日本映画史に燦然と輝くあの名作が
色鮮やかに還ってきました!
胸いっぱいに、愛がよみがえる。

2010年/日本語/シネスコ/108分/
配給:松竹

2010年4月10日(土)より東劇にて公開 他全国順次公開

©1977,2010 松竹株式会社

公開初日 2010/04/10

配給会社名 0003

解説


映画賞を独占!
日本中の涙を絞った、あの名作が美しいデジタルリマスターでスクリーンに甦ります!

1977年10月に公開され、あらゆる世代の観客を集め大ヒットを記録。その年の映画賞を独占した、日本映画史に残る不朽の名作が、山田洋次監督自らのゴーサインによってデジタルリマスターされ、33年ぶりに私たちのもとに還ってきました。
釧路から網走、阿寒、そして約束の地・夕張へ。北海道の四季折々の美しい風景と共に、想い出のラストシーンでスクリーンいっぱいに広がる黄色いハンカチが、今色鮮やかによみがえります。
人間味溢れる主人公・島勇作を演じ、主演男優賞を独占した高倉健、健気な妻・光枝を演じる倍賞千恵子。そして当時、映画初出演の武田鉄矢と、山田組初出演の桃井かおり。4人の名優のアンサンブルは、今もなお輝きを失っておらず、懐かしさよりも新鮮な驚きをもって迎えられることでしょう。

あれから33年—。
日本人が失ってしまったもの。
今、思い出さなければならない大切なもの。

高度成長期、オイルショックを経た70年代後半に封切られた『幸福の黄色いハンカチ』は、
飽食の時代に突入しつつあった日本人の心に沁み入り、“自分を信じること”、“人を思いやること”の大切さを思い出させてくれました。そして、日本人全体の興味、関心、憧憬が海外に向けられていた時代に、今一度、日本の素晴らしさを気づかせてくれた映画でもあります。
あれから33年。飽食の極みとも言うべきバブルの狂騒期を経て、不景気という長いトンネルに入った私たちの心は、疲労が蓄積し、諦観に覆いつくされています。そんな時代に、本作が戻ってきたのは、偶然ではありません。
今、必要なのは自分を信じる“強さ”、人を思いやる“やさしさ”。空にはためく『幸福の黄色いハンカチ』が、ふたたび勇気と希望を運んできます。

デジタルリマスターとは・・・
2005年の『砂の器』、2007年の『二十四の瞳』と同じく、ハリウッドでのCG合成をする際にスタンダードで使われるシステム、DI(デジタル・インターメディエイト)を用いてネガを作成する、本格的な修復・復元を意味します。まずオリジナル原版から4Kでデジタル・スキャニングし、デジタルデータ化します。その4Kデジタルデータを2Kに変換、キズやパラを消すなどの修復を施した後、DI によるデジタル・タイミングで退色を調整、色補正します。そのデータをフィルム・レコーディングして、新しいネガを作ります。
また、音に関しても、山田洋次監督作品の仕上げを行う松竹サウンドスタジオで再調整を行っています。山田監督、松本整音担当と相談の上、当時のモノラル音源を活かす方向性を確認、ノイズのクリーニングはもちろんのこと、バランスに関しても整音をしています。

ストーリー


欽也(武田鉄矢)が島勇作(高倉健)と出会ったのは春の陽射しの強い網走の海岸であった。
九州から上京し、下町の小さな工場で働いている欽也は、年中失恋ばかりしていて、いつしか夢を車に託すようになっていった。夢中になって働いた欽也は、念願の真っ赤な新車を手に入れ、憧れの地北海道へ向かった。東京からフェリーで釧路港へ、そして、あざやかな緑の根釧原野を、欽也の赤い車はラジオの軽快なリズムに合わせてひた走った。刑務所のある町、網走の駅前食堂で欽也がナンパしたのは、朱美(桃井かおり)だった。朱美は列車食堂の売り子で、同僚から自分の彼氏が浮気をしているという話を聞かされ、やけくそになって女一人で旅に出てきたのだった。

 欽也は朱美を助手席に乗せ、車を走らせる。網走の海岸へ着くと、朱美は車から飛び出して海岸へと駆け下りていく。欽也は海岸で休んでいた勇作にカメラを渡し、朱美との写真を撮ってもらう。欽也の好意で駅まで車で送ってもらった勇作だが、阿寒温泉に向かうという彼らに、行くあてもないので、そのまま同乗することにした。
 夕暮れ時、車は阿寒湖畔の宿に着いた。その夜、欽也は朱美を今夜こそモノにしてやろうと、隣の部屋にいる勇作が眠ったのを見定めて、朱美の寝床に忍び込んだ。しかし、大格闘の末、朱美が大声で泣き出してしまった。そこへ、壁越しに騒ぎを聞いて勇作が現れ一喝し、さすがの欽也もシュンとなってしまった。

 翌日、駅前まで送ってもらい一人降りるはずだった勇作だが、朱美も降りると言い出した。欽也はふてくされ、二人を降ろし一人車を発進させる。しかし、汽車を待つ二人の元へ、毛ガニをしこたま買いこんだ欽也が戻ってくる。朱美の誘いで、勇作は再び車に乗ることになった。しかし、カニを食べすぎた欽也は、車を運転していても尻のあたりがモゾモゾするほど腹を下し、ついに畑や草むらで用を足す始末。近くの農家で、トイレを借りに出た欽也を待つ間、朱美が車をいたずらしたため、翌日まで車を動かすことができなくなり、彼らは農家で夜を明かすことになる。

次の日、事件は起こった。帯広市街の駐車場で、欽也がヤクザ風な男に因縁をつけられたのだ。勇作がその場をおさめ、急いで車を発進させたものの、しばらくして彼らは一斉検問にあった。強盗犯人が逃亡中であることが原因であった。警官は勇作に免許証の提示を求め、免許証を所持していない勇作は答える。その答えに朱美と欽也は棒で頭をなぐられたように驚いた。「刑務所にいました。罪名殺人、刑期六年三ヶ月。一昨日、出所しました」。
 三人はパトカーで富良野署に連行された。取り調べを受けていた勇作だったが、六年前の事件で世話になった渡辺課長(渥美清)の取り計らいで、解放された。先に外に出て待っていた欽也と朱美は、警察署から出てきた勇作を出迎える。

 その日、走る車の中で勇作は重い口を開いて、朱美と欽也にぽつりぽつり、思い出を語り出した。
 —勇作は若い頃、滅茶をやって刑務所に入ったこともあった。しかし、三十を過ぎて考えを改め、堅気になって九州から出て、夕張の炭坑で働き出した。その頃、町のスーパーマーケットで働いていたのが光枝(倍賞千恵子)だった。勇作は光枝に死ぬほど恋をして、そして結婚した。数年の間、幸福な日が続いた。しかし、折角出来た赤ちゃんが死産だったとことから、二人の暮らしはギクシャクし始めてしまう。ある夜飲みに出た勇作は、飲み屋で酔っぱらったチンピラに因縁をつけられた。相手のあまりのしつこさにカッとなって殴ってしまった勇作は、チンピラを死なせてしまった。勇作は六年間、暗い刑務所で過した。だがその間、勇作の心から離れなかったのは光枝の面影だった。その話を聞いた朱美と欽也は声をふるわせて泣いた。

その後、車は赤平、歌志内、砂川を過ぎ、札幌へと向かう。途中、勇作は出所した日に、光枝に手紙を書いたと二人に打ち明け、夕張に行くと伝える。勇作は、その手紙にこう綴っていた。「この手紙がつく頃、俺は夕張に行くが、もし、お前が今でも独り暮しで、俺のことを待っていてくれるなら、庭先の鯉のぼりの竿の先に黄色いハンカチをつけておいてくれ。ハンカチがなかったら、俺はそのまま夕張を去ってゆく」と。
 手紙の話を聞き、車は一直線に夕張に向かう。朱美も欽也も「きっと勇作さんの奥さんは待っている」と、心に念じながら・・・。

 情熱を表したような欽也の赤い車は、やがて夕張の町に近づいた。でも勇作の心はなぜかふるわず、襲い来る不安に耐えられず、引返そうとも言い出した。陸橋を越え、町に出て、車は大きくカーブして、炭住街の坂を登っていった。その時、欽也と朱美の眼に映ったものは、角の家の狭い庭先の不釣合いな高い旗竿の先の上から下まで、ズラッと何十も並べられた黄色い旗の満艦飾であった。欽也と朱美はその手と手を固く握りしめた。勇作は黙って歩き出した。その黄色い旗のなびく家から、光枝らしい女性が洗濯物をかかえて出てくるのが二人の眼に強く灼きついた。朱美と欽也は車を走らせながら、いつまでも泣いていた。

スタッフ

監督・・・山田洋次
製作・・・名島 徹
原作・・・ピート・ハミル
脚本・・・山田洋次、朝間義隆
撮影・・・高羽哲夫
音楽・・・佐藤 勝
美術・・・出川三男
録音・・・中村 寛
調音・・・松本隆司
照明・・・青木好文
編集・・・石井 巌

キャスト

島 勇作・・・高倉 健
島 光枝・・・倍賞千恵子
花田欽也・・・武田鉄矢
小川朱美・・・桃井かおり
渡辺課長・・・渥美 清

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