原題:ALMOST BLUE

現代社会が呼び覚ました狂気——。 イタリアを震憾させた新世代スリラーがここに上陸!

カンヌ映画祭監督週間正式招待作品 イタリアアカデミー賞最優秀新人監督賞受賞作品

2000年/イタリア/86min 発売・販売:スパイク(DVDレンタル商品/ビデオ税抜:16,000)

2002年3月28日DVDレンタル開始/2002年3月28日ビデオ発売&レンタル開始

解説


カンヌ映画祭監督週間正式招待、イタリアアカデミー賞最優秀新人監督賞受賞と高い評価を受けた禁断のサイコ・スリラー最新作。マイケル・ジャクソン、ニルヴァーナ、プリンスのプロモーションビデオを手掛けるインファセリの初監督作に当たる本作は、スタイリッシュで危うさを秘めたカメラワーク、際立った色彩感覚など、現代イタリア映像作家界NO.1の新世代監督であることを見せ付けている。欧米では、ダリオ・アルジェントの生理的恐怖感と、デヴィッド・フィンチャーの病的な世界観、コーエン兄弟のジャンルのこだわりを併せもつ才能と評されている。主題歌として流れるのは、エルビス・コステロの名曲「ALMOSTBLUE」。

【チェック・ポイント!】

 イタリア製連続殺人映画だが、伝統のジャーロの流れに連なるというよりは、『セブン』フォロワーとしてのテイストが濃厚なサイコ・スリラー。自分自身のアイデンティティを否定して、同年代の犠牲者を殺害するとその遺留品を身につけると身も心も犠牲者に成り切る犯人と、事件を追う科学捜査情報センター(CHIPS)の凶悪犯罪分析センター所属の女性刑事ら、そしてチャット中に犯人の声を聞いてしまった盲目の青年(UAVC)の青年の息詰まる闘いが始ま…らないのだ。いや、勿論警察は捜査をすすめる、犯人の特定は資料を集めている過程であっさりと出来てしまうも、よくよく考えると犯人の逮捕には全然貢献することはなく…というか、かなり嫌な感じが素敵なラストも捜査官達の思惑は置いてきぼりのまま決着がついてしまうので、追う側と負われる側それぞれの関係性はあまり密に交差することはない。ジャーロでお馴染みの原色系の派手な色使いとは一線を画した、冷たくスタイリッシュな色彩感覚とムーディーな音楽の中、犯人の怜悧な狂気が描かれて行く。
 本作でデビッド・ドナテロ賞(イタリアアカデミー賞)の新人監督賞を受賞したアレックス・インファッセリ監督は、長編としては本作がデビュー作だが、これまでに『スカーレット・ディーヴァ』のアーシア・アルジェントも監督・出演で参加しているホラー・オムニバス作品『DE GENERAZIONE』なる94年作品で、監督の一人として参加しているほか、ミュージック・クリップを多数撮っている。そういう意味では、やはり絵面のスタイリッシュさばかりが前面に出過ぎている印象も受けるが、カーテン越しに一瞬見える犯人の手の影など、ホラー・サスペンスのツボを押さえた描写はやはりスリリングだ。なお、彼の父ロバート・インファッセリは、監督・プロデューサーとして70年代を主に活躍した映画人であり、イタリア版『鮮血の美学』としてマニアの間で知られるヴァイオレンス・ショッカー『暴行列車』のストーリーを書いた人。スタイルは変われど、イタリア製猟奇殺人映画の流れは絶える事無く親から子へ引き継がれたといったところか。
(殿井君人)

ストーリー


ボローニャに住む盲目の青年、シモン(クラウディオ・サンタマリア)は盲目ゆえコンピュータチャットに熱中し、そこから流れてくる音・会話をスパイすることで日々を送っている。彼は、その声を“色”で表現して人物を特定していた。そんな時、謎の猟奇殺人事件が多発しはじめる。被害者は全員学生のうえ、所持品が全て奪われる——。そして事件直後それぞれの現場では、被害者にそっくりな人物が目撃されていた。犯人は若者たちを抹殺した上で、被害者のアイデンティティを盗み、完全にコピーするという異常な殺戮を繰り返していたのだ。UACV(凶悪犯罪分析課)に所属する若き女性捜査官、グラッツィア・ネグロ(ロレンツァ・インドヴィナ)は、盲目のシモンが事件直前の犯人と被害者のチャットを盗聴していたことを知る。犯人の狂気の声は一体どんな色なのか?狂気の声から何を感じ取るのか?若き女性捜査官と盲目の青年が今、事件の謎に飲み込まれようとしていた…。

スタッフ

監督:アレックス・インファセリ(伊アカデミー最優秀新人監督賞受賞)
脚本:セルジオ・ドナティ、アレックス・インファセリ
衣装:リアワランセスカ・モランディニ
プロダクション・デザイン:ユージェニア・F・ディナポリ
音楽:マッシオ・ヴォルメ
原作:Almost Blue(カルロ・ルカレリ著)
主題歌:エルビス・コステロ「ALMOST BLUE」

キャスト

ロレンツァ・インドーヴィナ『遥かなる帰郷』(1996)
クラウディオ・サンタマリア
ロランド・ラヴェロ
アンドリア・ディ・ステファノ
ダリオ・デンロシ
マルコ・ギアリニ
ベネデツタ・ブッセラト
セサレ・ボッシ

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