ネムリユスリカ
原題:Sleep
海外メディアの心を揺さぶった、 性犯罪で生まれた少女の絶望と再生を描く
2011年/日本/カラー/96分/シネマスコープサイズ 配給:ゴー・シネマ
2012年08月03日よりDVDリリース 2011年11月19日(土)より シアター・イメージフォーラムほかにてレイトショー
©2011 SUPERSAURUS
公開初日 2011/11/19
配給会社名 0943
解説
性犯罪により生まれた少女と、その家族の絶望と再生を描いた秀作が誕生した。ロッテルダム国際映画祭2011招待作品として出品。「恐ろしいほどダークな作風の傑作。驚くほど破壊的で残酷なストーリーだが、同時に見事なまでによく出来ていて非常に見応えがある」(Screen International) と海外メディアの高い評価を受けた問題作だ。
レイプで誕生した娘、その母や祖父との地を這うような生活。また、母を犯した憎むべき犯人が父でもあるという現実。様々な葛藤を抱えた少女が、必死で生き抜こうともがきながら、大人への階段を上がっていく姿が詩的に描かれている。そのひたむきな少女の姿に、魂を揺さぶられる。
監督・脚本には、TVドキュメンタリー作品を多く撮り続け、常に人間と対峙してきた異才・坂口香津美。劇映画は、ひきこもりの青年の自立を描いた『青の塔』(2000年)、加害少年の罪のゆくえを見つめた『カタルシス』(2003年)に続く、第三作目となる。
主演の少女は、本作が映画デビューとなる新人の平野茉莉子。難役であり、美しい裸体をもさらした演技は、無垢で透明感が漂う。また、全編に流れるピアノは、15歳の小林愛実。小澤征爾や佐渡裕といった世界的な音楽家たちが絶賛する、今最も注目のピアニスト。その音色は、過酷な宿命を背負った主人公に寄り添う、まるで優しいレクイエムのようだ。女優としても、レイプ犯の娘役(主人公とは腹違いの妹役)を繊細かつ堂々と演じている。
“ネムリユスリカ”は、アフリカの砂漠に生息する昆虫。乾季になると生物は死滅するが、その幼虫は干からびた大地で生き延び、雨季に蘇生する驚異の生命力を持つ。いかなる絶望にも生き延びよ・・・とのメッセージがタイトルには込められている。
ストーリー
バレリーナを夢見てレッスンに通う、ごく普通の15歳の少女、琴野。ある夜レッスンの帰り、道を尋ねるふりをして声をかけてきた男にレイプされてしまう。そして身篭り、夏芽を産んだ。
17年後、家族想いの少女に成長した夏芽。言葉が話せない母・琴野、介護が必要な祖父・櫂(かい)。家族は遊牧民のようにバンで車中を生活していた。家族の目的、それはレイプ犯を探すこと。マッサージの仕事で日々の糧を得ている琴野と夏芽。時折、常連客に体を売るのは、探偵を雇う費用を捻出するためだ。
ある日、探偵からレイプ犯を探し当てたとの連絡が入る。琴野の胸に忌まわしき記憶が鮮烈に蘇る。琴野には殺したいほどの相手だが、夏芽には父でもある男。運命に翻弄されながらも、生き抜くことを決意した家族に、更なる悪夢が立ちはだかる・・・。
スタッフ
監督・脚本・撮影:坂口香津美
プロデューサー:落合篤子
音楽:日高哲英
ピアノ演奏:小林愛実
製作:スーパーサウルス
配給:ゴー・シネマ
キャスト
平野茉莉子
小林愛実(特別出演)
駒形美如
中村太一
岩尾拓志
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