原題:Casanova

本国アメリカにて、2005年11月30日公開予定

2005年/アメリカ映画/1時間52分/日本語版字幕:古田由紀子 配給:ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン) 配給:ブエナビスタインターナショナルジャパン

2007年01月26日よりDVDリリース 2006年6月17日よりテアトルタイムズスクエア他全国ロードショー

©TOUCHSTONE PICTURES

公開初日 2006/06/17

配給会社名 0069

解説


彼より女性に愛された男はなく、彼より女性を愛したものもいない…

恋に生き、愛に殉じ、生涯“恋愛至上主義”を貫いた男。その名を、人類恋愛史上、最も有名な恋の達人として知られるプレイボーイ、ジャコモ・カサノバ。
18世紀ヨーロッパの宮廷で数々のスキャンダルを巻き起こし、自由奔放に生きた伝説の男に『ショコラ』で世界中の女性のハートを射止めた監督ラッセ・ハルストレムが挑む時、大人のための《極上の恋愛映画》が誕生した。
主人公のカサノバ役を射止め、あらゆる恋の手管を披露するのは、『ブロークバック・マウンテン』で本年度アカデミー賞主演男優賞ノミネートを受け、一躍注目を集める演技派ヒース・レジャー。名うてのプレイボーイを迎え撃つ大胆なヒロイン役には、モデル出身の美貌の新鋭シエナ・ミラーを起用し、ハリウッド期待の若手の競演が実現。また、古都ヴェネチアでの完全ロケーションと、『眺めのいい部屋』のオスカー受賞者ジェニー・ビーヴァンが手掛ける豪華な衣裳も話題をさらう。
絢爛たる18世紀のカーニバルというこの上ない甘美な舞台を背景に、カサノバが仕掛ける危険な《恋の罠》の数々——あなたなら、この誘惑に、最後まで抵抗できますか?

ここはゴンドラの中で秘かな愛が交わされ、仮面の下で禁断の愛がやりとりされる悦楽の都ヴェネチア。そんな都の話題を独占し、愛し、愛され、あらゆる女性たちを虜にするカサノバの前に、ある日一人の女性が現れた。彼女の名はフランチェスカ・ブルーニ。型破りな男顔負けの剣士かと思えば、大学教授をも論破してしまう知性あふれる貴族の令嬢。そして、巷で人気の恋愛作家である彼女こそ、カサノバを拒んだ最初の女性だった——。
恋愛至上主義者カサノバにとって、恋とは完璧でなければならないもの。ただの1つの失恋も人生の敗北である。国中を巻き込む狂乱のカーニバルの最中、カサノバはフランチェスカに次々と恋の《罠》を仕掛けてる。カサノバの《愛》という名の復讐がついに幕を開けた——。

数々の名優が挑んだカサノバ役に新風を吹き込み、官能的な魅力を発散しつつ、知性と繊細さ、かつウィットに富んだ魅惑の男カサノバを創造したのは、今最も注目を集めるヒース・レジャー。また、そんなカサノバの魅力に唯一屈しない急進的な令嬢、フランチェスカを知性溢れる凛とした美しさで演じるのは、『アルフィー』で脚光を浴びたシエナ・ミラー。そして、主演のふたりを取り巻く人々にも、ベテラン俳優たちの豪華競演が実現。カサノバを捕らえようとするローマの審問官、プッチ司教に扮するのは、『運命の逆転』でオスカーに輝いた屈指の演技派ジェレミー・アイアンズ。フランチェスカの母アンドレアを演じるレナ・オリンもまた、『敵、ある愛の物語』のアカデミー賞助演女優賞候補。上流社会の因習に縛られながらも、情熱的で自由な魂を持つユニークな母親を演じ、物語に奥行きを添える。その他、フランチェスカの婚約者パブリッツィオには、『愛についてのキンゼイ・レポート』などで多彩な演技をみせるオリヴァー・プラット。ベテラン俳優達もこれまでにない新境地を切り開いた。
さらに、ハルストレム作品の常連スタッフも結集。『ショコラ』の製作レスリー・ホレランや、『サイダーハウス・ルール』の撮影監督オリヴァー・ステイプルトンと美術デザインのデヴィッド・グロップマンなど、息の合ったチーム・スタッフ陣に加え、『眺めのいい部屋』でオスカー受賞のジェニー・ビーヴァンによる華麗な衣裳と、『真夜中のピアニスト』のアレクサンドル・デプラの優美な音楽が映画を彩る。
また、本作のもうひとつの主役が多くの恋人たちを誘惑してきた古都ヴェネチア。ハルストレム監督は一大ロケーションを敢行。有名なカーニバルを中世の往時のままに再現し、仮面舞踏会で繰り広げられる華麗な恋の舞踏を演出した。

数々の感動作を世に送り出したラッセ・ハルストレム監督が、“究極の愛”を求める、すべての男性と、すべての女性に贈る、2006年最高のラブ・ストーリー。
愛のない人生なんて——生きている価値もない。

ストーリー


官能を極めること、それが何よりも重要だった。
私は女性のために生まれ、つねに女性を愛し、愛されるよう努めた。
              ——ジャコモ・カサノバ 「回想録」より

18世紀——ヴェネチア
 街はどこもひとりの男の噂でもちきりだった。彼の名はカサノバ(ヒース・レジャー)。あらゆる女性を虜にする魅力の持ち主だが、ただのプレイボーイではない。無限の愛を与えるという彼を前にすると、娼婦から淑女まで、抗える女性はいないという。
今日も修道女との情事の後、教会の役人たちに追われたカサノバは、女性の自由をめぐって討論が行われている大学の講堂へと逃げ込んだ。論客は巷で人気の女性心理に詳しいベルナルド・グアルディの著作を引用して女性の解放を叫んでいる。「女性は気球のように、男と家事と言う重い砂袋さえなくなれば、自由に空を飛べるのだ」と彼が宣言したその時、会場は騒然となった。彼が男装を解くと、美しい女性が現れたからだ。彼女の名はフランチェスカ・ブルーニ(シエナ・ミラー)。だが、その混乱の中に役人たちが講堂になだれ込み、ついにカサノバは逮捕されてしまった。

 不貞、放蕩、異端行為、不法家宅侵入etc.…死罪を宣告されたカサノバだが、からくもヴェネチア総督の取りなしによって放免となる。しかし、すでに教皇庁にマークされている彼が、次の追手から逃れるためには、さらに強力な後ろ楯が必要である。そこで総督はカサノバに良家の子女との結婚を迫った。期限はきたるカーニバルが終わるまで。それまでに結婚しなければヴェネチアを追放に——こうしてカサノバの花嫁探しが始まった。
 彼がターゲットとして絞ったのは、ヴェネチア一の美少女で、処女の誉れも高い名家の一人娘ヴィクトリア(ナタリー・ドーマー)。早速求婚に出かけると、父親の反対にあうものの、本人自らの強い希望で婚約が成立した。ところが、ヴィクトリアの婚約を知った隣家の青年ジョバンニ(チャーリー・コックス)に決闘を申し込まれる。激しい剣技の応酬の末にジョバン二を打ち負かしたカサノバが、相手の仮面を剥ぐと、現れたのは例のフランチェスカ嬢だった。男顔負けの腕前を誇る彼女は、弟ジョバン二の身代わりだった。

フランチェスカは決闘の相手が噂のカサノバとは知らず、本人を前にして、鋭い舌鋒でカサノバを一刀両断にする。多くの女性に愛を捧げるカサノバを否定するフランチェスカ。「私は生涯、ただ一人の男性だけを愛する」とフランチェスカは宣言する。だが、その言葉がカサノバに火をつけた。
弟のジョバン二いわく、彼女には秘密の恋人がいるらしい。毎晩遅くまで何かをしたため、昼になると誰にも知られないように出かけていくのだ…。カサノバがそんな彼女の後をつけてみると、行き着いたのは作家グアルディの家だった。グアルディの未完の原稿を入手した彼は、話を聞かない男性にうんざりきている女性は「自分の意見を聞かれたがっている」という彼の新説を、早速フランチェスカに試してみる。が、彼女の反応は“驚愕”そのものだった。それもそのはず、彼女こそ世を騒がす異端の覆面作家グアルディなのだ。

 さらに、カサノバの前に新たな恋敵も現れる。フランチェスカは明日、親の決めた婚約者、パプリッツィオ(オリヴァー・プラット)と初の対面を果たすというのだ。強敵の出現に、カサノバは早速パプリッツィオに接触し、自分が作家グアルディであると騙って、容姿を気にする彼を彼女好みの男性に改造してみせると自宅に引き止めた。そして、フランチェスカには実は自分こそが彼女の婚約者だったのだと偽るのだった——それこそ、カサノバがフランチェスカに仕掛けた恋の罠だった。

 だが、時を同じくして、ローマからは厳格なプッチ司教(ジェレミー・アイアンズ)が送り込まれて来た。ヴェネチアを騒がす二人の危険人物、カサノバとグアルディの逮捕に執念を燃やすプッチの出現に、事態は急展開を見せる。しかも、カサノバとフランチェスカを中心に、様々な人の思惑が複雑に絡み合ったまま、ついに国中が狂乱のカーニバルへと突入。
誰もが仮面をつけてアヴァンチュールを楽しむ、ヴェネチア最大の祝祭、カーニバル。そこで毎夜繰り広げられる絢爛たる仮面舞踏会を舞台に、カサノバとフランチェスカの危険な恋の駆引きが始まった——。

スタッフ

監督;ラッセ・ハルストレム
脚本:ジェフリー・ハッチャー
   キンバリー・シミ
製作:マーク・ゴードン
   ベッツィ・ビアーズ
   レスリー・ホールラン
製作総指揮:スー・アームストロング
アダム・メリムズ
ゲイリー・レヴィンソン
撮影監督:オリヴァー・ステイプルトン、B.S.C.
プロダクション・デザイン:デヴィッド・グロップマン
編集:アンドリュー・モンドシェイン
衣裳:ジェニー・ビーヴァン
音楽:アレクサンドル・デプラ

キャスト

ジャコモ・カサノバ :ヒース・レジャー
フランチェスカ・ブルーニ:シエナ・ミラー
プッチ司教:ジェレミー・アイアンズ
ピエトロ・パプリッツィオ:オリヴァー・プラット
アンドレア・ブルーニ:レナ・オリン
ルポ・サルヴァト:オミッド・ジャリリ
ジョバンニ・ブルーニ:チャーリー・コックス
ヴィクトリア・ドナート:ナタリー・ドーマー

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