原題:THE PASSION OF THE CHRIST

2004年/アメリカ・イタリア合作/製作:アイコン エンターテインメント インターナショナル、マーカス・フィルム サントラ:ソニー・ミュージック カラー/2時07分/7 巻/3472 m/スコープサイズ/ドルビーSRD/SDDS/字幕翻訳:松浦美奈/字幕監修:岡野啓子/(PG-12) 配給:日本ヘラルド映画

2004年12月23日よりDVD発売開始 2004年12月23日よりビデオレンタル開始 2004年5月1日より東京[テアトルタイムズスクエア]ほか[真実の]ロードショー

(c) 2004 by ICON DISTRIBUTION, INC. All Rights Reserved.

公開初日 2004/05/01

配給会社名 0058

解説


かつて、これほどまでに世界を騒がせ、注目される歴史大作があっただろうか?

世界一有名な原作の映画化。2000年を経た現在でも人々の心に生き続けている神の子、イエス・キリスト最後の12時間と復活を、「ブレイブハート」でアカデミー賞を席巻したメル・ギブソンが12年もの構想歳月を費やして映画化。2500万ドル(約27億円)という私財を投じ、ラテン語とアラム語で脚本を手がけ、アメリカ公開はなんと英語の字幕をつけて上映するという、まさにメル・ギブソンのパッション(情熱)の全てを注いだ渾身の衝撃作。

ローマ法王ヨハネ・パウロ2世がこの映画を称賛した、しない発言を皮切りに、反ユダヤ主義を再熱させる危惧から上映反対の声が上がりながらも、公開館数は当初の予定からものすごい勢いで拡大し、最終的には3043館(4000スクリーン)で2月25日に公開。圧倒的な強さで大ヒットを記録。公開後も、連日「パッション」の話題がない日はないくらいに過熱報道が繰りひろげられている。あのブッシュ大統領までが「この作品を観たい」と発言したニュースでも分かる通り、近年にないこの盛り上がりはメル・ギブソンの人気、実力におうところが多いものの、映画のテーマに注目が集まっている結果であろう。イバラの冠をかぶらされ、重い十字架の横木を背負い、ゴルゴダの丘で両手両足を釘打ちされた十字架刑の事実を、ここまで忠実に映画化したものはない。

「最も語られるべきものが今だ語られていない。凄惨なシーンを描くのも、ある一つの目的のため」とメル・ギブソンは語る。「私の望みは、ユダヤ人を非難することではなく、キリストが我々の罪を償うために味わった恐ろしい苦難を目にし、理解することで、人の心の深いところに影響をあたえ、希望、愛、赦しのメッセージが届けられることだ」。

主役のキリストには、メル・ギブソンに彼以外考えられないと言わしめた名優、ジム・カヴィーゼル。マグダラのマリアには、イタリアの宝石ともいわれるモニカ・ベルッチ。そして「ユリシーズの瞳」で評論家をうならせる演技をみせたマヤ・モルゲンステルンが母マリアに選ばれた。
撮影場所は、まさに2000年以上の歴史を誇るイタリアのマテーラを中心に約半年間行われた。「いかにも嘘っぽい歴史大作」ではなく、徹底したリアリティを追及するために世界最高のスタッフが結集した。撮影監督にはキャレブ・デシャネル。画家のカラヴァッジョの絵からインスピレーションを受けて、猛々しく暗いながらも神聖な映像を作り出した。神殿や官邸の中庭などの巨大で完璧なセットは、聖書にもとづいて美術デザインのフランチェスコ・フリジェリとセット担当のカルロ・ジェルヴァーシが手がけた。また、ヨーロッパ各地から集められた100人以上のキャストたちの衣装を手縫いで仕上げたのはオスカー受賞のマウリツィオ・ミレノッティ。

主演のジム・カヴィーゼルは語る。「多くの観客が最後の復活を見る前に、その耐えがたい暴力から席を立ってしまうかもしれない。しかし、同時にたくさんの人たちが最後の最後まで席に留まり、復活の神々しさ、そこから始まる何かを感じとってくれることも信じている」。

誰も描けなかった、真実ゆえの衝撃。
アカデミー賞監督メル・ギブソンが挑むイエス・キリスト最後の12時間と、復活——。

ストーリー



「パッション」は新約聖書のマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの4つの福音書の
記述を基に構成された物語。
登場人物たちは1世紀当時のエルサレムで話されていたアラム語、
ラテン語で会話を行なう。

紀元1世紀のエルサレム。夜更けのほの暗いゲツセマネの園にひとりの男がいる。彼の名はイエス。
最後の晩餐のあと、そこへ赴いた彼は、父なる神に祈りを捧げ、忌まわしき悪魔からの誘惑を退ける。
 
十二使徒のひとり、ユダの裏切りによって大司祭カイアファが差し向けた兵に捕えられたイエスは、市の城壁の内に連行される。
夜の裁判で、カイアファはイエスに救世主なのかと問う。そうだと答えたイエスは、更に自分が人の子であることをほのめかす。怒りに震えたカイアファはイエスを冒涜者だと宣告する。イエスを救おうとマグダラのマリアはローマ兵にすがるが、望みは聞き入れられない。
 
イエスの身柄はローマ帝国の総督ピラトに委ねられる。尋問を始めるも応じないイエスにピラトは、釈放するも十字架刑に掛けるも私次第だと告げる。私をあなたに引き渡した者の罪はもっと重いとイエスは答える。荒れ狂う群衆にも促され、ピラトはイエスを十字架に掛ける判決を下す。
 
ローマ兵により鞭打たれるイエス。顔や胸から飛び散る鮮血。器具を代え、身体の表から裏へと執拗に続く処刑。そばには冷酷に見守るカイアファ。変わり果てたイエスの姿を見かね、ピラトは群衆にこれでも不十分かと訊ねるもはや自分の力ではどうすることもできないと悟ったピラトは、手を水で洗い流し、この問題から身を引くことを示し、群衆の望み通りに処すことを兵に申し渡す。
 
十字架を背負わされ、エルサレムの街をゴルゴダの丘へと歩むイエス。佇む司祭たちを見てイエスは、自分の命は奪われるのでなく、自分の意志で命を手放すのだと語る。惨刑に薄れゆく意識のなか、母マリアと過した楽しき日々や、十二使徒との巡礼の道を懐かしむイエス。
 
ゴルゴダの丘でイエスは十字架に掛けられる。手足には太い釘が打たれ、頭にはイバラの冠が埋め込まれる。磔にされてもなお、彼を裁こうとする人々の為に祈るイエス。苦しみに耐え抜き、父なる神に見捨てられるという畏れに打ち克つ時、イエスの生涯は最期を迎える。

しかし、すべてはそこから始まるのだった・・・・

スタッフ

監督:メル・ギブソン(「ブレイブハート」アカデミー賞受賞)
製作:メル・ギブソン、ブルース・デイヴィ 、スティーヴン・マクヴィーティ
製作総指揮:エンゾ・システィ
共同脚本:ベネディクト・フィッツジェラルド、メル・ギブソン
撮影:キャレブ・デシャネル
音楽:ジョン・デブニー

キャスト

イエス・キリスト:ジム・カヴィーゼル
マグダラのマリア:モニカ・ベルッチ
イエスの母マリア:マヤ・モルゲンステルン
ロザリンダ・チェレンターノ

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す