神様だけが、知っている。 廃校に偶然集まった12人。 25年前の大量殺人事件がその運命を一つに繋げる・・・ 息つく間もない急展開の連続に、衝撃のラスト10分。 驚きのアミューズメント・サスペンス・スリラー!

2010年/日本/16:9/DTS STEREO/87分 配給:ゴー・シネマ 宣伝:リベロ

2010年8月7日(土)より渋谷シネクイントにてプレミアム先行レイトショー そして2010年秋より、全国順次ロードショー!

(C)2010「神様ヘルプ!」製作委員会

公開初日 2010/08/07

配給会社名 0943

解説


神様だけが、知っていた。

廃校に偶然集まった12人。 25年前の大量殺人事件がその運命を一つに繋げる・・・。
2010年8月12日。ホラープランナーのアツオは、かつて佐藤学園として存在した廃校をお化け屋敷にするために、その場所へやってきた。そこは25年前の1985年8月12日に、教師による大量殺人事件が起きたといういわく付きの場所だが、アツオはそれを知るよしもない。何かに呼ばれるように入室した荒れ果てた用務員室で、古ぼけた写真の中に自分と瓜二つの人物を見つけた瞬間、アツオは青い光に取り憑かれて意識を失ってしまう。なんとか目を覚ましたアツオの視界には血まみれの死体や幽霊がフラッシュバックのように映し出され、いつしか25年前の事件当日の光景の中に混ざり込む。そこには、悪魔に魂を売った西条によって操られ、凶行に走った写真の中の男がいた。それは、理不尽に殺されてしまった西条によって呪いをかけられ、大量殺人者となった佐藤隆だったーー。?

本作には、見始めたときから「何かがおかしい」という違和感がつきまとう。幽霊がうろつく廃校も、ミスばかりしている刑事コンビも、用務員室の写真も、記憶が曖昧な高校生カップルも、何かに追われているように見える若い男も、どこかがヘン。「そこにいる人」に対してあるはずのリアクションがなかったり、「何それ?」とつっこまれるはずのことがスルーされたり。その違和感に包まれながら、そして謎を解きほぐしながら観ていくと浮かび上がってくるものが、25年前の今日、この場所で起きた痛ましく凄惨な殺人事件。今なお続く惨劇の記憶に巻き込まれたアツオは、様々な人たちに助けてもらいながら西条に立ち向かう。
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演劇界の鬼才、穴吹一朗×期待の若手実力俳優陣。次世代エンタメを担う才能の化学反応。
主人公のアツオと、25年前の大量殺人犯となってしまう理科教師・佐藤隆を演じるのは、俳優のみならずミュージシャンとしても活躍し、女性ファンを魅了している加藤和樹。
一人二役ではあるが、佐藤隆は西条の呪いによって心を善と悪に分けられ、しかもその善の心がアツオに乗り移り……と、演じ分けるキャラクターは実質的に3つ。
この難しい役に挑戦した加藤は、今までの物静かな好青年といったイメージを打破。見事に新境地を開いている。
新境地と言えば、『龍馬伝』で土方歳三役に抜擢され、名バイプレーヤーとして注目が高まっている松田悟志も見逃せない。本作で彼は悪魔に魂を売った西条勝を演じているが、その端正なルックスと完璧なプロポーション、そして振り切れた芝居によって、「人間ではない存在」に説得力をもたせている。 
脇を固めるキャラクターには、映画『ソフトボーイ』やドラマ『タンブリング』の賀来賢人、映画『ひゃくはち』やドラマ「仮面ライダー剣」の北条隆博、ドラマ「GARO-牙狼-」やミュージカルで活躍する小西遼生、ミュージカル『テニスの王子様』から?澤貴彦と植原卓也ら、今後の活躍が期待される若手イケメン俳優がズラリと並ぶ。その一方で、ベテランの佐藤二郎とキムラ緑子、「ちりとてちん」の佐藤めぐみらがコミカルなニュアンスを加え、映画『腑抜けども、悲しみの愛をみせろ』『悪夢のエレベーター』の佐津川愛美がエモーショナルな芝居で観客の心を掴んで話さない。

本作のベースとなったのは、2009年夏に公演された舞台『Tower of Sugar』。DHE@stageと、穴吹一郎率いる劇団アーバンフォレストのコラボレーションは、心温まる群衆コメディとあっと驚くどんでん返しを得意とする穴吹の渾身の作品として大盛況となった。この作品を映画化する際も、この脚本は穴吹にしか書けないとプロデューサー陣は即決。穴吹にとって初めての映画作品となった。監督はドラマ「ライアーゲーム」や「オトメン(乙男)」の演出家、佐々木詳太。彼にとってもやはり、本作が初めての映画作品となる。ひとつの空間に2つの時間軸と人間関係、そしてサスペンスやスリラー、ファンタジーといった世界観を表現するために、画面の色味や質感を工夫し、VFXも効果的に使用している。タイトルは、本作においてもっともインパクトがあるこのシーンである、劇中で殺人鬼となった佐藤隆が、死体を引きずりながら口ずさむ歌にちなんで命名された。この曲は、チェッカーズが1985年に大ヒットさせた9枚目のシングル「神様ヘルプ!」。エンディングでも、加藤和樹自身によるカバーバージョンが使用されている。

この違和感に理由がある。
さまざまな思惑と背景をもった人たちが、廃墟となった空間で、25年の時を越えて混在する群衆劇、『神様ヘルプ!』。
観客を襲ってくるさまざまな違和感は、次第にこれらの疑問に変わってくる。

それぞれの人物の目的は何だろう?
25年前の事件に関わった人たちはどうなったのか?
悪魔に魂を売った西条と、西条に操られた佐藤隆の戦いの行方は?
西条が悪鬼となるに至った、むごたらしい仕打ちとは?
そして、皆がこの場所に偶然集まってきたのはなぜか??

もちろん観客は観ている間、ある程度の予想はするものの、それすらも裏切るどんでん返しがラストに待っている。
この結末には誰もがきっと、心地良い〈やられた!感〉を堪能できる!

ストーリー

2010年8月12日。
荒れ果てた廃校のなかを、何かから追われるように若い男が走っている。それを追い詰めているのか、スーツ姿の刑事・藤本が階段を一歩一歩、踏みしめている。ある教室に身を潜めた若い男は、背後に血まみれの女子高生が忍び寄っていることにまったく気付かない。一方、藤本は後輩の刑事・赤岩に呼び止められただけで、「ヒャハン!」と情けない声を出している。

外に数台の車が乗り付け、廃校にぞろぞろと入っていく一団。それはかつての佐藤学園であるこの廃校をお化け屋敷「Tower of Sugar」へと作り替えるためにやってきた、ホラープランナーのアツオとスタッフ、そしてお化け屋敷のポスター撮影をするために集まった制服に身を包んだアルバイトたちだった。スタッフからしばらく待機するように言い渡されたキャストの中に混ざっていた奈緒と俊は、暇つぶしのために、お化け屋敷へと改装中の校内を探検し始める。奈緒も俊も、なぜか校内の風景に懐かしさを感じている。
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一人で校内を歩いて回っているアツオは、吸い寄せられるように入室した用務員室で古い写真立てを発見し、驚愕する。そこに写っていたのは、自分にそっくりな顔をした白衣姿の男。その瞬間、謎の青い光がアツオの体を直撃し、アツオはしばし気を失ってしまう。

遅れて到着したのは、このプロジェクトを企画したフジヤマランドの社員であり責任者の滝島典子。連続殺人犯を追っていた刑事の藤本&赤岩と遭遇したり、同僚の朝倉に邪魔されながらも、なんとか意識の戻ったアツオと対面を果たす。
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しかし、アツオは首に違和感を覚え、視界には死体や血まみれの幽霊が入り込むようになり、25年前の今日、8月12日の光景のなかにいつしか入り込んでしまう。実はこの日、日航機墜落事故が起こったその陰で、佐藤学園では理科教師の佐藤隆による大量殺人事件が発生していた。
普段は温厚で真面目な彼が、なぜ凶行に走ったのか? それは、隆の祖先にあたる佐藤陸軍大佐によって殺され、復讐を果たすために悪魔に魂を売った西条勝の力に拠るものだった。西条は隆の心を善と悪に分割し、悪の心を増幅させることで殺人鬼へと変貌させたのだ。

隆の善の心は青い光となって25年後のアツオに取り憑き、アツオの体を借りて西条と戦い、自分の心をひとつに戻そうと試みる。ところが、西条の力によって今度は隆の悪の心がアツオに乗り移り、その凶器の刃は典子や朝倉、赤岩、藤本たちに襲いかかることとなる。

いつの間にか、奈緒と俊の眼前にも25年前の8月12日の光景が広がっていた。その日は、夏休みの補習の日。教師の並河から「あんたたち、早く帰んなさいよ!」と声をかけられた二人は、暴走族からガラス扉を守るために木の板を打ち付ける用務員の誉田を見てその行為に得体の知れない危機感を募らせる。それもそのはず、その板を打ち付けたことによって佐藤学園は出口をふさがれた状態になり、校内に残っていた教師や生徒は次々と佐藤隆に惨殺されることになるのだから。奈緒と俊は並河や誉田と一緒に逃げるにつれ、次第に何かを思い出していく。
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奈緒と俊にいったい何が起きていたのか?
佐藤隆は西条との戦いに勝ち、自分の心をひとつに取り戻すことができるのか?
藤本と赤岩は連続殺人犯を捕まえる事ができるのか?
25年前に殺された人たちの魂は救済されるのか?
そして・・・、

この場所で、偶然に出会ったはずの12人が、繋がっていく。
そしてそれは、笑いと幸福感にあふれた意外な結末を迎えようとしていた……!

スタッフ

原作:DHE@stage × 穴吹一朗 舞台「Tower of Sugar」
監督:佐々木詳太
脚本:穴吹一朗
脚本協力:李正姫
音楽:諸橋邦行
主題歌:「神様ヘルプ!」 加藤和樹(PONY CANYON) 
エグゼクティブプロデューサー:男全修二、木村元子
プロデューサー:布川均、中西研二
撮影:神戸千木
美術:茂木豊
照明:高田紹平
録音:国沢藤一
装飾:西村徹
衣装:伊藤美恵子 
ヘアメイク:熊田美和子
編集:松竹利郎
VFX:中村明博
記録:小宮尚子
助監督:長尾久美子
制作担当:木口洋介

キャスト

加藤和樹
佐津川愛美
賀来賢人
北条隆博
柳澤貴彦
植原卓也
佐藤めぐみ
小西遼生
松田悟志
キムラ緑子
佐藤二朗

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