ニュー・シネマ・パラダイス
原題:NUOVO CINEMA PARADISO
カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション 2015 1989年アカデミー賞・外国語映画賞受賞 1989年カンヌ国際映画祭・審査員特別賞(ジュゼッペ・トルナトーレ) 1989年ゴールデン・グローブ・外国映画賞
1989年/イタリア=フランス合作/カラー/123分/ヨーロピアンビスタサイズ/日本語版字幕:吉岡芳子 配給:アスミック・エース
2016年04月06日よりDVDリリース 2015年5月29日、新宿シネマカリテにて公開!! 2005年12月23日、デジタルリマスター版にてシネスイッチ銀座でロードショー 2003年8月8日DVD 15周年メモリアルコレクション発売! 1989年12月公開
© 1989 CristaldiFilm
サブ題名 デジタル・ニューマスター版
公開初日 1989/12
配給会社名 0058
解説
映画史上に燦然と輝く、感動映画の金字塔
本作の初公開は、1989年12月16日の東京・シネスイッチ銀座。史上空前の40週間に及ぶロングランを果たし、200数席のたった1館だけで27万人を動員、興行成績3億6,900万円を記録。これは、15年以上を経た今もなお単館興行成績No.1の数字であり、おそらく今後も破られることのない奇跡の上映だった。その後も「好きな映画ベスト10」や「感動映画ベスト10」などのランキングでは必ず名が上がり、永遠に心に残る名作として映画ファンに愛され続けている。
フィルムは回り、トト少年の夢は広がる
戦後間もないシチリアの小さな村。この村の唯一の娯楽はパラダイス座という映画館。少年トトも母親の目を盗んで映画館に通いつめていたが、彼の心を魅了したのはフィルムの宝庫である映写室と、それを操る映写技師のアルフレードだった。頑固者のアルフレードは、映写室という聖域からトトを追い出そうとするが、やがてふたりの間に不思議な友情が芽生えていく…。
溢れ出す映画への愛。涙のラストシーン
人々はパラダイス座に集まっては、笑い、泣き、冒険に胸を躍らせ、恋に身を焦がす。一歩外にでればそれぞれに人生がある。一癖もふた癖もある映画館の常連たち、トトの成長と旅立ち、そしてアルフレードとの親子にも似た関係。監督ジュゼッペ・トルナトーレは33歳(当時)とは思えない見事な手腕で、映画館をとりまく人生模様と映画への愛をユーモラスかつノスタルジックに描いてみせた。そして、それを支えたのが巨匠エンニオ・モリコーネの素晴らしい音楽。有名な旋律にのせて訪れる怒涛のラストシーンは、映画ファンなら決して忘れらない感動の一瞬になるだろう。
あの笑顔が、あの涙が、そしてあの感動が、より鮮やかに。
[デジタル・リマスター版] DLP上映
本上映は、新たにHDテレシネしたマスターに入念な映像・音声の補修を加えたデジタルマスターを使用するDLP™上映。以前のプリントでは白けていた空が青い快晴に、劇場内のシーンでも濃淡がくっきりと鮮やかに浮かび上がる。
*DLP(Digital Light Processing)はテキサス・インスツルメンツの商標です。
今だからこそ、スクリーンで見て欲しい!
人々の人生に夢を与え、希望を授け、色を添えてきた映画。その映画にとって記念すべき今年、記念すべき映画館で、「ニュー・シネマ・パラダイス」が再びスクリーンで甦る!
映画生誕110年
1895年12月28日、「映画の父」リュミエール兄弟がフランスのカフェで世界初の商業映画を有料上映。2005年12月はそこから丸110年を経た記念すべき時となる。
シネスイッチ銀座 誕生50年
シネスイッチ銀座の前身である「銀座文化劇場」が誕生したのは1955年12月。その後、1987年には「シネスイッチ銀座」と名を改め、文化の発信地として数々の名作を世に送り出してきた。2006年は「シネスイッチ銀座」20周年を迎える年でもある。
<AWARDS>
1990年アカデミー賞最優秀外国映画賞受賞
1989年カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞
1991年イギリス・アカデミー賞最優秀主演男優賞、最優秀助演男優賞、最優秀外国語映画賞、最優秀作曲賞、最優秀脚本賞受賞受賞/撮影賞、衣装賞、監督賞、編集賞、メイクアップ賞、プロダクション・デザイン賞ノミネート
1990年ゴールデングローブ賞最優秀外国語映画賞受賞
1990年セザール賞最優秀ポスター賞受賞、外国映画賞ノミネート
1989年ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞最優秀音楽賞受賞
1991年アメリカ監督協会賞ノミネート
1989年ヨーロッパ映画賞最優秀男優賞、審査員賞受賞
1991年日本アカデミー賞外国語映画賞ノミネート
1989年度キネマ旬報ベストテン外国語映画第7位
1989年度ロードショー・シネマ大賞執筆者選出第1位
1989年度スクリーン 執筆者選出第2位/読者選出第5位
ストーリー
1980年代のローマ。成功した中年の映画監督サルヴァトーレ・ディ・ヴィータは夜遅く帰宅した。彼の留守中、故郷のシチリアにいる母親から電話がかかっていた。アルフレードが死んだ、という伝言だった。
アルフレードという懐かしい名前を聞いただけで、サルヴァトーレの脳裏には故郷のシチリアのジャンカルド村での記憶が、まざまざと蘇った—白くて埃っぽい広場、教会、そして少年のサルヴァトーレを魅了した映画館、パラダイス座。そしてパラダイス座の映写技師アルフレード。
当時、トトと呼ばれていた少年サルヴァトーレは、母親のマリアと妹との三人暮らし。トトの父親は第二次世界大戦後もロシア戦線から帰還していなかった。ある時、母親の買い物を言い付けられ、その買い物の代金で映画を見てしまい、母親にひどく怒られた。トトを魅了したのはパラダイス座の映写室であり、魔術師のように映写機を操る映写技師のアルフレードだった。
当時の映画には検閲が行われていた。ジャンカルド村で検閲にあたっていたのは司祭だった。今、パラダイス座のスクリーンにはジャン・ルノワール監督の「どん底」が映写されている。客席にひとり腰掛けた司祭は、キス・シーンになると鈴を鳴らし、鈴の音を聞いた映写技師のアルフレードは、フィルムのキス・シーンの箇所に紙切れを挟み、あとでカットするのだった。
映画館はジャンカルド村の唯一の娯楽の場だった。村の人々はパラダイス座で上映される喜劇に笑い転げ、メロドラマに泣き、映画を心から愛していた。
トトはいつもパラダイス座の映写室に入り込む機会を窺っていた。しかし、根は優しいがぶっきらぼうのアルフレードは、いつも映写室からトトを追い出そうとするのだった。その頃のフィルムは可燃フィルムで、危険だったからだ。だが、トトは決して諦めず、アルフレードと巧妙な取引をして、この聖域に入り込んだ。映写室でトトは、検閲でカットされたシーンのフィルムを集めた。それは禁じられたキスや抱擁のシーンであり、こうしたフィルムの断片はトトの宝物だった。
ある日、パラダイス座では喜劇王トトの主演映画「ヴィッジュの消防士たち」が上映されていた。だが、突然フィルムに火がつき、パラダイス座は瞬く間に火に包まれた。トトの懸命の努力によってアルフレードは一命を取り留めたが、火傷がもとで失明してしまう。
パラダイス座は再建された。そして失明したアルフレードに代わってトトが新しい映画館の映写技師となった。時代は変わった。シルヴァーナ・マンガーノ主演の「アンナ」のキス・シーンは、もはやカットされることはなかった。ロジェ・ヴァディム監督の「素直な悪女」では、ブリジット・バルドーの裸体が堂々とスクリーンに映写された。フィルムも不燃性になり、もはや火事の危険はなかった。
立派な青年に成長したトトは、銀行家の娘エレナに恋をした。彼はエレナに恋を告白し、彼女の愛を得ようと、雨の日も風の日もエレナの家の下に立っていた。新年を迎えた夜、突然エレナはトトに会いに映写室にやってきた。初めて唇を合わせる二人。
トトとエレナは幸福な夏を過ごした。だがエレナの父親は、二人の恋愛を認めようとはしなかった。エレナの一家はパレルモに引越し、トトはローマで兵役についた。除隊後、ジャンカルド村に戻ったトトの前にエレナは二度と姿を現さなかった。
アルフレードに勧められてトトはシチリアを後にした。
それから30年の年月が経っていた。映画監督になったサルヴァトーレは、アルフレードの死の知らせを受け、葬儀に出るためジャンカルド村に帰ってきた。彼が少年時代の大半を過ごしたパラダイス座は廃館となり、駐車場に姿を変えようとしていた。パラダイス座の常連だった人々もすっかり年をとり、葬列に加わっていた。
サルヴァトーレは、アルフレードの形見のフィルム缶を手にしてローマに戻った。試写室でアルフレードのフィルムが映写される。そこに映し出されたのは…。
スタッフ
監督・脚本: ジュゼッペ・トルナトーレ
撮影: ブラスコ・ジュラート
編集: マリオ・モッラ
音楽: エンニオ・モリコーネ
愛のテーマ: アンドレア・モリコーネ
美術: アンドレア・クリザンティ
衣装: ベアトリーチェ・ボルドーネ
メイク: マウリツィオ・トラーニ
製作総指揮: ミーノ・バルベラ
共同製作: リッカルド・カネーヴァ、アレクサンドル・ムヌーシュキン
製作: フランコ・クリスタルディ
キャスト
アルフレード: フィリップ・ノワレ
サルヴァトーレ(トト): ジャック・ペラン
(少年時代)サルヴァトーレ・カシオ
(青年時代)マリオ・レオナルディ
エレナ: アニェーゼ・ナーノ
アンナ: イザ・ダニエリ
マリア: (年老いた)プペッラ・マッジョ
(若き日)アントネッラ・アッティーリ
アデルフィオ神父: レオポルド・トリエステ
スパッカフィコ: エンツォ・カンナヴァーレ
ポスター貼り: レオ・グレッタ
鍛冶屋: ダーノ・チマローザ
広場の男: ニコラ・ディ・ピント
リア: ロベルタ・レーナ
ペッピーノの父親: ニーノ・テルツォ
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