芸術文化振興基金助成事業/文部科学省選定作品

2004年/日本/カラー/2時間3分/ドルビーステレオSR/ 協賛:三井生命保険株式会社/サントラ:東芝EMI 配給:日本ヘラルド映画

2004年12月21日よりビデオレンタル開始 2004年12月21日よりDVD発売開始 2004年7月31日より東京[テアトル新宿]ほかロードショー 2004年5月29日より香川県先行ロードショー

©「機関車先生」製作委員会

公開初日 2004/07/31

配給会社名 0058

解説


坂口憲二が贈る、待望の初主演作品!
“機関車先生”を演じるのは、人気ドラマ「プライド」にも出演し、モデル、ドラマ、CMなどで、今最も活躍している人気俳優、坂口憲二。初の主演映画が待たれていた中で、坂口自らがストーリーに惚れ込んだ意欲作だけあって、口のきけない主人公という今までにない難役を清々しく熱演。
子供たちを見つめる眼差しにも役柄を超えた坂口自身の温かな思いが伝わってくる。そして、堺正章、倍賞美津子、伊武雅刀、 大塚寧々といった豪華実力派キャストが出演。美しい海と深い緑に囲まれた島を舞台に、温情味溢れる様々な人間模様が叙情的に繰り広げられる。

「ヴァイブレータ」の廣木 隆一監督が挑んだ新天地!

メガホンをとったのは、第16回東京国際映画祭のコンペティション部門で正式上映され、ヨコハマ映画祭でも、見事5部門受賞を果たして絶賛を受けた「ヴァイブレータ」など、演出力に定評のある、廣木隆一監督。昨夏に放映されたTVドラマ「ひと夏のパパへ」(TBS)の演出も手がけるなど、幅広いジャンルでマルチな才能を発揮している。
今、熱い注目を浴びている廣木監督が、今までの作品スタイルとは一転して、先生と子供たちとの心の交流を描く新境地に挑んだのが、この「機関車先生」。香川フィルムコミッションの全面協力のもと、穏やかに過ぎていく毎日と1人の青年教師と7人の生徒たちの絆を深みのある演出でじっくりと描きあげている。

直木賞作家、伊集院 静原作の同名小説に綴られた勇気と感動のストーリー

映画の原点になっているのは作家、伊集院 静が第7回柴田錬三郎賞(平成6年)を受賞した小説『機関車先生』。
瀬戸内海に浮かぶ小島を舞台に、口のきけない先生と7人の生徒が繰り広げる、勇気と成長の物語は原作出版当初から大きな感動を呼び、現在も読み継がれている名作となっている。
1997年には伊集院自らが機関車先生の心の声を手がけ、一度アニメ映画化されている。
それから7年、遂に待望の実写化が実現。
瀬戸内の美しさやリアル感を増し、豪華実力派キャストを得て新たな命を吹き込まれた感動作が再び日本中を包み込む。

J-POP界に颯爽と現われた新星、林 明日香のドラマチックな歌声

映画の主題歌を歌っているのは14歳とは思えない圧倒的な歌唱力と実力を備え、日本以外でも台湾、香港、中国をはじめ、アジア各国でアルバムが発売され話題沸騰の林 明日香。
ファーストアルバム”咲”がオリコン・チャートでも初登場第7位という最年少記録を樹立し、CM、バラエティ、映画にも楽曲が使用されるなど、目覚しい活躍 ぶりを見せている。
そんな林 明日香の奏でる印象的な歌声が、本作をより一層ドラマチックに演出する。

ストーリー

瀬戸内海に浮かぶ小島、葉名島に向かって一隻の連絡船が進んでいく。
船には島を見つめている一人の青年、吉岡誠吾(坂口憲二)が乗っていた。
一方、島で唯一の小学校、水見色小学校では校長の佐古周一郎(堺正章)が吉岡の到着を待ちわびていた。
周一郎には、どうしても吉岡に来てもらいたい理由があったのだった。

臨時教師がやって来る、そんな噂を耳にしていた子供たちの胸も期待と不安で大きく膨らんでいた。やがて周一郎と共に姿を現したのは大きな体に、優しい眼差しの先生だった。その口から最初の言葉を固唾を呑んで待つ子供たちに、吉岡は深々と頭を下げ、おもむろに黒板にむかって文字を書き出した。”ぼくは話すことができません。でも、みなさんと一緒にしっかり勉強します。どうぞよろしく”。
あまりの驚きにあ然とする子供たち。しかしすぐに生徒の1人が「口をきかんの?でも先生は大きくて強そうだから、機関車先生や!」と教室の後ろにある機関車の写真を指す。途端に残りの生徒たちも大喜びして、一斉に先生に拍手を送る。こうして機関車先生と子供たちとの島での生活がはじまった。

先生のオルガンに合わせて「月光仮面」を歌ったり、浜辺にスケッチに出かけたり、子供たちの楽しい日々は永遠に続くかに思えた。先生と子供たちは日を重ねるごとに深く、強い絆を結んでいった。しかし暗い雲から滝のような豪雨が降ったある日、大波と共に悲しい事件が突如として島を襲う。子供たちのリーダー格だった修平の父親の漁船が悪天候で難破し、不慮の死を遂げてしまったのだ。しめやかに行われた葬儀の最中、「父ちゃんは、死んどらん。葬式なんかするな!」と家を飛び出す修平。すっかり穏やかな海に向かって何度も父の名を呼ぶ修平を、先生はそっと抱きしめる。

悲しみも冷めないある日、修平は島民にケンカを売られて無抵抗に殴られる先生の姿を目撃してしまう。憎しみは憎しみしか生まない、それを伝えたい先生の想いとは裏腹に、修平は強いと思っていた先生への信頼をすっかり失ってしまう。同じ頃、新任の先生が決まったという噂が島に流れる。島の精霊流しが終わる頃、機関車先生はいなくなってしまうというのだった。

仄かな灯火が揺れる精霊流しの日。精霊舟を2つ手にした修平が先生のもとへやってくる。1つには父の名、そしてもう1つには先生の父の名が書かれていた。「校長が教えてくれた。機関車先生は、俺よりも小さい頃に父ちゃんが戦争に行っておらんようになったって」。父を失った現実に向き合いはじめた修平が、先生の強さに気がついた瞬間だった。「先生、人は死んだらどこへ行くんかの」と尋ねる修平。じっと修平を見つめていた吉岡はやがて、大きな人差し指を精霊舟の進む方向から満天の星が輝く大空へ、そして修平の胸へと当てニッコリと微笑んだ。「わしの胸の中か?よう判らんの」修平はポツリと呟く。毎年恒例の瀬戸内剣道大会の日が近づいてきた。周一郎はかつては最強の剣士と言われた先生に大会出場を懇願する。自らの声を失う原因となった剣道と己の心と真正面に向き合う準備ができずに苦悩する先生の前に、自分を信じてついて来てくれた子供たちの姿がよぎる。そして大会当日、子供たちに真の勇気を見せるため、そして自らの運命に向き合うために機関車先生は竹刀をとる決意をするのだった。

スタッフ

原作:伊集院静
監督:廣木隆一
製作:長谷川安弘
企画:長谷川安弘、石井誠一郎
エグゼクティブプロデューサー:田中正裕、丹芳男、鈴木豊司
プロデューサー:石井誠一郎、成田尚裁、山本芳久
脚本:加藤正人、及川章太郎

製作:機関車先生製作委員会
  (プラウドマン、ユーティーネット、テアトルアカデミー、
   パブリックセンター、ウィザードピクチャーズ)
製作協力:ウィザードピクチャーズ

キャスト

坂口憲二
堺正章
倍賞美津子
大塚寧々
佐藤匡美
中山麻聖
森田直幸
吉谷彩子

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