原題:L'ennui

1998年ルイ・デリュック賞受賞

1999年香港国際映画祭出品 2000年ハワイ映画祭出品

1998年12月16日フランス公開

1998年/フランス映画/122分/Dolby SR/ 配給:セテラ・インターナショナル

2005年12月22日よりDVDリリース 2001年1月6日〜26日まで吉祥寺バウスシアターにて再上映決定 2000年10月28日よりシアター・イメージフォーラムにてオープニングロードショー! 2001年4月27日DVD発売/2001年4月27日ビデオ発売

公開初日 2001/01/06

公開終了日 2001/01/26

配給会社名 0117

公開日メモ 哲学教授の主人公は30代半ばですべてに行き詰まっていた。ふとしたことから出会った17歳の少女と関係を持つうちに、彼女へのこだわりが思いもよらなかった方向へ暴走してゆく。それは愛なのか、はたまた所有欲なのか。

解説


哲学教授の主人公は30代半ばですべてに行き詰まっていた。ふとしたことから出会った17歳の少女と関係を持つうちに、彼女へのこだわりが思いもよらなかった方向へ暴走してゆく。それは愛なのか、はたまた所有欲なのか。SEXの時だけ燃える少女。自分の理解を超えた人間を、なんとか自分の知っているカテゴリーの中に収めようと四苦八苦する男。男女の恋愛、それに伴う二人の関係のズレという普遍的なテーマを、奇抜なストーリー展開で斬新に描く。近年稀な多様で豊富なセックス描写のため、R-18指定となったが、無修正・ノーカットで上映。 ゴダールの『軽蔑』、ベルトルッチの『暗殺の森』等の原作で知られるアルベルト・モラヴィアの同名ベストセラー小説の映画化。監督は、今フランスで最も注目されている異端児、セドリック・カーン。本国の雑誌・新聞の辛口批評家陣が口を揃えて大絶賛、映画が小説を超えたとまで言わせた。同監督にとってこれは3本目の長篇となるが、前2作もそれぞれ世界的な映画祭で認められ、本作『倦怠』はその年最も革新的な映画に贈られるルイ・デリュック賞を受賞、興行的にも大ヒットとなった。

ストーリー



哲学教授のマルタン(シャルル・ベルリング)は、私生活に於いては妻ソフィ(アリエル・ドンバール)と別居中、仕事に於いては執筆中の本が進まず、すべてに行き詰まっていた。

そんなある日、一人の老いた画家(ロバート・クレイマー)の死をきっかけに、彼の絵のモデルをしていたセシリア(ソフィー・ギルマン)という若い娘と知り合う。彼女の話に徐々に引き込まれ、マルタンは自分の意志とは裏腹に、この死んだ画家と同じ運命、すなわち少女との官能的な愛の日々を生き始める。

しかしこれが彼にとっての地獄の始まりであった。愛を交わす時の情熱と普段のそっけない応対の落差に彼女の心が読めず苦しむマルタン。その曖昧さが彼の彼女を所有したいという欲望に拍車をかけ、極限に達したヒステリー状態は彼を常軌を逸した行動に駆り立てていく。ストーカーのように彼女の後をつけ、電話をかけまくり、遂には別な男の存在を確認したことで新たな苦悩にさいなまれる。

最初はしらをきっていたセシリアも、マルタンの執拗な質問責めに会い、ボーイフレンドの存在を肯定し、二人とも好きだと言う。誰も相談する相手のいないマルタンは、妻ソフィにセシリアとのすべてを打ち明ける。最初は親身になって聞いていたソフィだが、次第にエスカレートする彼の執拗さに呆れ、閉口する。

マルタンはありとあらゆる方法で、セシリアに対する執着の呪縛から逃れようともがく。金を渡してセシリアを娼婦におとしめようとしたり、結婚を切り出して妻という立場に安定させようとまでするが、セシリアは結婚より他のボーイフレンドとの旅行を選び、戻ったらまた逢いましょう、と平気で言う。

自暴自棄に陥ったマルタンは、夜の闇の中を車で突っ走り、半ば自殺ともとれる事故を起こす。なんとか一命を取り留めた彼は、病院から別居中の妻ソフィに一通の手紙を出す。

はたして彼に心境の変化は訪れたのであろうか…?

スタッフ

監督:セドリック・カーン
脚本/脚色:セドリック・カーン、ローランス・フェレイラ・バルボッサ
原作:アルベルト・モラヴィア(「倦怠」河出書房新社・刊)
製作:パウロ・ブランコ
撮影:パスカル・マルティ
録音:ジャン=ポール・ミュゲル、ドミニク・エネカン
編集:ヤン・デデ
美術:フランソワ・アブラネット
衣装:フランソワーズ・クラベル
助監督:ヴァレリー・メガール
記録:カミーユ・ブロット
配役:サラ・トぺール
製作担当:フィリップ・ザール、アントワーヌ・ボ
製作:パウロ・ブランコ
製作:ジェミニ・フィルム、イマ・フィルム
製作補:マドラゴア・フィルム
協力:カナル+、CNC

キャスト

シャルル・ベルリング
アリエル・ドンバール
ソフィー・ギルマン
ロバート・クレイマー
アリス・グレイ
モーリス・アントーニ
トム・ウェドローゴ
パトリック・アラシャケーヌ
ミルタ・カプティ・メデイルシュ
ピエール・シュヴァリエ
ウリー・ミルシタン
アンヌ=ソフィー・マリヨン
マルク・シュパール
セシル・レゲール
アントワーヌ・ボ
セルジュ・ボゾン

LINK

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