原題:Life as a House

自分のものと誇れる“何か”をお前に残してやりたかった…。

第59回ゴールデン・グローブ助演男優賞ノミネート(ヘイデン・クリステンセン) 本年度ナショナル・ボード・オブ・レビュー躍進演技賞受賞(ヘイデン・クリステンセン) 第14回シカゴ映画批評家協会助演男優賞ノミネート(ヘイデン・クリステンセン) 第8回アメリカ俳優組合協会主演男優賞ノミネート(ケビン・クライン) 第8回アメリカ俳優組合協会助演男優賞ノミネート(ヘイデン・クリステンセン)

2001年10月26日全米初公開

2001年/アメリカ/カラー/124分/DTS / Dolby Digital / SDDS 配給:日本ヘラルド映画

2003年02月19日よりDVD発売開始 2002年7月20日より丸の内ピカデリー2ほか全国松竹・東急系にて公開

公開初日 2002/07/20

配給会社名 0058

解説



全米をさわやかな感動で包んだ話題作「海辺の家」がいよいよ日本に上陸する。テーマは愛。そして父と子の絆の物語。日々の忙しさに身を任せ、本当に大切なものに気付かずに過ごしている私達に、ふと立止まる勇気を与えてくれる作品だ。
 ジョージ・モンロー42歳。建築デザイナー。父親との確執から、自分の息子ともうまくコミニケーションを取る事が出来ず、妻には逃げられ、仕事にもあぶれ、挙げ句の果てには余命四ヶ月と宣告される始末。
別れた妻は幸福な再婚をし、幼い子供が二人。裕福に暮らしている。
彼女との間に出来た息子は16歳に成長し、父親を憎み、世の中全てを憎んでいた。このまま死んで悔いは無いのか…自分の人生は、一体何だったのか…ジョージは初めて自分の人生に、そして息子サムと向き合う決意をする−−−最後の夏、共に家を建てる事で。
 人は[家]に何を求めるのだろう家族、冨、愛、希望、財産…。
アメリカ人にとって[家]は私達、日本人よりも重い意味を持つと言う。
西部開拓時代の昔から、彼らは何も無い平原に家を作り、そして国を造っていった。アメリカ人にとって[家]とは人生そのものであり、心の“寄り所”。そしてウインクラー監督の長年の夢−−−それは急激に変化する現代の暮らしから逃れ、“新しい暮らし”を実現するために“新しい家”を建てようとする男を描く事だった。
 人は誰でも年を重ねるにつれ、夢を失い、現実に押し潰されていく。
そして、たいていの場合その喪失に気付く事もなく人生を終えていく。
しかし、本作の主人公ジョージは、死の恐怖と孤独を受けれ入れる事で、本当の愛情と生きる勇気を獲得するのだ。息子サムと共に。「怒りを捨て去り、自分が本当にやりたい事を実現させる為には、勇気がいる。それを実現させたジョージは、僕にとっては“ヒーロー”なんだ」と語るアーウィン・ウィンクラー監督の優しい眼差しは、ジョージとサムだけにとどまらず、周囲の人全てを幸福にかえてゆく…。そして、物語が意外な結末を迎えた時、気付くのだ−−−これは、現代にもたらされた寓話なのかもしれない、と。
 主人公の建築家ジョージ・モンローを演じるのは、アカデミー賞受賞経験を持つケビン・クライン。ウィットの効いた演技で人生のどん底から、喜びをフルに味わう男への変容を見事に演じている。別れた妻ロビンを演じるのはイギリス出身のクリステイン・スコット=トーマス。「私にとって究極の“アメリカの母親”を演じる事は何よりのチャレンジだった」と語る彼女の演技は映画に暖かさを与えている。本作最大の収穫はジョージとロビンの間に立ちはだかる息子サムを演じたヘイデン・クリステンセンだ。『スター・ウォーズエピソード2/クローンの攻撃』でジェダイの騎士アナキン・スカイウォーカー役に大抜擢されて世界中の注目を集めた彼は、思春期の怒り、とまどいを見事に演じきり、第59回ゴールデン・グローブ助演男優賞、第14回シカゴ映画批評家協会助演男優賞にノミネートされている他、本年度ナショナル・ボード・オブ・レビューで躍進演技賞を獲得している。
 脚本は『恋愛小説家』の心の琴線に触れる脚本でアカデミー賞にノミネートされた俊英マーク・アンドラスのオリジナル。アカデミー賞を受賞しているヴィルモス・ジグモンドの神秘的で美しいカメラがアメリカ人の憧慣としての[家]を見事に描き出している。
 昨年10月末、限定で封切られた本作「海辺の家」は、またたく間に評判となり、公開規模を拡大して8位にランクイン、その後もロングラン・ヒットを記録した。
“家を建て直す”−−−それは即ち“人生を建て直す事”。ユーモラスで、辛辣で、心に残る「海辺の家」をご覧になれば、きっとあなたの“何か”が変わる事だろう。

ストーリー


 ジョージ・モンロー42歳。CG全盛のこの時代にいまだに便利なコンピューターを使わずに、手作りのモデルを使ってデザインする建築デザイナーだ。彼には既に別の人と再婚している元妻ロビン(クリステイン・スコット=トーマス)と16歳になる反抗期で野蛮な息子サム(ヘイデン・クリステンセン)がいる。二人ともジョージに我慢できずに10年前に彼の元を去っていた。ジョージは具合が悪そうだ。彼の同僚は、ジョージが最近痩せてきたこと、最近髭も剃っていないし、概して尻を引き摺る感じなのを心配している。
 そしてある日、彼は20年勤めてきた建築事務所をいきなり解雇され、激怒した彼は事務所にある自分が作ったモデルを全て鉄棒で叩き壊し、事務所を飛び出した所で突然倒れてしまう…。
 ジョージは目覚めると、病院のベットに寝ており、どんな処置をしたとしても、残りわずか4ヶ月の命だと宣告される。医者は、治療しようとも言ってくれない…。彼は看護してくれた看護婦を相手に話し始める。「君がもし、3,4ヶ月の命と言われたら、何をする?」
 数日後、ジョージを心配した元妻ロビンがやって来る。ジョージは今の家を建て直す事を宣言する、息子サムと共に。20年来、この話を聞いてきたロビンは、ジョージの話を全くとり合おうとはしない。サムは、夏休みはタホ湖にある友達の別荘へ行く計画を立てていた。女の子をナンパして楽しくやろう、という魂胆だ。
 ジョージは残り少ない時間で失った父子の絆を取り戻そうと必死である。「お前がどう思おうと、この夏休みは俺と過ごすんだ。ドラッグ、マリファナ、それからあごに付けたピアスも外すんだ。化粧もな。憎むなら、
憎んでくれ。俺も父親を憎んでいた。我家の伝統だ…。」
 サムは夏を父親と過ごすことに渋々同意した。ジョージはサムに海辺のあばら家を取り壊し、“夢の家”を造る計画を打ち明ける。サムは馬鹿々しいアイデアだと思っている。トイレもシャワーも無く、コンピュータもないのでメールも出来ない環境にうんざりしたサムだが、ジョージの向かいに住む娘アリッサ(ジーナ・マローン)との出逢いが彼を変えてゆく。ガレージ暮らしを余儀なくされているサムは、彼女の家でシャワーを浴びなくてはならないからだ。アリッサの母親コリーン(メアリー・ステイーンバーゲン)は、ジョージが離婚した直後ジョージと付き合っていたらしい。
 なんだ、かんだと揉めながらも、ジョージは少しづつ家を壊し始めた。
サムを心配したロビンが様子を見にやって来る。想い出の家を見つめながら、二人は新婚時代に想いを巡らせる。「一緒に住んだ6年間、辛かったのは2年だけあなたに夢中だった1年と、愛が冷えた最後の1年よ。」
 「家を壊そう。ぶっ壊すんだ。親父がくれたこの家を25年間、憎んできた。そして自分自身をね。それも今日限りお前に、誇れるものを残したい。」サムは1時間10ドルの時給で、ジョージの手伝いをする事に同意する。ロビンも幼い子供を連れて手伝いにやって来た。向かいの家のアリッサと母親コリーンも何かと手助けをしてくれる。しかし、ジョージの容態はどんどん悪くなり、直ぐに周りの目からも彼の病状が明らかになってしまう。ジョージの家は完成するのだろうか。残された時間は後、僅か。彼はサムとの溝を埋める事は出来るのか…?

スタッフ

監督:アーウィン・ウィンクラー
脚本:マーク・アンドラス
製作:アーウィン・ウィンクラー、ロブ・コーワン
製作総指揮:ブライアン・フランキッシュ、リン・ハリス、マイケル・デ・ルカ
撮影:ヴィルモス・ジグモンド
プロダクション・デザイン:デニス・ワシントン
編集:ジュリー・モンロー
音楽:マーク・アイシャム
衣裳デザイン:モリー・マギニス

キャスト

ジョージ:ケビン・クライン
ロビン:クリスティン・スコット=トーマス
サム:ヘイデン・クリステンセン
アリッサ:ジーナ・マローン
コリーン:メアリー・スティーンバーゲン
ピーター:ジェイミー・シェリダン
デイビッ:サム・ロバーズ
カート:スコット・バクラ

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