原題:Mao's Last Dancer

サンパウロ国際映画祭 観客賞受賞

2010年8月10日全米公開

2009年/オーストラリア/カラー/117分/ 配給:ヘキサゴン

2011年07月08日よりDVDリリース 2010年8月28日より、Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座他全国順次ロードショー!

(C)Last Dancer Pty Ltd and Screen Australia

公開初日 2010/08/28

配給会社名 0871

解説


ミハイル・バリシニコフと並び、亡命してなお活躍した中国の名ダンサー 
リー・ツンシンの半生の実話を感動の映画化!!

中国の小さな村に生まれ、毛沢東の文化政策による英才教育でバレエの道を志した少年、リー・ツンシン。成長後はアメリカに渡り、そのたぐい稀な才能を認められる。ダンサーとしてさらなる成功を望む彼は自由な新天地に大きな夢を託すが、それは彼と家族にとって新しい人生の始まりだった……。
 
『ドライビングMissデイジー』の名匠ブルース・ベレスフォード監督と、
『シャイン』のスタッフが集結し、中国出身の名ダンサー、リー・ツンシンの半生を映画化した感動作が完成した。幼い頃から英才教育を受け、ダンサーとして成長していくリー役を英国バーミンガム・ロイヤル・バレエのプリンシパル、ツァオ・チーが演じて見事な映画デビューを果たし、真迫のバレエシーンの数々も見せる。まさに中国版『リトル・ダンサー』ともいうべき新たなダンス映画の傑作が誕生した。
海外では「これほど華麗で、魅惑的なバレエシーンはかつてなかった」(トロント・スター)、「ブルース・ベレスフォードの最高傑作のひとつ」(シドニー版タイム・アウト)と多くのメディアに絶賛され、サンパウロ国際映画祭では、見事に観客賞を受賞している。

お父さん、お母さんの住むあの村に帰りたい!
北京に行った11歳の時から、リーは家族の写真を片時も離さなかった・・・。

 主人公のリー・ツンシンは61年に中国の山東省の貧しい村に7人兄弟の6番目の息子として生まれた。少年時代に毛沢東夫人だった江青の政治的な文化政策で、ダンサーを育成する英才教育が実施され、バレエを一度も見たこともないが、彼の才能を見込んだ小学校の先生の推薦によって全国から選抜される。

彼は大好きな家族と離れて、不安を抱えながら一人で北京の舞踏学校に入学する。しかし、寂しさと、愛国心をあおるバレエの訓練に最初はなじめず、落ちこぼれていた。

それから数年経ったある日、先生は本物のバレエの美しさを彼に教えようと密かに持っていた古典バレエのテープを貸し与えた。リーは始めてバレエの素晴らしさに感動し、踊りにのめり込むようになる。
しかし、江青夫人の方針に反抗した疑いで先生は政府に捕えられてしまう。
当時の中国ではそれは二度と会うことは出来ない別れを意味していた。

しかし、時を経て、中国で改革開放が実現していこうとする最中、リーはバレエ研修で、思いがけずアメリカを訪ねる機会を得る。この新天地で彼の才能は開花する。
そして、ダンス仲間のエリザベスと愛し合うようになった彼は勇気ある決断を下すが、そうすることで大事な両親との永遠の別れがやってくる。
 
少年期から国家の英才教育を受け、アメリカという新天地でさらなる希望と愛にめぐりあい、やがては家族との別離を覚悟して、亡命を決意するひとりの
ダンサー。揺れ動く時代の波に飲まれそうになりながらも、けっして自分の夢をあきらめなかったリーの苦悩と勇気ある決断をドラマティックに描き、特に世界で熱狂的な反響を呼んだラストは見た人の脳裏に永遠に刻み込まれるだろう。

バーミンガム・ロイヤル・バレエの名ダンサー、ツァオ・チーが主人公を演じ、華麗なリアルなダンスシーンが実現!
 
映画の原作となっているのは、リー・ツンシンが自身の人生について綴った
自伝「毛沢東のバレエダンサー」(徳間書店)で、この本はオーストラリアでは
1年半に渡ってトップテンのリストに名前を連ねていた。
『シャイン』でアカデミー賞候補となった脚本家ジャン・サーディは、この
映画でコンビを組んだプロデューサー、ジェーン・スコットに映画化の話を持ちかけた。やがて、オーストラリア出身で、『ドライビングMissデイジー』で知られるブルース・ベレスフォード監督も企画に加わり、映画化が動き出す。

特に難航したのは主演の男優選びで、完成したシナリオを読んだ監督は、
「こんな役を演じられる男優など、見つかるはずがない」と思ったという。リーは若く、ハンサムな青年で、その上、並はずれたダンサーでなくてはいけない。さらに2ヶ国語を操って、複雑な心の機微を演じる必要もある。いい男優が見つからない限り、映画化をあきらめる覚悟さえしていた製作陣だが、
幸い英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の花形プリンシプルであるツァオ・チーと運命の出会いを果たし、念願の映画化が実現した。
彼は「白鳥の湖」をはじめ、息をのむ本格的なダンスナンバーも披露する。劇中のダンスシーンは日本でも10月に公演が予定されているオーストラリア・バレエ団の数多くの作品を手掛けた振付師、グレアム・マーフィーの協力を得て構成されている。なお、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団も2011年に来日公演が予定されている。

多彩なキャストと実力派スタッフの参加

リー役の新人のツァオ・チーをサポートしているのは多彩な演技陣だ。リーの母親役に『ラスト、コーション』の名女優ジョアン・チェン、彼に協力する弁護士のフォスター役に人気ドラマ『デスペラードな妻たち』のカイル・マクラクラン、リーの恋人エリザベス役に『センターステージ』のアマンダ・シュルが扮しリーを支えるアメリカのバレエ団の主任ベン役に『カポーティ』の
ブルース・グリーンウッド、判事ウッドロウに『真夜中のサバナ』のジャック・トンプソン、リーの父親は『盲井(ブラインドシャフト)』のワン・ツァンバオが扮している。また、少年期のリーはこれが映画デビューで、体育学校出身のホアン・ウェンビン、青年期は現在オーストラリア・バレエ・カンパニーのメンバーであるグオ・チェンウが演じている。

スタッフは撮影監督に『幸せになるための27のドレス』のピーター・ジェームズ、プロダクション・デザインは『グッドマン・イン・アフリカ』などでベレスフォードと組んでいるハーバート・ピンター、編集は『トゥームレイダー』のマーク・ワーナー、音楽を『マスター・アンド・コマンダー』のクリストファー・ゴードン、衣装デザインを『ピッチ・ブラック』のアン・ボーゲシが担当している。

ストーリー



リー・ツンシン(ツァオ・チー)は1961年、中国山東省の小さな村に7人兄弟の6番目に生まれた。家は貧しかったが、しっかり者で愛情深い母(ジョアン・チェン)に育てられた彼は、気丈な少年になっていた。
11歳になったある日、毛沢東夫人で、元女優の江青が政治的な文化政策として始めたバレエの英才を探すために北京からの視察団が学校にやってくる。
毛主席を熱愛する当時の子供たちは、理由を聞くこともできず、ただ、品定めされるような視線に耐えていた。彼らは、収穫がなかったと諦めて帰ろうとするとき、担任の先生がリーを推薦する。「あの子はどうでしょうか?」。その一言で、彼の北京行きは決定し、村では英雄が生まれたかのように大騒ぎし、喜ぶ。しかし、両親はこのままずっとリーと離れ離れになってしまうのでは、と暗い気持にもなったが、このチャンスを活かして欲しいという想いと、毛主席への忠誠心からリーを送り出す決心をする。

こうして、リーは大好きな家族と離れて、初めて都会の北京へと移り、舞踏学校に入ることになった。
入学後は厳しいレッスンが続けられるが、愛国心をあおるバレエの訓練に最初はなじめないリーはダンサーとしては落ちこぼれていた。
それから数年経ったある日、チェン先生は本物のバレエの美しさを彼に教えようと密かに持っていた古典バレエのテープを貸し与えた。リーは始めてバレエの素晴らしさに感動し、踊りにのめり込むようになる。しかし、チェン先生が江青夫人の方針に反抗した疑いで政府に捕えられてしまう。当時の中国ではそれは二度と会うことは出来ない別れを意味していた。
しかし、時を経て、中国で改革開放が実現していこうとする最中、青年となったリーに意外なチャンスが舞い込む。中国を訪ねたアメリカのバレエ団の招きで、バレエ研修に参加することになったのだ。

こうしてリーは初めて自由な西洋の国、アメリカの土を踏む。彼はヒューストンのバレエ団の主任ベン(ブルース・グリーンウッド)の家で暮らすことになった。文化も言葉も違う異国に最初は戸惑いを隠せないリー。共産圏で育ったリーにとって、そのカルチャー・ギャップはあまりにも大きかった。
片言の英語を話しながらダンスの修業に励むリーは、やがては頭角を現し、ケガで出演できなくなった人気ダンサーの代役をつとめることになった。
しなやかなダンスを披露したリーはこの舞台で拍手喝さいを浴び、以後、
ダンサーとして認められていく。そして、同じダンサー仲間のエリザベス
(アマンダ・シュル)と深く愛し合うようになり、遂に結婚、亡命を決意する。
 
彼のこの決断は大きな波紋を呼ぶ。中国側の領事館に監禁され、一時は強制送還されそうになるが、弁護士フォスター(カイル・マクラクラン)の協力もあって、アメリカへの亡命が認められる。しかし、これには過酷な条件がついていた。リーは2度と中国に戻れず、大事な家族と会うことも許されないのだ。家族思いのリーは苦悩するが、ダンサーとしての未来を信じ、アメリカでダンサーとして、さらに修業に励む。
 アメリカで住民権を得た彼は踊りの世界でもさらに認められていくが、やがて妻エリザベスとの結婚生活は暗礁に乗り上げ、彼女はリーを残して家を出てしまう。
 胸の奥で遠い故郷にいる家族への思いを募らせるリー。そんな彼に奇跡の再会の日が訪れようとしていた……。

スタッフ

監督:ブルース・ベレスフォード
製作:ジェーン・スコット
原作:リー・ツンシン
『毛沢東のバレエダンサー』(徳間書店刊)
脚本:ジャン・サーディ
撮影:ピーター・ジェームズ
プロダクション・デザイン:ハーバート・ピンター
編集:マーク・ワーナー
衣装デザイン:アンナ・ボーゲシ
音楽:クリストファー・ゴードン
ダンス場面の振付:グレアム・マーフィー

キャスト

ツァオ・チー(リー・ツンシン)
グオ・チャンウ(青年時代のリー)
ホアン・ウェンビン(少年時代のリー)
ジョアン・チェン(リーの母親役) 
カイル・マクラクラン(フォスター役)
ブルース・グリーンウッド(ベン役)
ジャック・トンプソン(判事ウッドロウ)
アマンダ・シュル(エリザベス役)

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