第1回アジア国際映画祭・アジアコンペティション部門、 第9回ブルックリン国際映画祭・コンペティション部門正式招待

2005年/日本/カラー/35mm/109分/ビスタサイズ/モノラル/R-18 配給:ニューメディアジェネレーション

2006年09月22日よりDVDリリース 2006年7月15日、渋谷シネ・アミューズ他、全国人事公開

(C)ニュー・メディア・ジェネレーション

公開初日 2006/07/15

配給会社名 0733

解説


『世界の中心で、愛を叫ぶ』、『いま、会いにゆきます』そして邦画のみならず、韓国映画『私の頭の中の消しゴム』など心に染み、泣ける純愛映画のヒットが続いている。先の見えない世の中、予想のつかないことが日々起こっている。変わらないはずの人を愛する形も、少しずつ変わってきているのかもしれない。だからこそ純愛へのあこがれと共感を呼ぶのだろう。『全身と小指』は、世の中の倫理観や道徳、常識という弊害を伴う兄妹間の愛、誰にもいえない2人だけの秘密の恋を描いている。今までの純愛映画の表現から一歩踏み込んだ愛の物語といえる。

女は全身で恋をする。男は小指で恋をする。
だから、私は生まれ変わり、あなたはいつまでも小指が痛い。

 兄、妹・・・禁断の恋から7年。兄・純はその過去を封印するかのように「記憶喪失障害」を装い、ふるさとを離れ都会で無気力な生活をおくっていた。妹・久美は純への想いを棄て切れぬまま、結婚を間近に控えていた。過去と対峙できない純は心理カウンセラーの武田や、長女の美由紀の協力を経て、ようやく故郷で久美との再会を果たす。
それは純と久美が初めて開く「愛と後悔」の扉。再びお互いを、自分自身を見つめた時、胸の奥底に秘めた「想い」が濁流のごとくあふれ出す・・・。
 壊れそうなぐらい繊細で危ういテーマを、海、真っ青な空、緑あふれる草原、ゆったりと流れる時間の中、美しく紡ぎあげた渾身の一作。
 
 主人公・純に、『ロックンロールミシン』、『チキン・ハート』、など力強く安定した演技で魅了する池内博之。揺れる想いと苦悩を見事に演じている。妹・久美にモデルとしてカリスマ的な人気の福田明子。初主演とは思えないほど堂々とそして可憐な存在感にあふれている。共演にコメンテーターや司会で馴染み深い恵俊彰、『ハッシュ!』、『帰郷』など日本映画に欠かせない、独特の空気感をもつ片岡礼子、若者に強い指示を受ける劇団「THE SHANPO HATT」を主催する赤堀雅秋、『自由戀愛』、『LOVE KILL KILL』の街田しおん、そして山口美也子、西岡徳馬と個性的なベテラン俳優が脇を固める。
 監督・脚本・原作に堀江慶。俳優でもあり、オリジナル監督作品『グローウィン グローウィン』で異例の学生映画として高い評価を集め、以降『渋谷怪談』や『ベロニカは死ぬことにした』などを監督、また舞台の演出を手掛けるなど多彩な活動を続ける若干27歳の俊鋭。“男女の恋愛観の差”というテーマで監督が大学の時から暖め続けたオリジナル原作、7年間の時を経て遂に映画化。

ストーリー


2005年、夏。東京。
郊外で“移動デリヘル”のオーナーとして無気力な生活をおくる宮本純(池内博之)は、ヘルス嬢のユリ(街田しおん)と曖昧な関係を続けながら、人知れず心理カウンセラーの武田(恵俊彰)の元へ通い続けていた。デリヘルの客として知り合った武田は純のよき理解者だった。純は武田の前で何故か「記憶喪失障害」を装っていた。そんな純の不可解な行動に気づいていた武田は、彼の隠された記憶を探ることを試みる。

純と武田は、記憶を探るために妹の久美(福田明子)と二人で写っていた写真を頼りに “自殺の名所”富士の樹海へ向かう。そこで二人は、「数年前、久美をこの森で見た」というアカリ(山口美也子)と出会う。どうして純は久美とそんな場所に来たのか?その謎は明かされぬまま、純は7年ぶりに実家に帰ることを決意する。

海辺の町。潮で痛んだ2階建ての大きな家。父・泰三(西岡徳馬)と、母・民代(石垣光代)は長女の美由紀の出産に立ち会うため家を空けていた。7年ぶりの再会を果たした純と久美。二人の間に流れるぎこちない空気。それは、二人しか知らない兄妹を越えた想い・・。

「オレ・・妹とセックスしたことある」

“カウンセリング”の時間に突如つぶやく純。
純の秘められた過去を初めて知らされる武田。純は記憶喪失を装って、7年前の過ちを封印しようとしていたのだ。武田は「過去から逃げてはいけない」とだけ純に告げた。
やがて、失意の純の前に出産直前の姉・美由紀(片岡礼子)が現れる。美由紀は家族の中で唯一、純と久美の関係を知っていた。

「本気なら間違ってもいいんだよ」

その言葉が、純の心の箍(たが)を外してくれた。
再び久美と向き合う事を決意する純。しかし、過ちを繰り返さないと決めた久美は、好意を寄せてくれている幼馴染のリョウ(赤堀雅秋)と結婚することを告げる。泣きじゃくる久美の美しい身体をむさぼる純。激しく、再び愛し合う純と久美。二人だけの封印された記憶がよみがえる。

しかし、兄妹に悲劇が待ち受けていた・・・。

スタッフ

製作総指揮 渡邉秀樹
プロデューサー 中林千賀子
キャスティング 星久美子
監督 堀江慶
脚本 堀江慶 赤堀雅秋
撮影 柳田裕男(J.S.C)
録音 新開賢
編集 森下博昭
音楽 塚崎陽平
ピアノ演奏 平岩英子
衣装 吉野智美
ヘアメイク 内田結子
美術  福島知子
助監督 野尻克己
製作担当 本藤雅浩

製作協力 スタッフ・ライン
企画・製作 ニュー・メディア・ジェネレーション

キャスト

池内博之
福田明子
片岡礼子
赤堀雅秋
街田しおん
石垣光代
六角精児
山口美也子
西岡徳馬 (特別出演)
恵俊彰

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