原題:Finding Forrester

2000年/アメリカ/カラー/シネマ・スコープ/全7巻/3751m/上映時間12時間16分/SDDS,SRD,SR/ 字幕翻訳:戸田奈津子/原作:ソニー・マガジンズ/サントラ:ソニー・ジャズ 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 宣伝:ポップ・プロモーション TEL:5414-5626/FAX:5414-5625

2007年11月28日よりDVDリリース 2004年09月08日よりDVD発売開始 2001年11月22日DVD発売&レンタル開始 2001年11月22日ビデオ発売&レンタル開始 2001年3月10日よりみゆき座他全国東宝洋画系にて感動のロードショー!!

公開初日 2001/03/10

公開終了日 2001/04/13

配給会社名 0042

公開日メモ あなたが教えてくれた、人生がこんなに美しいこと。

解説


アカデミー賞最有力(ヴァラエティ紙評)、「グッド・ウィル…」のガス・ヴァン・サント監督&「恋愛小説家」の製作者最新作、爽やかな涙のNY感動ストーリー

 人は決してひとりでは生きていけない。かけがいのない誰かとの出会いを通して人は本当の自分を発見するもの……。『小説家を見つけたら』は、そんなテーマを文学というモチーフを通して穏やかに語りかけてくる美しい涙と感動の物語。『グッド・ウィル・ハンティング旅立ち』のガス・ヴァン・サント監督、『ザ・エージェント』『恋愛小説家』のプロデューサー、口ーレンス・マーク、そして3人のオスカースタッフ・キャストが総力を結集して贈る、生の希望あふれるニューヨーク感動ストーリーだ。
 主人公はNYで暮らす16歳の少年。偶然か運命の導きか、彼が見つけたのは40年前、ピューリッツアー賞に輝いた処女作一冊だけを残して文壇から消えた幻の大作家。少年に文学の才能を見出した大作家は彼の導き手になると同時に、自らも心閉ざしてきた人生にピリオドを打ち、忘れかけていた夢を実現すべくもう一度外の世界へ踏み出して行く。
 社会に背を向けたまま人生の黄昏を迎えようとしている偏屈な老作家と、人生の出発点で試練を経験する作家志望の少年とのユニークな出会い、そしてやがて師弟の関係を超えた友情で結ばれたふたりが互いに相手から教わりながら成長していく姿——少年は作家から文学と人生を学び、老人は彼によってにもう一度ペンを取り、世界と向き合う力を与えられる——を、晩春から初夏のニューヨークを舞台に、アメリカ現代文学とマイルス・デイヴィス満載のジャズヘのオマージュを散りばめながら描いた上質の作品である。

ストーリー



“これだけは知っておいてほしい。私は極めて早い段階から、君がいつか自分の夢を実現するだろうとわかっていたが、私もまた自分の夢をもう一度実現することになるなどとはまったく思っていなかったのだ。”   
       ——ウィリアム・フォレスター——

 ジャマール・ウォレス(ロブ・ブラウン)はプロのバスケットボール選手を夢見るブロンクスの高校生。だが彼には家族や親友も知らないもうひとつの才能があった。それは文章を書くこと。学校では文学少年であることなどおくびにも出さない彼だが、読書から得た知識の豊富さと書くことへの熱意には誰にも負けないものがあった。
 アパートの窓からいつも双眼鏡で外を見ている謎の老人(ショーン・コネリー)がいる。彼が部屋を出た姿を見た者はもう何年もいない。ジャマールはバスケ仲間たちにそそのかされ、老人の部屋にもぐりこむ役を引き受ける。彼が目にしたのは棚に並ぶ膨大な文学書の山その時、急に人影が現れ、慌てた彼は創作ノートの入ったリュックを置いたまま部屋を飛び出してしまう。
 次の日。窓下に立った彼にリュックが投げ返される。ノートにはあちこちに朱で感想が書き込まれていた。今まで自分の書いたものを誰にも見せたことがなかった彼にとって、初めての批評の言葉である。しかもどの指摘も的を射ていた。一体この人は何者だろう……?
 再びアパートを訪ねた彼に、老人は悪態を浴びせかける。”今後うちに寄りつかんと作文でも書いてきたらどうだ!”翌朝、彼は作文を持って行くが、老人はとりつくしまもない。その日、学校では思わぬ知らせが待っていた。ジャマールのテスト結果とバスケットの才能を高く評価した私立校メイラー=カロウから特待生のオファーがあったのだ。でも東海岸一のエリート校で、貧しい下町出の黒人である自分がやっていけるだろうか?放課後、彼の足は老人の部屋へ向いていた。
 意外にも、老人は彼を招き入れる。自分のことや家族のこと、私立校のことをまるで親しい友と話すように打ち明けるジャマール。”16歳。それも黒人とはな。驚きだ”。老人の物言いは辛辣だったが、結局彼にメイラー行きを決心させたのはこの言葉だった。

 初登校の日、彼はクレア・スペンス(アンナ・パキン)という女生徒の案内で、ロバート・クローフォード教授(F・マーリー・エイブラハム)の授業を受ける。講義のテーマはウィリアム・フォレスター。処女作でピューリッツァー賞を受賞した後、二度と作品を出版しなかった伝説的作家である。だがその小説家の写真を見たジャマールは腰を抜かさんばかりに驚いた。あの老人がフォレスターだったからだ。
 フォレスターは、自分たちのことは口外しないこと、ここで書いたものはよそに持ち出さないことを条件に、ジャマールの指導を引き受ける。こうして放課後をフォレスターの部屋で過ごすのが彼の日課になった。ジャマールは彼を見下すクローフォード教授をびっくりさせるような作品を書きたいと思っていた。だがいざタイプの前に座ると言葉が出てこない。そんな彼を見かねたフォレスターは、自分の昔のエッセイを下敷きに書いてみることを勧める。やがてフォレスターの指導のお陰でジャマールの文章力は見る間に向上していった。だが彼に偏見を持つ教授は盗作の疑いを抱く。
 メイラーのバスケット・チームに入ったジャマールはたちまちレギュラーの座を獲得し、試合でも目覚ましい活躍を見せる。だが新しい生活になじむにつれ、かつてのバスケ仲間たちと気持ちが離れてしまうことに彼は寂しさを覚えていた。そんな彼が唯一学校で心安らぐのがクレアとの語らいだった。彼女はジャマールの淡い想いに気づいていたが、彼の方は良家の子女である彼女とは身分違いだと思い、どこか遠慮がちだつた。 ある晩ジャマールは、何年も外出していないフォレスターをマジソン・スクエア・ガーデンに誘い出す。だが人込みの中で彼とはぐれてしまい、ようやくジャマールが見つけた時には彼は通路の片隅で震えている有様だった。
 ジャマールは落ち着きを取り戻した彼をヤンキー・スタジアムへ連れていく。そこがフォレスターにとっての特別な場所だと知っていたからだ。無人の球場の照明に浮かぶマウンドでフォレスターは初めて若き日のことを語り始めた——愛する兄と何度もここで試合を観戦した幸福な記憶……その兄や両親を次々に失った時の悲しみ……。自分を閉じ込めていた過去という名の檻から初めて解き放たれ、彼は久しぶりに清々しい気分を味わっていた。別れ際、彼はジャマールに心からの礼を言う。

 ジャマールは、彼の才能を否定するクローフォード教授への反感を強めていた。遂にある日、彼は教室で教授のミスを指摘して恥をかかせてしまう。
 だが決定的なミスを犯していたのはジャマールの方だった。彼は教授に実力を認めさせようと思うあまり、フォレスターのエッセイを基に書いた作品を提出していたのだ。その副題と一節が、フォレスターが昔雑誌に発表した文章と同一だと見抜いた教授から説明を求められ、ジャマールは答えに窮する。フォレスターとの約束がある以上、彼のことを話すわけにはいかないからだ。勝ち誇った教授は、この件を理事会にかけると告げる。処分が決まればジャマールはもうこの学校にはいられない。彼はフォレスターに助けを求めるが、自分の存在を公にさらしたくない彼にとって、それはできない相談だった。
 高校バスケットの州大会決勝戦。ジャマールはメイラ一校の理事職にあるクレアの父(マイケル・ノーリ)から、この試合に勝てばすべてを水に流そうと言われていたが、フリースローに失敗し、勝ちを逃がしてしまう。最後のチャンスをフイにしてうなだれる彼を映し出すテレビ画面。それをアパートのフォレスターが見つめている。翌日、メイラー校で作文シンポジウムが開かれる。退学の覚悟を決めたジャマールの姿もクレアとともに会場にある。次々に壇上で自作を発表する生徒たち。その時、ジャマールは我が目を疑った。決して独りでは外出しようとしなかったフォレスターが会場に現れ、クローフォード教授にスピーチの許可を求めたのだ……。

スタッフ

監督:ガス・ヴァン・サント(「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」「ドラッグストア・カウボーイ」)
製作:ローレンス・マーク/ショーン・コネリー/ロンダ・トルフソン
製作総指揮:ダニーフルフ/ジョナサン・キング
脚本:マイク・リッチ
撮影:ハリス・サヴィデス/A.C.E.
美術:ジェーン・マスキー
編集:ヴァルディス・オスカルスドッティア
衣装:アン・ロス
音楽:マイルス・デイビス/オーネット・コールマン他

キャスト

幻の大作家:ショーン・コネリー(「薔薇の名前」「ザ・ロック」「アンタッチャブル」でアカデミー賞受賞)
少年ジャマール:ロブ・ブラウン(16才驚異の演技力で映画デビュー)
クローフォード教授:F・マーレー・エイブラハム(「アマデウス」でアカデミー賞受賞)
同級生の少女クレア:アンナ・パキン(「ピアノ・レッスン」でアカデミー賞受賞)
ジャマールの兄テレル:パスタ・ライムス
サンダーソン:マット・デイモン

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