原題:TIM BURTON'S CORPSE BRIDE

2004年/アメリカ/カラー/77分/ 配給:ワーナーブラザース

2007年12月07日よりDVDリリース 2005年10月22日、丸の内ピカデリー2ほか全国松竹・東急系にてロードショー

(C)2005 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

公開初日 2005/10/22

配給会社名 0085

解説



そんじょそこらにある話じゃねえ
悲劇中の悲劇だ
愛と
情熱と
残酷な殺人のな

─ この世のどんな物語より美しい ─
あの世に生まれた究極のバートン・ファンタジー

◆『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』から12年
コープス ブライドの瞳から流れ落ちる涙が、
世界中の魂を浄化する!

『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』から12年、あの胸躍る興奮と、涙がこぼれるほど優しい感動に、世界がふたたび満たされる時がやって来た! 世界中に渦巻いた『ナイトメアー』シンドロームを超えて、この秋ついに公開されるティム・バートンのストップモーション・アニメ最新作 ─ “死者の世界”への扉が開くとき、誰もの予想をはるかに超える愛の物語が始まりを告げる!

『ナイトメアー』でストップモーション・アニメという「特別な芸術スタイル」にすっかり魅せられたバートンが、イマジネーションを縦横無尽に羽ばたかせ、実に10年という歳月をかけて映画化した最新にして究極のバートン・ファンタジー。それは、1、2秒撮影するために12時間もの時間を要するという、映画の域を越えた芸術 ─ 77分の上映時間中、瞬きするのも惜しまれる、世界中が夢にまで見たバートン・アニメの新作が、いま、幽明の境を越えて感動の小宇宙を描き出す!!

◆花嫁はどんなときでも、
真実の愛と、永遠の誓いを待っている……。
朽ちた肉体に宿る汚れなき想い ─ その純愛を、あなたは信じますか?

19世紀ヨーロッパのとある村。親同士が欲得ずくで決めた結婚に戸惑いながらも、初めて出会った瞬間からお互いに惹かれあった富豪の息子ビクター(声:ジョニー・デップ)と、落ちぶれ貴族の娘ビクトリア(声:エミリー・ワトソン)。ところが、結婚式の前日、森の中でひとり、式の練習をしていたビクターが、誓いの言葉とともに結婚指輪をはめた枯れ枝 ─ それは、地中深く埋もれながら花婿の訪れをずっと待ち続けていた“コープス ブライド”(声:ヘレナ・ボナム=カーター)の朽ちかけた薬指だったのだ ─ 。

欲と見栄、憂鬱と混沌に支配された“生者の世界”から一転、ビクターが花婿として連れて行かれたのは、意外にも、亡者たちが“人生(?)”を謳歌する活気に溢れた“死者の世界”。モノトーンの現世と、カラフルな幽界。そんなふたつの世界を舞台に展開する、ビクターとコープス ブライド、そしてビクトリアの三角関係。それは、この上なく優しい、3つのピュアな魂の出会いでもあった。愛する人との結婚を夢見ながら、それが成し遂げられないままに、真実の愛だけを待ちわび続けていたコープス ブライド。その一途な想いを、誰が死者の妄執などと呼べるだろう? そして、たった一瞬で運命の恋に落ちたビクターとビクトリアの純粋な愛を誰が引き裂けるというのだろう? 三角関係のセオリーを超えて、三人が三人とも幸せになってほしいと願わずにはいられない切ない恋の物語。おぞましい外見にさえ愛おしさを感じさせ、異形のものの中にこそもっとも美しい魂を浮かび上がらせるバートン・マジックの真髄。その奔流が感動となって観る者の胸に溢れ出す。

◆【ティム・バートン×ジョニー・デップ】
稀代のコンビが紡ぎだす、
永遠のメランコリーとイノセンス

今作で主人公ビクターの声を担当したのは、10年ぶりに来日し日本を沸かせに沸かせ、名実ともに文句なしのトップ俳優として世界中の映画ファンを虜にしているジョニー・デップ! 声優初挑戦、しかも『チャーリーとチョコレート工場』の撮影と同時進行であるにもかかわらず、デップは同時期にバートンと2本の作品で仕事ができるチャンスに迷わず飛びついた。すでに証明されている通り、【デップ×バートン】のコラボレーションはまさに究極。もはや「ほぼ無意識に意志の疎通ができる」(ティム・バートン)というほど信頼し、心酔し合う二人が生み出す刺激的な化学反応が、本作を永遠のメランコリーとイノセンスが息づいた、息を呑むほど美しくロマンティックなファンタジーへと昇華させる!

孤独で優しく、哀しくてロマンティック……彼のファンタジーにはひとカケラの嘘もない。ブラックで毒っ気たっぷりのユーモア、その奥にあるのは汚れのない一途さと、誰の胸をも震わせずにはおかない愛への渇望 ─ 。だからこそ、パペットの目からこぼれ落ちる涙が、どんな名優の演技にも負けないほどの感動を誘うのだ。幸せを祈って花嫁が投げるブーケ。この世で一番美しく、切ない想いがこもったそのブーケを、涙とともに受け止めてほしい ─ 。

ストーリー



むかしむかし、19世紀のヨーロッパの片隅に、ある小さな村がありました。この村の人々はみんな活気がなく、村全体が暗く重苦しい雰囲気に沈んでいます。

そんな村で、明日、1組の内気なカップルが結婚式を挙げようとしていました。といってもこの二人、まだただの一度も会ったことがないのですが……。

男の名はビクター(声:ジョニー・デップ)。魚の缶詰業で大儲けして成り上がったネルとウィリアムのバン・ドート夫妻(トレイシー・ウーマン、ポール・ホワイトハウス)の息子です。夫妻の夢は上流階級への仲間入り。そのためのお金は余るほどありますが、哀しいかな、彼らには“品格”というものが痛ましいくらい欠けていました。

一方、女の名はビクトリア(エミリー・ワトソン)。由緒ある貴族、モーデリンとフィニスのエバーグロット夫妻(ジョアナ・ラムリー、アルバート・フィニー)の娘です。こちらの夫妻は品格はあるのですが、お金がまったくなく、すっからかんの金庫にクモが巣を作っているような有りさま。財産といえば家名と貴族という身分、そして娘のビクトリアだけ ─ そう、夫妻にとって娘は、いわば最後の切り札なのです。

何としてでも富を得て社交界に返り咲きたいエバーグロット夫妻は、不快感を押さえ込み、忌々しいバン・ドート家にビクトリアを嫁がせることを決意しました。成金でも金持ちには違いない、というわけです。もちろん、子供の頃から愛する人との結婚を夢みていたビクトリアの気持ちなんて、ほんのちょびっとも関係ありません。ほら、モーデリンのこんなキツい声が聞こえてきそうですよ ─ 「結婚に愛なんて必要ないのよ!」。こうして互いの利害が一致した両家は瞬く間に婚礼の準備に入り、興奮状態に陥りました。肝心の花婿と花嫁を除いては、ね。

そして結婚式前夜、ビクターとビクトリアは初めて顔を合わせます。それまでの不安はどこへやら、ふたりは何だかとてもいい雰囲気。どうやら真の愛が芽生える可能性はたっぷりと残されていそうです。が、内気なビクターは、式のリハーサルで誓いの言葉はちゃんと言えないわ、指輪は落とすわ、モーデリンのドレスにうっかり火を付けるわと、もう散々。結局、怒ったゴールズウェルズ牧師(クリストファー・リー)に、セリフを覚えてくるまで結婚式は延期だ!と言い渡されてしまいました。

すっかり落ち込み、たった一人とぼとぼと暗い森の中へと入って行くビクター。「ああビクトリア、きっとすっかり嫌われただろうな。こんな最悪な日ってないよ」。そして、練習しようと誓いの言葉を唱え ─ 一人きりだとすらすら言えたのです ─ 仕上げに結婚指輪を取り出して、地面から突き出た細い小枝のようなものにそっとはめました。ところが ─ 小枝ではなかったのです。彼が小枝だと思ったそれは、なんと「骨だけの手」。その「手」がビクターを掴んだ、その次の瞬間、地面が割れてボロボロのウエディング・ドレスに身を包んだ死体の花嫁=コープス ブライド(声:ヘレナ・ボナム=カーター)が現れたのです! そして一言、こう言いました ─ 「お受けします」。どうやら、ビクターはコープス ブライドと婚姻の誓いを交わしてしまったみたいです。

こうして「花婿」となってしまったビクターは、コープス ブライドによって地中深くへ連れ去られます。ところが、たどり着いた“死者の世界”は意外にも、地上の“生者の世界”とは対極的な、活気にあふれた陽気で楽しい世界だったのです!

地上のどんよりしたグレーの空気はどこへやら、お日様も差さないはずなのにどこかカラフルに輝く死者の世界。そこでは1日中パブがオープンし、見るからに“人生”を謳歌している死者たちが酒を飲んでは歌って踊って、ハシャギまくっています。骨しかないのに生きている人間よりもずっと明るい表情で、リズミカルに跳び回るガイコツたち ─ そんな彼らの生活に、息苦しい地上との鮮やかな対比を見出すビクター。果たして彼は、無事に地上に戻り、残してきた花嫁ビクトリアの元へと帰ることができるのでしょうか。ビクターの運命は、そしてコープス ブライドの、ビクトリアの運命はいかに ─ ?

スタッフ

監督:ティム・バートン、マイク・ジョンソン
製作:アリソン・アベイト、ティム・バートン
製作総指揮:ジェフリー・オーバック、ジョー・ランフト
脚本:パメラ・ペトラー、キャロライン・トンプソン、ジョン・オーガスト
撮影:ピート・コザチク
プロダクションデザイン:アレックス・マクダウェル
編集:クリス・レベンゾン、ジョナサン・ルーカス
音楽:ダニー・エルフマン

キャスト

(声の出演)
ジョニー・デップ
ヘレナ・ボナム=カーター
エミリー・ワトソン
トレイシー・ウルマン
ポール・ホワイトハウス
アルバート・フィニー
ジョアンナ・ラムレイ
リチャード・E・グラント
クリストファー・リー
マイケル・ガフ
ジェーン・ホロックス
ディープ・ロイ
ダニー・エルフマン

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す