原題:半支煙/METADE FUMACA

2000年香港映画祭 2000年ハワイ映画祭

1999年香港/カラー/ビスタ/ドルビーSR/101分 配給・宣伝: ギャガ・コミュニケーションズ/アートポート

2001年11月9日ビデオ発売&レンタル開始 2001年2月10日よりテアトル池袋にて公開

公開初日 2001/02/10

公開終了日 2001/03/16

配給会社名 0025

公開日メモ 誰もが心の中に抱く忘れたくない人への恋慕の想いを、お洒落でおかしく、そしてちょっぴり甘酸っぱく綴ったウェル・メイドなラブ・ストーリー

解説


監督は、ポスト・ウォン・カーワァイと評され、今一番注目を浴びている新鋭イップ・カムハン。スタンリー・クァンに師事後、UFOに才能を認められ、監督デビュー。2作目の本作で、2000年度香港電影金像奨7部門ノミネートという快挙を成し遂げる。誰もが心の中に抱く忘れたくない人への恋慕の想いを、お洒落でおかしく、そしてちょっぴり甘酸っぱく綴ったウェル・メイドなラブ・ストーリー。

ストーリー



30年間もブラジルに移住していたヒョウ(エリック・ツェン)。その間、肌身離さず持っていたのは、かつて、宿敵九龍とのテリトリー争いに決着をつけるために向かったあるバーにいた女が、自分に渡してくれた、吸い掛けの煙草であった。しかしあることを切っ掛けに、どうしてもその女が忘れられないヒョウは、香港に戻ることを決意する。そう、彼はアルツハイマー病になりかけていたのだ。その忘れられない女(スー・チー)に、記憶があるうちにどうしても逢いたかった。もう一度だけ…。
そこでヒョウは、画家に描かせたその女の似顔絵を片手に香港に舞い戻る。30年間。それはあまりにも長い月日だった。かつては噂のジゴロだった彼も、今では異邦人状態。そんなヒョウは、モンコックの街角で、売春婦の為に一生懸命背伸びをして闘ってあげていたジゴロのスモーキー(ニコラス・ツェー)と出会い、彼に「かつての敵、九龍に復讐をしたい。一緒に探してくれ1!!」と依頼する。復讐できた際の報奨金につられて快諾してしまうスモーキー。その日からヒョウはスモーキーの家に居候し始める。そして毎日、九龍を探して、街を俳価する2人。思わず、スモーキーと対立する悪党どもと乱闘してしまう夜もあった…。
そんなある晩、スモーキーは、自分の彼女の誕生日に、道端に置いてあった引越し中のピアノを頂戴し、それをプレゼントとして届けるために、ヒョウと一緒に夜の街を押しながら歩いていた。そこへ突然の雨が降り出し、ピアノの下で、二人雨宿りをする。そこで初めて、スモーキーは、ヒョウの過去の宿敵九龍との決闘の夜の話を聴かされる。そのバーで出会ったこの世で一晩美しい女と吸い掛け煙草の話。また、決闘で、本当はヒョウが勝ったが、九龍が卑怯な手を使った為に傷を追い、最終的にはブラジルにまで追いやられてしまったことなど打明ける。(この回想シーンで、ヒョウ役をスティーブン、九龍役をサムが好演!最高におしゃれで印象的!)その話に感激したスモーキーは、年の離れたヒョウに深い友情を感じ、九龍だけでなく、むしろその女を捜す協力をする決意をする。
しかし。九龍とその女を捜しているうちに、実は、決闘の際、卑怯な勝ち方をしてしまったのはヒョウ自身だと知ってしまうスモーキー。ヒョウは、肩身が狭くなったからブラジルに逃げたのだった。ヒョウを信じていたスモーキーは、嘘をつかれたことに憤慨し、ヒョウを家から追い出してしまう。だが、ある晩スモーキーは、毎日部屋からビデオで盗み撮りしていた街角婦人警官(ケリー・チャン)…彼は、彼女に密かな憧れにも似た恋心を抱いていた…のビデオを見ていると、なんと豹からのメッセージが録画されていた。そこでヒョウは告白する。「本当は九龍への復讐など、どうでもよかったんだ。ただ、アルツハイマーで記憶を失う前に、どうしてももう一度だけ煙草の女に逢いたかっただけだった。誰もだますつもりはなかったんだ」と。全てを知ったスモキーは、ヒョウに申し訳ないことをしたと思い、街中を探す。そして遂にヒョウと再び巡り会える。
そして、ある晩、遂にあの女をスモーキーが発見し、その女のいるバーへと向かった2人。いつものライバル悪党どもがまたもや邪魔に入って来てしまったけれど、スモーキー1人で闘い、その合間を縫ってバーの階段を駆け上るヒョウ。そしてそこには、あの時の女が、30年前と同じ美しい姿で座っていた。これは幻か、現実か…?それは誰にもわからないけれど、ヒョウは最後にその女とダンスをゆっくりと、ゆっくりと、その美しさを記憶に刻み込みながら踊るのであった。時が経ち…。すっかりアルツハイマーが進行したヒョウを、今はスモーキーが世話をする毎日だ。でも、街角にでれば、あの婦人警官が声をかけてくる。「あら、私たち、以前どこかで会わなかった?」…そして今、スモーキーの部屋のビデオでは、彼女がビデオカメラに視線を投げている映像が写っていた。ヒョウの恋心が最後に満たされたように、スモーキーの淡い恋心もまた、彼女に届いていたのである。

スタッフ

エグゼクティブ・プロデューサー:トーマス・チュン/ウィリー・チャン
アソシエイトプロデューサー:トーマス・レン/ワィオナ・リー
ラインプロデューサー:ドリス・ツェー
プロダクションマネージャー:ファン・キム・ハン
撮影:ピーター・パウ
編集:モーリス・リー
音楽:チュー・ツァン・ヘイ
コスチューム・デザイナー:ドラ・ン
アートディレクター:ウォン・ビン・ユー
製作:ジョン・チョン、ソロン・ソー、クラウディア・チャン
脚本:イップ・カム・ハン

キャスト

スモーキー:ニコラス・ツエー
ヒョウ:エリック・ツァン
若き時代のヒョウ:スティーブン・フォン
ナインドラゴン:サム・リー
婦人警官:ケリー・チャン
アナン:スー・チー

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す