自主映画界で異彩を放つ監督・堀井彩が描く“性春群像劇”

2008年/日本/カラー/80分/ 配給:アムモ

2008年11月28日よりDVDリリース 2008年9月27日(土)より、池袋シネマ・ロサにてレイトショー

公開初日 2008/09/27

配給会社名 0376

解説


徹底した肉体描写で孤独な魂の彷徨を描き、水戸短編映像祭、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭、インディーズムービー・フェスティバルなどで波紋を投げかけた『忘れられない女』や、続く『東京女』『異形ノ恋』『泳げない女』で熱狂的な支持を集める若手監督・堀井彩(ほりいひかる)が、今作『窓辺のほんきーとんく』では、これまで同様、アメリカンニューシネマやヌーベルヴァーグ、ATG、ロマンポルノに影響を受けた肉体描写によって、人間の孤独や絶望、その果てにある希望を描き出す手法を用いつつ、社会からはみ出した大人たちの青春(性春)を温かく、どこか懐かしく、人間臭く描ききった。
また、キャスト陣には今後の活躍が期待される実力派・個性派が顔を揃え、勤務先の会社が倒産し路頭に迷う主人公・石井晃とトラウマを抱えたヒロイン・眞名水との不器用で剥き身の恋愛を、塚本晋也監督作品や『クローズZERO』(07)などに出演する傍ら、監督としても海外で高い評価を受ける辻岡正人と、AV界のトップアイドルでVシネマやTVドラマ(「嬢王」05)などにも活躍の場を広げる吉沢明歩が体当たりの演技で表現している。
そのほか、ストーリーをけん引する石井の先輩・村崎役にはハリウッド映画『SILK』や三池崇史監督作品で異彩を放ち続ける安藤彰則、8mmカメラ担当の峯田役には多くの自主映画作品において数々の印象的な役を演じてきたホリケン。、映画オタクの大学生・野村役には『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』の個性派・椎葉智、イケメンだが女慣れしていないフリーターみちる役に『リアル鬼ごっこ』などの今野悠夫、ナイスバディだがどこか胡散臭いOL・多菜子役にグラビアアイドルとして絶大な人気を誇る神楽坂恵と、曲者俳優たちが脇を固め、物語を盛り上げる。
誰もがいつまでも夢見てられない〈現実〉を痛感しながら、捨て切れずに胸の奥にしまった大切な「宝物」に気づかせてくれる、そんな大人のための青春映画に仕上がっている。

ストーリー


勤務する会社が突然倒産し、職を失った石井晃(辻岡正人)のもとに、大学時代の映研の先輩・村崎(安藤彰則)が押しかけてくる。「とにかく映画を撮る」という村崎の熱意と勢いに負けて一緒に映画を作ることになった晃は、オーディションでメンバーを募る。
 二人のもとに集ったのは、大学生で映画オタクの野村(椎葉智)、OLでどこかいやらしい雰囲気を放つ多菜子(神楽坂恵)、昔自主映画をやっていたという中年男・峯田(ホリケン。)、フリーターで役者志望のみちる(今野悠夫)、そしてヒロイン役に合格した眞名水(吉沢明歩)の5人。
 こうして結成された個性豊かな“七人の侍”の面々は、すぐに意気投合し親睦を深めるが、村崎から肝心のシナリオがまだできていないと聞かされ、完成したら集まろうという約束で各々帰っていく。
 が、晃の家にあたり前のように居座る村崎の隣にはなぜか眞名水の姿が…。どこにも行くところがないのだという。こうして奇妙な同居生活をはじめた晃と眞名水は、村崎がシナリオ執筆のために旅行に出かけたこともてつだって、次第に惹かれあっていく。
 二人暮らしにも慣れたてきた晩のこと、眞名水は晃に自分の抱えるある過去について涙ながらに告白する。優しく受け止める晃に、眞名水も身を任せる。
 そんな折、眞名水との事を真剣に考え再就職を目指す晃のもとへ、シナリオを完成させた村崎が帰ってくる。
 「ヒロインは眞名水ちゃんに決定や」「主人公とヒロインが愛を確かめるシーンで本番をすんねん」
映画の中で実際にセックスするところを撮るという村崎の言葉とそれを受け入れる眞名水の態度に動揺し、激しく反対する晃だったが、村崎の映画作りにかける気迫に押され、承知せざるを得ない。
ぎくしゃくした空気とわだかまりを抱えたまま、晃と眞名水は“七人の侍”のメンバーたちと共に泊まり込みの撮影に出かけるのだが——。
本番は…そして二人の関係は…果たして晃と眞名水は再び心を繋ぐことができるのか……?

スタッフ

監督:堀井彩

エグゼクティブプロデューサー:小田泰之
プロデューサー:増田俊樹
アソシエイトプロデューサー:森口あゆみ/弘瀬謙二
脚本:堀井彩/小田泰之

撮影:百瀬修司
照明:太田博
録音:松本治樹
編集:岡田しのぶ
MA:杉山勉
助監督:岩澤宏樹/東原豊治

音楽:弘瀬謙二/花澤孝一
エンディング:tyt「目抜き通りに踊るヒーロー」(ビクターエンターテイメント/ルーキースターレーベル)

製作・配給:AMUMO

キャスト

辻岡正人 
吉沢明歩 
安藤彰則 
神楽坂恵 
今野悠夫 
椎葉智 
ホリケン。
友光小太郎 
にしやうち良 
増田俊樹

LINK

□公式サイト
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す