原題:DARKNESS

『アザーズ』を生んだスペインから、新たなる鬼才が放つスパニッシュ・ミステリー・ホラー!!

2002年10月スペイン初公開

2002年/スペイン映画/102分/カラー/シネマスコープ/SRD、DTS 字幕翻訳:風間綾平/ギャガ・ヒューマックス共同配給

2003年09月26日よりDVDリリース/2003年9月26日ビデオビデオ発売&レンタル開始 2003年3月1日より、渋谷東急他全国松竹・東急系にて緊急ロードショー

©CASTELAO PRODUCTIONS,2002.

公開初日 2003/03/01

配給会社名 0025/0145

公開日メモ 闇−それは魔物が棲み処として、古来から人は恐れてきた。それが現実化する時、人は一体どうすれば良いのだろうか?「エクソシスト」「シャイニング」「シックス・センス」。2002年ホラームービーの新たな伝説が生まれる。

解説



 皆既日蝕のある日、スペイン郊外の森で起きた7人の子供の失踪事件。
1人だけ発見された少年は記憶がなく、「丸い家」「暗闇」といった謎の言葉を呟くだけ。それから40年。ある家族がスペイン郊外へ越してくる。古い家に住み始めてから弟は暗闇を異常に怖がり、また父の言動も日増しに粗暴になっていく。家族の変化に気付いた娘は全てが40年前の皆既日蝕の日に起きた7人の子供の失踪事件に関係していると気付く。そして今まさに、その時と同じ皆既日蝕が始まろうとしていたのだ…。

 2002年10月、スペイン国内276館で公開され、オープニング3日間の興行収入で同じ年の3月に公開されたペドロ・アルモドバル監督の『トーク・トゥ・ハー』の記録を塗り替え、 2002年スペイン映画オープニング記録NO.1を樹立した本作『ダークネス』。そのショッキングな描写と徹底的なまでの映像美に、スペイン映画としてはアメナーバル監督の『アザーズ』に次ぐ歴代2位の記録となり、この記録的大ヒットを受けたマスコミ各誌が、スペイン製ホラー映画時代の到来と書きたてた。

 監督ジャウマ・バラゲロの実力が注目を浴びたのは、1999年に公開されたデビュー作『ネイムレス 無名恐怖』でのこと。スペイン国内で大ヒットを記録したこの作品は、国内外の映画祭で上映され、バラゲロ監督自身「いくつの賞をとったか数え切れない」と語るようにブリュッセル国際ファンタスティック映画祭グランプリをはじめ、数々の映画賞を受賞。 2000年、アメリカのエンタテインメント雑誌「バラエティ」は、“ヨーロッパ優秀監督10人”のひとりにバラゲロを選出。そんな彼の才能をハリウッドが見逃すはずはなく、ミラマックスフィルムが次回作を打診、今後の活躍が最も期待される若手監督の1人である。そして、そのバラゲロがこの物語に選んだキャストはアメリカやヨーロッパで活躍するスターたち。

 主人公のレジーナには、11歳で史上2番目に若いオスカー受賞者となり、感動に震える可愛らしいスピーチが話題になった『ピアノ・レッスン』、『X−メン』のアンナ・パキン。母親メアリーを演じるのは、スウェーデン出身、『蜘蛛女』、『ナインスゲート』のレナ・オリン、父親マークを演じるのは、スコットランド生まれでロンドンの舞台中心に活躍、最新作は篠田正浩監督の『スパイ・ゾルゲ』のイアン・グレン。マークの父、レジーナの祖父であるアルベルトには、最近では『ハンニバル』などハリウッドでの活躍が目立つ、イタリアのベテラン俳優ジャンカルロ・ジャンニーニ。そして、カルロスを演じるのは、アメナーバル監督やアルモドバル監督、フリオ・メデム監督らスペインを代表する監督たちの作品に出演している、『オープン・ユア・アイズ』のフェレ・マルティネス。互いに異なったバックグラウンドを持ち、インターナショナルに活躍する俳優たちの個性がスクリーンという《暗闇》のなかで際立ち、作品をより印象的なものにしている。

40年に一度の皆既日蝕。7人の子供の失踪事件。円形の家。 すべてが闇に包まれるとき、記憶を失った少年の40年の空白が、息を始める…。

ストーリー



 スペイン郊外の森の中で、1人の少年がショック状態で発見された。数日前から行方不明になっていた7人の子供たちの1人とみられるその少年は記憶を失い謎の言葉を繰り返す。やがて、怯えた様子で言った。「暗いところ…まるい家…僕たちは連れて行かれたんだ…」警察の必死の捜査も虚しく、残りの6人の子供たちが姿を現すことはなかった。

 そして40年後。アメリカの喧噪とした都会生活のストレスによって神経症になっていた父マーク(イアン・グレン)の療養のためにスペイン郊外の緑に囲まれた静かな家にレジーナ(アンナ・パキン)ら家族は越してきた。この町はマークが生まれ育った場所で祖父のアルベルト(ジャンカルロ・ジャンニーニ)が医師として働いている。心強い祖父も居るこの地で、心機一転、楽しい生活が始まったかのように見えた。しかし、引っ越してきたその日から、何の前触れもなく時々電気が消えるようになる。何度電気屋に修理を依頼しても原因はつきとめられない。それに反応するかのように、幼い弟ポール(ステファン・エンキスト)は極度に夜を怖がるようになる。静寂にすっぽりと覆われた古い家。ときおりミシッと小さな音をたてる廊下。怖くて眠れないポールは気を紛らわせるように買ってもらったばかりの色鉛筆で一心に絵を描きつづける。
 ある日ポールが描きつづけている絵をたまたま見たレジーナは愕然とした。そこには、首を切られて血を流す子どもたちが何枚も描かれていたのだ。ふと、何気なく目をやったポールの襟元には、アザのような痕がある。やがて、父マークも奇怪な行動をとるようになる。突然感情的になり汚い言葉をわめき散らし、神経症からくる発作で気を失ってしまうのだ。この家に越してきてから皆が少しずつ、何かに蝕まれているように感じ始めたレジーナは母メアリー(レナ・オリン)に父や弟の異変の原因がこの家にあると主張するが、まったく取り合ってもらえない。仕方なくレジーナはボーイフレンドのカルロス(フェレ・マルティネス)の協力で過去に何があったのかを調べ始める。次第に明らかになる事実。40年前の皆既日蝕。7人の子供の失踪事件。奇妙な円形を描いた我が家。そして、レジーナは行方不明になった7人の子供のうち 1人が生きていたことを知る。一体あの家で何が起きたのか?何のために家族を追い詰めるのか?そして、40年ぶりの皆既日蝕が明日に迫っていた…。

スタッフ

監督:ジャウマ・バラゲロ
製作:フリオ・フェルナンデス
撮影:シャビ・ジメネス
美術:リョレンス・ミケル
編集:ルイス・デ・ラ・マドリード

キャスト

レジーナ:アンナ・パキン
メアリー:レナ・オリン
マーク:イアン・グレン
アルベルト:ジャンカルロ・ジャンニーニ
カルロス:フェレ・マルティネス
ポール:ステファン・エンキスト

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