原題:Be in Happiness

ありのままの自分ですけど よろしくお願いします。

2003年/日本/86分/35ミリ/カラー/スタンダード 製作・配給:「ここに、幸あり」製作委員会/リリック・ピクチャーズ

2003年8月30日よりシネアミューズにてレイトショー

公開初日 2003/08/30

配給会社名 0384

解説


忘れかけたあの日——。
何かを目指し、何かを愛した、誰にでもある“あの日”の記憶。でも、輝いていたあの頃をいつの間にか見失いかけて過ごしてしまっている、そんな現代。ふと心に疲れを覚えた時、遠くもなく、近くもない、“ちょっと離れた”距離感が心地良く思えてくる。そこに思い出したように吹く風が、人に「やさしさ」と「強さ」を運んできてくれる。
『ここに、幸あり』劇場の外側で、もう一度かけがえのない“自分史”の旅が始まります。
主人公のひとり・邦(くに)役の須田邦裕は、舞台となった姫島出身者。中学生のころは全校生徒2名という時代を経験し、しかも島“初”の東京の大学生というリアルで稀有な存在。監督のけんもち聡は、そんな彼との出会いから姫島に興味を待ち、映画『ここに、幸あり』の企画を思い立った。
この映画は、その他多くの姫島島民の惜しまぬ協力があって撮影が進められた。あるときはエキストラとして登場し、あるときは重要な役を演じて、その不思議でチャーミングな持ち味を存分に発揮してくれた。大量の機材を持ち込んで連日夜中まで行われたという、この島にとっては非常事態に違いなかっただろう映画撮影にも、「映画の撮影って、たいへんやねぇ」と素朴な笑顔で明るく包み込んでしまう姫島のひとびとには、ただ脱帽。
出演は、主人公・幸(さち)役に、けんもち監督の前作『いつものように』で、等身大の若者を演じた高瀬アラタ。邦役には、この作品で映画デビューとなる須田邦裕が、飾り気ない島の青年をサラリと好演している。そのほか、モデルの竹谷佳織が本格女優デビューし、『三文役者』の渋谷拓生、『青〜chong〜』の眞島秀和、そして、いまや日本映画には欠くことのできない存在となった田中要次らが脇を固めている。
スタッフには、撮影監督に『UNLOVED』『守ってあげたい!』などで知られる日本唯一の女性カメラマン芦澤明子、また音楽は、一台のピアノで連弾する“Hands two Hands”というユニットで活躍する長谷川久美子が、作品に溶け込む心地良いナンバーの数々を披露している。

ストーリー



 売れないダメ役者、加藤幸。彼の夢は、自分の“個性”を見つけることだ。
 幸はある日、マネージャーの命令で、田舎の浪人生・吉田邦にボランティアで演技トレーニングを教えに行くハメになる。
 九州の小さな離島に暮らす邦は、死んだ母に代わって民宿の切り盛りもする“勤労受験生”。この島は老若男女、みんな相撲が大好きで、邦もそんな島民の一人なのだが、性格ばかりは滅法シャイ。演技科志望の動機を恥ずかしそうにつぶやく邦に、幸はすっかり困惑気味だ。
 そんな夜、季節外れの水着撮影にこの島を訪れた、モデル稼業の渋谷成美が、二人きりの民宿へふらっと泊まりにやってきた。
 翌日から演技トレーニングが始まった。が、初めてだらけに戸惑う邦に、幸はまったく容赦なし。幸にとって演技は闘い、ついてこれないヤツは負けだ。
 いっぽう成美も、予想外の出来事で撮影がうまくいかなくなっていた。思わぬ島民の反応にイラつくカメラマン、その間にはさまれた成美は、どうしていいか分からなくなる。
 分からないのは邦も同じ。一向にラチが明かない邦にイライラが募っていく幸だったが、実直な邦から思わぬ抵抗が返ってきた時、幸の思いが微妙に揺れ始めていく……。

スタッフ

監督・脚本:けんもち聡
撮影:芦澤明子
録音:ミゲル
音楽:長谷川久美子 Hands two Hands
衣裳:長嶋サクラ
助監督:中岡秀樹
製作担当:藤田正嘉
撮影助手:佐久間栄一、深谷敦彦
メイキング監督:伊刀嘉紘
製作進行:福田貴弘
ネガ編集:宮澤誠一
整音:荒木祥貴、浜口十四郎
タイミング:安斎公一
光学リーレコ:宇田川章
タイトル:谷勝博
宣伝デザイン:渡辺純
Webデザイン:角岡泰成

キャスト

高瀬アラタ
須田邦祐
竹谷佳織
渋谷拓生
川上多恵子
下垣内努
西川方啓
姫島のひとびと
眞島秀和
田中要次

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