原題:Forbidden Quest

淫らな想像は、愛なのか、それとも情欲なのか?

2006年2月23日韓国公開

2006年/韓国/カラー/139分/ 配給:エスピーオー

2008年09月03日よりDVDリリース 2008年4月5日(土)よりシネマート六本木、シネマート新宿、シネマート心斎橋 他全国順次ロードショー

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公開初日 2008/04/05

配給会社名 0116

解説


「淫らな想像は、愛なのか、それとも情欲なのか?」

それは、あまりにも大胆かつスキャンダラスな恋の罠。媚薬にも似たその甘美な誘惑は、やがて男の運命を大きく狂わせる——
匿名の人気作家として、熱狂的な女性ファンを獲得する青年貴族。究極の官能小説を描くため、彼は一世一代の禁断の恋を仕掛ける。何とその相手とは、王の寵愛を一身に受ける美貌の妃だった!

当代随一の文才を駆使して“官能”を紡ぎ出す青年作家ユンソと、“欲しいものは必ず手に入れる”情熱的な妃チョンビン(正嬪)との許されない情事。悠久の時を超えて、今もヴィヴィッドに息づくミステリアスな恋愛の本質を、時にスリリングに、時にコミカルに観る者に突きつける妖艶なる豪華絵巻、それが『恋の罠』だ。
厳格な封建制度に縛られた李朝時代、反逆のアーティスト、ユンソが小説の世界で羽ばたかせた淫蕩な恋の翼。その仕掛け人となる4人組——挿絵画家、版元、書写職人、模写職人の絶妙のチームワークは実にユニークで、「読者の好みが作品の結末を左右する」とばかりに、彼らが大真面目に女性ファンの欲望のツボを探求しつつ、膝を突きあわせて性の奥義を妄想するシーンは、抱腹絶倒間違いなしのおかしさだ。また現代のベストセラーさながら、人気小説を誕生させるための“生みの苦しみ”と、時代の一歩先を見据えたような彼らの先見性は、ユンソとチョンビンの恋のゆくえともども、何かとストレスにがんじがらめになっている現代を生きる私たちを痛快な共感で魅了してやまないだろう。
作家と妃の秘め事が話題騒然の官能小説となり、宮廷を揺るがす一大スキャンダルへ発展したとき、生か死かの決断を迫られたユンソは呟く。「これは愛なのか、それとも情欲か…」。果たして、恋の罠に溺れたのは妃なのか、それとも仕掛けたユンソの方だったのか?

『シュリ』『八月のクリスマス』のハン・ソッキュが、貪欲に“官能の真髄”へ肉薄する青年貴族ユンソに扮し、これまでにない軽妙洒脱な魅力を披露。ひょんなことから売れっ子作家となり、途端に煙管と色眼鏡でめかしこむユンソは、現代作家にも通じるセレブの気取りをその身にまとう。道理が重んじられる時代をいつの世も変わらない闊達さで自由奔放に生きるユンソが、愛と友情の狭間で苦悩するクライマックスの決断はハン・ソッキュの面目躍如、その感動的な演技は涙なくして見ることはできない。
一方、王の寵愛を一身に受けながら、「欲しいものは必ず手に入れる」とユンソを誘惑する美妃チョンビンに、『僕らのバレエ教室』のキム・ミンジョン。韓国映画界を代表するトップスター、ハン・ソッキュに体当たりでぶつかり、一歩もひけをとらない度胸の良さと、韓服の下に隠された妖艶な官能美を惜しげもなく曝け出した彼女の熱演は、日本でも大きなセンセーションを巻き起こすことは必至。

そして、ユンソを人気作家へと押し出す4人組——敵対する一族に属しながら、挿絵画家として彼とコンビを組むことになるグァンホンに、『スーパースター カム・サヨン』のイ・ボムス。食器屋の主人でありながら淫乱小説の出版者として暗躍するファンガに『親切なクムジャさん』のオ・ダルス、ユンソに小説の真髄を伝授する書写職人に『ミスター・ロビンの口説き方』のキム・ギヒョン、挿絵の模写職人に『王の男』のウ・ヒョン、チョンビンを愛する孤独なる王に『オアシス』のアン・ネサンという個性豊かな名優たちが、いぶし銀の演技アンサンブルを構築している。

監督は、『情事』『スキャンダル』などの脚本家として絶賛されたキム・デウ。4年の歳月をかけて執筆した自作脚本を基に時代を精緻に再現した豪華絢爛な映像美、現代感覚に目配せしたエロティシズムとユーモアのブレンドに初監督とは思えない本格派の手腕を発揮し、百想芸術大賞新人監督賞に輝いた。

スタッフにも骨太な実力派が顔を揃え、青龍賞と大韓民国映画大賞で美術賞に、大鐘賞で衣裳賞に輝くなど、艶やかなヴィジュアルは観る者に贅沢な映画の醍醐味を堪能させてくれるのは間違いない。韓国では、2006年2月公開後15日目にして観客動員数250万人を突破した禁断の話題作である。

ストーリー

李朝きっての名文家として知られるキム・ユンソ(ハン・ソッキュ)は、司憲府に勤める実直な官吏だ。しかし、道理を守るためなら実の弟が辱めを受けても復讐心さえ抱かない彼のことを、人は“我が身可愛さに震えている臆病者”と陰口を叩いていた。

そんなある日、ユンソは唐代の名画を複写してすり替えた事件の捜査のため、一族の宿敵で“義禁府の死神”と称されるイ・グァンホン(イ・ボムス)とともに市場の食器屋に踏み込んだ。その店の奥でユンソが目にしたのは、初老の男が書き写していた淫らな小説だった。この書写家(キム・ギヒョン)はユンソにこう言い放つのだった。「戯作者の真髄は、夢の中でしか味わえないものを描くことだ」。

それ以降、言い知れぬ興奮に囚われたユンソの脳裏を、この“下劣な本”のことが渦巻き、離れなくなってしまう。そんなある日、王の寵愛を一身に受ける美貌の妃チョンビン(正嬪/キム・ミンジョン)から思いがけない好意を寄せられたユンソは、妃のことを思いながら淫らな筆を走らせるのだった。

食器屋の主人で、“淫乱小説”の版元ファンガ(オ・ダルス)は、ユンソが秋月色(チュ・ウォルセク)の筆名で綴った「黒谷秘事」を気に入り、発表するやたちまち女性読者を中心に絶大な人気を獲得する。しかし、当代随一の売れっ子作家インボン居士には敵わない。そこで一計を案じたユンソは、小説に挿絵を加えることをファンガに提案。そしてその画家として白羽の矢が立ったのは、あのグァンホンだった。当初は頑なに拒絶するグァンホンだったが、「躍動感あふれるお前の絵に惚れ込んだ」というユンソの熱烈な口説き文句に、官能の世界に興味津々の彼はつい承諾してしまう。
今や大胆な匿名作家へと生まれ変わったユンソは、チョンビンとの禁断の情事によって“官能の真髄”を追求し、チョンビンもまた高貴なる妃から恋する一女性へ変貌を遂げてゆく。果たして、ユンソが美妃に仕掛けた一世一代の恋の罠は、真実の愛なのか、それとも小説のための欲望にすぎないのか!? そして、事態は思いがけない急展開をみせる……。

スタッフ

監督・脚本:キム・デウ
撮影監督:キム・ジヨン
美術監督:チョ・グニョン
音楽:モク・ヨンジン

キャスト

ハン・ソッキュ
イ・ボムス
キム・ミンジョン
オ・ダルス
キム・ルェハ
アン・ネサン
キム・ギヒョン
ウ・ヒョン
キム・ビョンオク
チョン・スファン
ユン・サンファン

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