ヴィクセン

化け物のようなゴット姐ちゃんたちが活躍する『ファスター・プッシーキャット…』とは
一転して、美しいグラマラスな人妻のセックスハンティングぶりを描いた作品。
　カナダの山林地帯で生活する小型パイロットの妻・ヴィクセンは女豹のようにしたたかで美しく周りの人間を魅了する存在。夫の前では貞淑な妻だが、実際は夫の案内する夫婦2人を互いに内緒で手玉にとったり、実の弟ともデキていたり・・・モラルなき性欲の野獣であった。しかし弟のバイカー仲間でアメリカ軍脱走兵の黒人だけはなぜかまったく相手にせず、差別意識から冷たくあしらうヴィクセン。意図はイマイチ不明だが黒人の偏見や共産主義者がごく普通に登場していて、当時の世間の政治性への高まり、フラワー文化、人種偏見などの問題提起が結果的に含まれ、60年代後半の雰囲気がふんだん盛り込まれている。そんな時代の空気を背景に大自然で快楽に溺れるエリカ・ギャヴィン演じるヴィクセンの無邪気な官能がまぶしく輝く。メイヤー自身最も愛する最もピュアなエロティック作品。