルでトランペットのオーディションがあると知った雪子はニコライを金沢に呼び寄せる。ニコライは、加賀友禅の工房を営む昌治の家に居候することになる。雪子へひそかに想いを寄せる昌治は、振りまわされながらも、雪子を見守りつづける。一方、伸一郎は病に反して日に日に明るくなっていく。死を目前にした父親の元気さと頑固さに戸惑いながら、雪子ははじめて父親の心情に触れることになる。そんなある日、伸一郎は雪子、ニコライと連れだって温泉旅行に行く。そこで伸一郎は満州で終戦を迎えた少年時代の話を始める。13歳の伸一郎が見た狂気に満ちた光景、しかしそれを通り越した人間のふしぎ、伸一郎の話に2人は心ゆさぶられる。
やがて年が明け、伸一郎は目に見えて衰弱し始める。ニコライがカナザワ・フィルのオーディションを受けているちょうどそのとき、伸一郎は自宅で最期のときを迎えようとしていた。伸一郎の魂に捧げる、ニコライの曲が終曲に近づいたとき、伸一郎は麻梨江と雪子に「ありがとう」のことばを残して逝ってしまう。合格の知らせを持ってやってきたニコライは伸一郎の死を知る。しかし、悲しむまもなく、入国ビザの切れていたニコライは入国管理員によって連行されてしまうのだった。雪子は突然の出来事に、為す術もなくニコライに別れを告げる。
伸一郎の葬儀を終えた雪子は昌治に、ニコライを愛していると打ち明ける。雪子をずっと想い続けている昌治は深く傷つく。そんな昌治に、雪子はロシアに一緒に行って欲しいと告げる。悩みながらも昌治はそれを受け入れ、ロシアに向かう。そこで2人が目にするニコライの現実の生活は……ドラマは、舞台をロシアヘと変えてクライマックスヘと向かっていく。

スタッフ

原作・原案:五木寛之
脚本:新藤兼人
監督:神山征ニ郎
撮影:浜田毅
照明:高屋齋
録音:武進
美術:中澤克巳
編集:川島章正
助監督:杉山泰一
記録:松澤一美
俳優担当:前島良行
製作担当:森太郎
製作:宮内正喜/見城徹/高井英幸
企画:高野力/武政克彦/遠谷信幸/石丸省一郎/島谷能成
エグゼクティブ・プロデューサー:宅間秋史/小玉圭太
プロデューサー:進藤淳一/喜多麗子/山口ミルコ/重岡由美子
ライン・プロデューサー:坂本忠久
音楽プロデューサー:石川光
音楽:加古隆
製作:「大河の一滴」製作委員会(フジテレビ/幻冬舎/東宝/イマジカ/ポニーキャニオン/電通)
製作協力:フイルムフェイス
配給:東宝

キャスト

雪子:安田成美
昌治:渡部篤郎
ニコライ:セルゲイ・ナカリャコフ
麻梨江:倍賞美津子
伸一郎:三國連太郎

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