原題:THE DAY OF THE SIEGE

2012年/イタリア・ポーランド映画/英語/120分/カラー 配給:アルシネテラン

2014年4月19日(土)有楽町スバル座ほか、全国順次ロードショー

(C)2012 Martinelli Film Company International srl - Agresywna Banda

公開初日 2014/04/19

配給会社名 0013

解説


1683年9月11日“ウィーン包囲”
この日、歴史は動いた—

その勝敗により現代社会のあり方さえ変わっていたかもしれない、歴史の大きな転換点となった世紀の戦いを、総製作費約16億円をかけて描き出した、
破格のスペクタクル歴史大作‼

  『神聖ローマ、運命の日 〜オスマン帝国の進撃〜』は、その勝敗により現代社会のあり方さえ変わっていたかもしれない、歴史の大きな転換点となった世紀の戦いを、総製作費約16億円をかけて描き出した、破格のスペクタクル歴史大作である。
  砂塵を舞い上げウィーンに進撃するトルコ軍のおびただしい軍勢。爆破によって崩れ落ちた、城壁の瓦礫の上で展開する、凄まじい戦闘。そして、砲弾が炸裂し、矢が飛び交い、無数の人馬が入り乱れて鮮血に塗れる、運命を決するクライマックスの凄絶な乱戦など。まるで戦いの只中にいるような臨場感と躍動感にあふれる、ダイナミックで迫真に満ちた迫力映像は、誇張なく圧巻である。加えて、ディテールも細やかに再現された、17世紀ヨーロッパの王侯貴族の煌びやかなファッションや生活様式。あるいは、カラ・ムスタファ一家のゴージャスでエキゾチックなライフ・スタイルも、コスチュームプレイならではの醍醐味の1つだろう。さらに、トルコ軍30万に対し、味方は10万にも満たない軍勢にもかかわらず、「勝算あり」と断言したポーランド王ソビェスキの戦術とは何か?そうした歴史を動かす舞台裏の駆け引きも興味深い。または、実は少年時代に偶然出会い生死を分けた、マルコ修道士と大宰相カラ・ムスタファの運命のいたずらとも言える因縁や、信仰心という価値観の相違から、別れざるを得なかったアブールとレーナの悲恋と、それでもアブールを想い続けるレーナの打算のない愛など。歴史の陰で綴られるドラマティックな人間模様も、本作の胸を打たれる深い味わいにちがいない。
  
  「神の存在を証明するために選ばれた道具」として人々に神の教えを説き、キリスト教勢力の精神心的支えとなる修道士マルコ・タヴィアーノを演じるのは、『アマデウス』のサリエリ役でアカデミー賞主演男優賞に輝いた名優F・マーレイ・エイブラハムだ。神に課せられた任務の重みに深く頭を垂れながらも、決戦の朝、神聖ローマ帝国軍の全ての兵士に向かって、「信仰と伝統を守るのだ」と熱く語り彼らを鼓舞するマルコを、抑制を効かせつつも人間味のある重厚な演技で魅せきる。また、カラ・ムスタファの盲点を突いて、奇襲攻撃を仕掛けるポーランド王ヤン3世ソビェスキを、第21回東京国際映画祭審査員特別賞受賞作『アンナと過ごした4日間』など、監督・脚本家としても活躍するイエジー・スコリモフスキが好演。後半からの登場ながら、並外れた軍事的才能により華々しい戦果を挙げてきた名将の貫録をにじませ、絶大なインパクトを放つ。かたや、カラ・ムスタファ役で圧倒的存在感を発揮するのは、イタリアの国際的演技派俳優エンリコ・ロー・ヴェルソだ。大いなる野望を抱く、誇り高く敬虔なイスラム教徒ムスタファを精悍に体現し、単なる敵役に終わらない、奥行きのある魅惑的な人物像を創り上げた。

 メガホンを取るのは、水力ダムの悲劇を描いた『プロジェクトⅤ史上最悪のダム災害』(02・未)で、イタリアのゴールデングローブ賞監督賞ほか数々の映画賞をものにした俊英レンツォ・マルチネリ監督。本作でも、緊迫感とダイナミズムに満ちた世紀の戦いを縦軸に、キリスト教側とイスラム教側それぞれの人間模様を横軸にして、丁寧かつエモーショナルに、壮大な歴史ドラマを創出。国際色豊かで個性的な俳優陣を巧みに使いこなすなど、その卓越した演出手腕を遺憾なく発揮している。

ストーリー

  キリスト教勢力とイスラム教勢力が、激しい攻防戦を繰り広げる17世紀後半のヨーロッパ。オスマン帝国の大宰相カラ・ムスタファ率いるトルコの大軍30万が、満を持してヨーロッパへの侵攻を開始し、“黄金のリンゴ”と呼ばれる、ハプスブルク家の都ウィーンを包囲する。ウィーンの兵力はわずか1万5000。オイゲン公の槍騎兵やザクセン、バイエルンなどの援軍を含めても、総勢5万足らずだ。絶体絶命の淵で、神聖ローマ皇帝レオポルト1世に召喚されウィーンに赴いたのは、病を治す奇跡の修道士として、民衆から慕い敬われるマルコ・タヴィアーノだった。さらに、4万の援軍を従えてウィーンを目指す、名将の誉れ高いポーランド王ヤン3世ソビェスキ。果たして、キリスト教勢力は、神聖同盟として一致団結し、ウィーンを守り抜くことができるのか。イスラム教勢力の脅威が頂点に達した1683年9月11日。ついに、ヨーロッパの運命を賭けた大決戦の火蓋が切って落とされる!!

スタッフ

監督:レンツォ・マルチネリ
製作:アレッサンドロ・レオーネ、レンツォ・マルチネリ
脚本:バレリオ・マルチネリ、レンツォ・マルチネリ
撮影:ファビオ・チャンケッティ

キャスト

F・マーレイ・エイブラハム
イエジー・スコリモフスキ
エンリコ・ロー・ヴェルソ

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