原題:Jesus

これは2002年前の事実である。 今、あなたは歴史の目撃者になる。

1986年3月14日フィンランド初公開

1979年/アメリカ/カラー/35mm/116分/ 配給:アスク・コミュニケーションズ

2002年7月27日より銀座シネパトスにてロードショー公開

公開初日 2002/07/26

配給会社名 0314

公開日メモ かつてこれほどリアルなジーザスの姿があっただろうか?この映画はイエスの生涯を描く歴史ドキュメンタリーである。

解説


かつてこれほどリアルなジーザスの姿があっただろうか?
この映画はイエスの生涯を描く歴史ドキュメンタリーである。
ジョン・ヘイマンは、アカデミー賞やカンヌ映画祭で多くの受賞歴を持つ映画界屈指のプロデューサーである。これまでリチャード・パートンやエリザベス・テーラー、ロバートミッチャム、ミア・ファーロウ、マイケル・ケインほか、名だたる国際俳優たちと仕事をしてきた。
その人が、徹底して聖書の事実と歴史的裏付けにこだわり、考古学者、歴史家、神学者からなる研究者チームを率いて完成させたのが映画「JESUS」である。原作は「ルカの福音書」。聖書の中でイエスの生涯にあった出来事のほとんどが含まれており、物語として最もふさわしいとの理由からこの福音書が選ばれた。

準備期間は5年以上におよぶ。紀元1世紀頃にイエスが暮らしたり訪れたりした場所の特定、建物や服装、道具類の時代考証など、あらゆる角度から調査と研究がおこなわれた。
資料の厚みは映画の台本を凌ぐ膨大なものだったという。服装や道具類の再現には作業場が用意され、各分野のスペシャリストたちがその任に当たった。
たとえば、イエスの足を浄めるため聖油を入れた石膏製のフラスコや、役柄によって色や形が異なるローブ類など、ひとつひとつの道具がディティールに至るまで完壁に再現されたのだ。
キリストの処刑の場面にも、研究者と製作スタッフの創造性がいかんなく発揮されている。
彼らは、キリストの手首や足、爪の形にまで、できる限りのリアリティを再現しようとしたのである。正確を期するあまり直面する苦労もあった。
撮影場所として候補にあがった聖地の村や町の多くは当時の面影を残しておらず、電柱や電線のある現代的な街並みに変貌していたのだ。
しかしスタッフは建物を復元し、現代を象徴するものをすべて撤去した。
舞台や道具立てだけではない。この映画のキャストも注目に値する。
ヘイマンは登場人物にもリアリティを求めたのだ。JESUS役に当時無名であった舞台俳優ブライアン・ディーコン、主要なキャスト45人とエキストラ5000名はイスラエル人、アラブ人。スターは誰ひとり登場しない。徹底ぶりは並大抵ではない。
ヘイマンほどの実績あるプロデューサーなら、有名な俳優を起用することもできたはずである。
しかし彼はスターの個性が際立つことで、ジーザスの人生や教えの価値が歪むことを嫌ったのだった。
このように史実に沿って描かれたイエスの生涯はじつに淡々としている。
安息日に病んだ老婆を癒す瞬間、ヨルダン川での洗礼、最期の晩餐、十字架のシーンでさえも。
だが、あえて神秘的な表現を排したことで、いっそうイエスという存在がリアリティを持って迫ってくる。
アメリカでの公開は1979年。すでに四半世紀の時を経た作品であるのに古さを感じさせないのは、エンタテインメントとドキュメンタリー分野で手腕を発揮してきたヘイマンの力と情熱によるところが大きい。
ぼんらい奇跡というのは劇的なものではなく、日常に紛れるようにして淡々と起こるものかもしれない。
そして奇跡は愛なくして起こりえない。
映画「JESUS」は、いつの時代にも愛と奇跡が絵空事でないことを明らかにするだろう。2002年の時を超えてスクリーンに蘇る「JESUS」は、観る者の心にどんな像を結ぶのだろうか。

ストーリー


ユダヤ王へロデの時代。ガリラヤの町ナザレに住む処女のもとに、神の御使いガブリエルがつかわされた。女の名はマリア、ダビデの血筋にあたるヨセフの許婚である。
御使いは告げた。「あなたは身ごもって、男の子を産みます。名をイエスとつけなさい」と。
こうしてマリアは高き方の力により処女のまま子を宿した。
数ケ月後、ローマの皇帝アウグストより、全世界の民に住民登録の勅令が下った。
登録のため、身重の妻マリアを連れてベツレヘム(ダビデの町)に上るヨセフ。
しかし、宿はどこも満室で、夫婦は厩に寝泊まりした。
滞在中のある夜のこと、マリアは産気づき男の子を産んだ。
子供は布にくるまれて飼葉おけに寝かされた。
同じ頃、夜番の羊飼いたちのもとに御使いが現れ、救い主の誕生を告げていた。
かれらはお告げのとおりに行動した。そして飼葉おけに眠るイエスを探し当てたのだった。
祝福された誕生から8日目の割礼の儀式を経て、イエスは強く、知恵に満ちた若者に成長していった。
ある日、ヨルダン川で、イエスは洗礼者ヨハネからバプテスマを受けた。
イエスが祈ると天が開き、鳩の形をした精霊が降りた。時が到ろうとしていた。
聖霊に満たされたイエスは導かれて荒野に入り、悪魔の誘惑を退けるため40日間の断食をおこなった。それからガリラヤに帰った。イエスが教えを始めたのは30歳の頃である。
たとえ話を用い、群衆の前で病や悪霊、貧しさに苦しむ人を救う奇跡を示す。
このようにして人々の心に語りかけたのだ。多くの民衆が付き従うようになると、イエスは神の国を説き、12人の使徒たちを伴い、町や村を旅しながら福音を伝えるようになった。
やがて、運命の日が近いことを知るイエスは、都エルサレムに上った。
教えに聴き入る民衆たちと、イエスを怖れ亡き者にしょうと企む祭司長や律法学者、民のおもだった者たち。人々の思惑が交錯する中、ついに過越しの祭の日となった。
12人の使徒たちとの晩餐を終え、オリーブの山でイエスは捕らえられた。弟子のユダの密告があった。
十字架につけられ最期を迎えたイエス。
その亡骸は、神の国を待ち望むアリマタヤのヨゼフという人の尽力により墓に葬られた。
ガリラヤからイエスと一緒に出てきた女たちは、この一部始終を見届けた。
安息日が始まろうとしていた。それから3日後、安息日の明けた早朝、女たちが墓に入ると亡骸はなくなっていたのだった。イエスは復活したのだ。やがて使徒たちの前に現れると、聖書の預言が全て成就したことを告げ、祝福と使命を与えた。
こうして弟子たちは、人々にイエスの教えを伝えることになったのである。

スタッフ

プロデューサー:ジョン・ヘイマン
監督:ピーター・シクス
アソシエイツ・プロデューサー:リチャード・ダルトン
ユニット・マネージャー:アーノルド・ロス
美術監督:ロイ・スタンナード
撮影:ミッシェル・リード
編集:クリス・ムーロ

(日本特別編集版)
エグゼクティブ・プロデューサー:栗原一芳
プロデューサー:原口一
COOPERATE PRODUCER:竹本克明
ユニット・マネージャー:倉持健一
ラインプロデューサー:梨木友徳
PREVIE DIRECTOR:石川信彦
ナレーター:マンディ・スタンレー

キャスト

ブライアン・ディーコン

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