原題:Topo Gigio and the Missile War

イタリア生まれの永遠のアイドル・キャラクター トッポ・ジージョ主演の名作が今、甦る!!

1967年07月20日初公開

1967年/日本・イタリア/イーストマンカラー/92分/9巻 2,504m/ワイドスコープ 配給:ケイブルホーグ

2005年09月21日よりDVDリリース 2004年9月4日、ユーロスペースにて独占ロードショー

©Maria Perego 映画「トッポ・ジージョのボタン戦争」1967

公開初日 2004/09/04

配給会社名 0029

解説


市川監督、トッポ・ジージョが大活躍。
幻の作品をついに公開!!

マリア・ペレーゴの操演する人形トッポ・ジージョを主役にして「東京オリンピック」の市川崑、永六輔、イタリアのアルベルト・オンガロ、フェデリコ・カルドーラの四人が共同でシナリオを執筆し、市川崑が監督した。撮影は「アンデスの花嫁」の長野重一。

 まるで生きているかのように動きまわる人形のトッポ・ジージョや仲問のキャラクターたちが、実寸の俳優達と対等に交わり、人間の悪人達と闘う様は、観る人にジージョが人形であることを忘れさせてしまう。
 この映画は、従来の人形劇映画や動画アニメーションとはまったく異なり、人形と人間の出演者の見事なコラボレーションである。マリア・ペレゴさんは、愛すべきジージョというキャラクターを創り上げ、さらにキャラクターのパーソナリティを表現するために、人形を生きているかのように動かすテクニックを開発した。マリアさんが生み出し、マリアさん自らが動かす最高傑作のトッポ・ジージョが、ハリウッド・スター顔負けの演技で観客を魅了し、名匠市川崑監督により、人形と人間の垣根を超えた比類なきサスぺンス映画が誕生した。
 市川監督は「エド・サリバン・ショー」に出演していたジージョを見ていて、以前よりトッポ・ジージョの大ファンだったという。人形の生みの親のマリア・ベレゴさんの見事な指先の動きそのものが芸術と評価していた。マリアさんも市川監督をマエストロと呼び、お互いの信頼関係がこの作品を素晴らしいものにした。
特赦技術を全く使わないこの作品は、監督がライティングや小道具に細心の気配りをして、わずか5秒のシーンに2時間かけることもあった。そんな監督にマリアさんは何度でも、ジージョと共に取り組んだという。
脚本を市川監督と永六輔さんが担当し、魅力溢れる主題歌の「チャオチャオトッポ・ジージョ」は作詞、作曲を「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を」など数々の名曲を残している永六輔さんと音楽担当である中村八大さんの名コンビが行った。
トッポ・ジージョの声は中村メイコさんが担当し、ジージヨのやんちゃぶりとかわいらしさを見事に表現している。ナレーションは以前から「おはよう日本」でジージョと共演し、マリアさんから「小林さんの感情表現の方法は、特に哀愁の出し方はイタリア人と同じですね」と言われた小林桂樹さんが担当し、何故かいつも食べ物を使った不思議な通信機器を使う得体の知れないギャングのボスの声は「マグマ大使」のゴアの声や最近ではモンスターズ・インクのヘンリーの声の大平透さんが担当した。

67年の公開当時トッポ・ジージョのポタン戦争は、たくさんの子供たちに喜びを与えた作品でした。そして、2004年の今、トッポ・ジージョの健気さと勇気は、子供たちはもちろんですが、子供の心を忘れない大人たち、みんなで楽しめるでしょう。

ストーリー

某国の、とある都会の一画に、ネズミのトッポ・ジージョがわびしい独身生活を送っていた。友だちもなく孤独なジージョはある夜、街に散歩に出た。ジージョは街灯の根元に転っている赤い風船を見つけたが、その身ぶりから見て、女の風船だと分った。それも少女らしかった。二人は前からの知り合いでもあるかのように親しげに挨拶を交し、一緒に街を散歩した。その頃、この街では緑、赤、黄、青、紫の靴下をはいた五人組の男たちが、何事かよからぬことをたくらんでいた。彼ら五人組は故意に不審な行動をとって警察の留置場に入れられたが、その狙いは、留置場の側にある銀行の地下金庫だった。そこには、国連で結ばれた核兵器安全保障条約に基づき、核兵器所有五カ国の持つ五つのボタンが納められていたのだが、一つのボタンを押すとその国は完全に破壊されてしまうという恐ろしいものだった。この五人組はボスの命令でこの五つのボタンを盗み出し、世界を征服しようとたくらんでいたのだ。まず五人組は、留置場をひそかに抜け出すと、ボスの無線指令で銀行の警備室を襲った。赤い少女の風船とはぐれたジージョが警備室の排水口に顔を覗かせたのはその時だった。ジージョは直ちにボタンの納められた金庫が狙われていると知ると、国防省警備本部に緊急電話をかけた。一方、五人は警備員を倒すと早速、金庫の扉にダイナマイトを仕掛けた。ボタンを盗まれれば、全世界にとって最大の危機を招くのは明らかだった。ジージョは点火された導火線をくわえて逃げ回り、必死に五人の仕事を妨害した。怒った赤い靴下の男は機関銃でジージョを射った。しかし、弾丸が導火線に当って切断したためダイナマイトは不発に終った。警備隊が駆けつけたのはその時だった。たちまち激しい銃撃戦となった。その間、物蔭に隠れていたジージョは赤い靴下の男に外へ放り投げられてしまった。ところが、ジージョが落ちたのは五人組のボスの運転する車の上だったのだ。ボスはネズミが大嫌いだったので、あわてて後部座席へ逃げてしまった。そのため車は廃品の山に衝突、ボスは命からがら逃げ去っていった。ジージョは服はボロボロになったけれども無事だった。一方、五人組は間もなく逮捕され、ジージョは破れた赤い風船に再会することが出来た。ジージョはそれを部屋の中に張った。もはや、ジージョは孤独ではなかった。ジージョの愛する赤い風船がいつでも彼のそばにいてくれるのだから。

スタッフ

監督:市川崑
アニマチオーネ(操演):マリア・ペレーゴ
脚本:市川崑、永六輔、アルベルト・オンガロ、フィデリコ・カルドーラ
音楽:中村八大
主題歌:「チャオ チャオ トッポジージョ」
作詞:永六輔
作曲:中村八大
唄:中村メイ子
製作:マリア・ペレーゴ・プロ=キングスメン・エンタープライズ(現:青山音楽事務所)
製作:青山ヨシオ、フィデリコ・カルドーラ、市川崑

製作主任:園八雲
助監督:難波敏夫、三輪道彦
Gag Man:永六輔
撮影:長野重一
美術:マリオ・ミラーニ、青木浩
録音:大橋鉄矢
照明:久米光男
編集:堀内一郎
協賛:ライオン歯磨、アリタリア航空、日本テレビ

キャスト

(声の出演)
トッポ・ジージョ:中村メイコ
緑色の靴下の男:冬城五郎
赤色の靴下の男:根上忠
黄色の靴下の男:園八雲
青色の靴下の男:布施紘一
紫色の靴下の男:須永恒
ボス:大平透
ナレーター:小林桂樹

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