原題:IL GATTOPARDO THE LEOPARD

1963年カンヌ映画祭パルムドール受賞

1963年/イタリア・フランス/187分/シネマスコープ/モノラル 配給:クレストインターナショナル

2016年5月14日公開 2011年09月24日よりDVDリリース 2007年9月22日〜10月19日、Bunkamuraル・シネマ「ヴィスコンティ生誕100年祭」にて上映 2006年10月7日から11月2日、新宿テアトルタイムズスクエアにてロードショー 2004年10月23日よりテアトルタイムズスクエアにて公開(完全復元版187分) 1981年12月5日、岩波ホールにてロードショー公開(完全版185分)/東宝東和配給 1964年1月18日、日比谷映画にてロードショー公開(短縮版161分)/20世紀フォックス映画配給

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公開初日 2004/10/23

配給会社名 0096

解説


映像の世界遺産とも呼べるイタリアの至宝

シチリアの大地に最後の輝きを放つ 貴族社会の壮麗なる落日 
抬頭する新勢力と滅びゆく者の美学を豪華絢爛に描く一大叙事詩

 第16回(1963年)カンヌ国際映画祭で最高賞〈グランプリ〉に輝いた巨匠ルキーノ・ヴィスコンティの『山猫』。これは、ヴィスコンティが唯一自身を語った意味でも代表作中の代表作であり、フランシス・フォード・コッポラ、ベルナルド・ベルトルッチ、マーティン・スコセッシら後の巨匠に大きな影響を与えた作品である。ヴィスコンティという唯一無二の才能のみが創り得た、もう二度と創ることのできない華麗なる一大叙事詩。イタリアの至宝、映像の世界遺産とでも言うべき作品が国を挙げての文化事業として復元され、撮影監督ジュゼッペ・ロトゥンノの監修で何度も改良を重ね今世紀に入ってようやく終了、「イタリア語・完全復元版」として甦った。そして、更なる輝きと艶やかな色彩を取り戻した映像に溢れるのは、特殊効果やデジタル映像の力に溺れない映画本来の豊かな時間、そして極上の陶酔感だ。それは初めて観る者も、そして既に観ている者をも虜にするに違いない。

 原作はシチリア貴族、ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサ(1896〜1957)が死の直前に完成させた生涯唯一の長篇小説。貴族ランペドゥーサが書き、ミラノを統治した名門貴族ヴィスコンティ家の末裔ルキーノが映像にした、滅び行く貴族社会の最後の輝き。そこには、本物だけが持つ鋭い洞察力と豊かな感性こそが創り得るドラマがある。なかでも特筆すべきは映画史上の伝説ともいえる、全篇の約1/3を占める大舞踏会だ。これこそまさにヴィスコンティ美学の真髄である。
 『山猫』の日本初公開は、大幅に短縮された英語国際版で1964年。そして1981年にイタリア語のオリジナル完全版がようやく公開された。オリジナル完全版は物語の完成度が遥かに高いものの、残念ながらプリントの保存状態が悪く、発色という点では国際版の鮮やかさに及ばなかった。そして今回上映される「イタリア語・完全復元版」は、両版の良い部分が1つになった決定版と言えるだろう。

ストーリー



 1860年5月、統一戦争に揺れるイタリア。祖国統一と腐敗した貴族支配からの解放を叫ぶガリバルディと彼の率いる赤シャツ隊がシチリア島にも上陸。歴史は大きく動き始めた。シチリアを数十代に渡って統治してきた山猫の紋章の名門サリーナ公爵家にもその波は押し寄せていた。貴族社会が終わりを告げる日が目前に迫りながらも公爵の優雅さは何ら変わることはなかった。一方、公爵が息子たちよりも目をかけている甥のタンクレディは革命軍に参加し、時代の変化に機敏に適応していた。治安は不安定を極めたが、サリーナは例年通り、一家を率いて避暑のためにドンナフガータ村の別荘へ出発。途中、戦闘で片目を負傷して休暇の出たタンクレディが合流した。その後、タンクレディは公爵家で催された晩餐会で新興ブルジョワジーの絶世の美女アンジェリカと出会い、恋に落ちる…。
 その頃、国民投票が行われ、シチリアも統一イタリア王国となる。けがの癒えたタンクレディは、正規の国軍将校としてサリーナのもとに帰ってくる。間もなくサリーナに、「アンジェリカと結婚したい」と手紙をよこす。身分違いの恋ながら、没落貴族と新興ブルジョワジーとの新時代の結び付きの必要性を認めたサリーナの計らいで婚約へとこぎつける。そして、2人の婚約が発表され、ドン・ディエゴポンテレオーネ公爵の屋敷で開かれた大舞踏会でアンジェリカは社交界デビューを果たす。しかし、いつもと変わらぬ華やかな宴の一方で、サリーナはその盛況と、収拾なくはしゃぐ着飾った令嬢たちに突然疲労を感じ、人気のない書斎へと逃れる。瀕死の老人が描かれた「義人の死」に老いと孤独、近く訪れる死を思うー。そこへ幸せにはちきれんばかりのタンクレディとアンジェリカがやって来て、サリーナはアンジェリカの誘いでワルツを踊る。この流麗なダンスこそが新しい時代の幕開けを告げるものであり、サリーナ公爵のひとつの役目が終わったときでもあった…。

スタッフ

監督:ルキーノ・ヴィスコンティ
製作:ゴッフリード・ロンバルド
原作:ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサ
脚本:スーゾ・チェッキ・ダミーコ
パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ
エンリコ・メディオーリ
マッシモ・フランチオーザ
ルキーノ・ヴィスコンティ
撮影:ジュゼッペ・ロトゥンノ
音楽:ニーノ・ロータ

キャスト

サリーナ公爵:バート・ランカスター 
クンクレディ:アラン・ドロン
アンジェリカ:クラウディア・カルディナーレ

リナ・モレリ
パオロ・ストッパ
ジュリアーノ・ジェンマ
オッタヴィア・ピッコロ
ピエール・クレマンティ
ロモロ・ヴァリ
セルジュ・レジアニ
イヴォ・ガラーニ
アイダ・ガリ
マリオ・ジロッティ

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