原題:VIDOCQ

その男は鏡、映った者は必ず死ぬ

第14回東京国際映画祭特別招待作品::http://www.tiff-jp.net/ 2001年シッチェス映画祭ファンタスティック(作品)賞、最優秀メイク効果賞、最優秀視覚効果賞、最優秀オリジナル・サウンドトラック賞、「市民ケーン」(新人監督)賞受賞

2001年/フランス/カラー/1時間38分/ヴィスタサイズ/ドルビーSRD/ 日本語字幕:寺田次郎/ノヴェライズ:角川書店/ 配給:アスミックエース

2002年7月5日よりビデオ&DVD発売 2002年1月12日より正月第2弾渋谷東急系にてロードショー公開

© STUDIOCANAL,RF2K Productions et TF1 Films Production

公開初日 2002/01/12

配給会社名 0007

公開日メモ ヴィドックとは、19世紀に実在した人物。脱獄を繰り返した犯罪者だが、その度量を買われて警察の密偵となり、後に世界初の私立探偵事務所を設立する。フランスでは度々テレビ映画化されている子供たちの憧れの的、誰もが知っている伝説のヒーローである。

解説


衝撃×興奮11

《全細胞が狂喜するハイパー・ゴシック・ミステリー、遷にその全貌現る!》
2001年9月、パリは『ヴィドック』の話題で沸いていた。655館という超拡大公開となり、3人に1人が劇場に足を運び、3週間で200万人を動員するという大ヒットを記録した。『マトリックス』、『セブン』、『スポーン』、『ザ・セル』等の系譜を引きながら、全く新しい娯楽作品が誕生した。ルミエール兄弟が発明し、カラー、トーキーという二つの革命を経て発展してきた”映画”は、『ヴィドック』の出現によってまた新たなステージに辿り着いたのだ。
フランスから発信された新たなる映像の革命『ヴィドック』。スペインのシッチェス映画祭で5部門受賞、そして第14回東京国際映画祭で特別招待作品となった本作は、世界中の観客を魅了することだろう。

動乱の時代、人々ほヒーローを求める19世紀、狂乱のパリ。人々に信頼され愛された凶悪犯あがりの探偵ヴィドックの死のニュースは、街中を震憾させた。彼の命を奪ったのは、連続殺人鬼”鏡の顔を持つ男”。ヴィドックの死の真相を追う作家エチエンヌとヴィドックの相棒ニミエは、彼がとてつもない事件を追っていた事を知る。捜査が進むにつれ、次々と殺されていく目撃者と関係者。魔の手はエチエンヌとニミエにも迫る。果たしてヴィドックが自らの命を懸けて挑んだ恐るべき陰謀と巧妙に仕組まれた罠とは?!ヴィドックとは、19世紀に実在した人物。脱獄を繰り返
した犯罪者だが、その度量を買われて警察の密偵となり、後に世界初の私立探偵事務所を設立する。フランスでは度々テレビ映画化されている子供たちの憧れの的、誰もが知っている伝説のヒーローである。

《21世紀のビジュアル革命、未曾有の映像体験!》
『ヴィドック』は『エイリアン4』、『ロスト・チルドレン』等でビジュアル・エフェクトを手がけてきた映像クリエイター、ピトフによる初の長編監督作。本作の魅力は、何といってもその新しい映像表現。全編をジョージ・ルーカスも採用して話題の24pHDで撮影、19世紀のパリをデジタル技術によって見事に再現している。ミステリアスな物語は、オープニングからエンディングまで、ハイテンションに疾走する。息を呑むめくるめく映像美、ダイナミックなビジュアル・エフェクト、ゲーム感覚のスピード感あふれるデジタル・アクション、サスペンスフルな脚本。実在のヒーローの冒険讃がリアルでファンタジックに、時代も空間も超えたエンタテインメントとなって再生する。キャスト、スタッフ
ヴィドックにはフランス映画界の重鎮ジェラール・ドパルデュー。伝説の国民的英雄を堂々と演じきっている。彼の足跡を追う若き作家エチエンヌに、『ビーチ』でレオナルド・ディカプリオと共演したギヨーム・カネ。ヴィドックの愛人プレアにランコムのモデルとしても有名なイネス・サストレ。警視総監には『愛を弾く女』、『恋するシャンソン』のヴェテラン、アンドレ・デュソリエ。監督&脚本のピトフはCF出身の、フランスにおけるデジタル映像のパイオニア。そして彼を取り巻くスタッフには、ヴェテランたちが結集。共同脚本には『クリムゾン・リバー』のジャン=クリストフ・グランジェ。美術は『宮廷料理人ヴァテール』などのセザール賞の常連ジャン・ラバス。キャラクター・デザインは『エイリアン4』、『ロスト・チルドレン』のマルク・キャロ。ピトフとはデビュー作『デリカテッセン』以来のパートナーシップを組んでおり、本作にもキャロ独特の世界観が色濃く反映されている。フランス映画界を支える実力派たちが、伝説のヒーローを新しい映像表現によって現代に蘇らせた。

ストーリー


1830年7月24日、その日パリの街にはヴィドックの死を伝える新聞の見出しがあふれていた。
もともとは華麗な大泥棒、しかし後に国家安全保障を率い、警視総監に感謝状を送られるまでになった英雄ヴィドック。彼は街外れのガラス工場で謎の怪人と戦い、そして燃え盛る釜戸の中へ突き落とされ、その命を落としたのだった。
その知らせを聞いたヴィドックの相棒ニミエはひどく酒に酔い、手当たり次第に探偵事務所中のものをめちゃくちゃにしていた。そこへ、エチエンヌ・ボワッセと名乗る男がやってきた。ヴィドックから伝記の執筆依頼を受けていた作家だという。エチエンヌはヴィドックを殺した犯人を一緒に探し、伝記を完成させ、そしてヴィドックの復讐をしょうとニミエに持ちかけた。ニミエはヴィドックが関わっていた事件について話し始める。

すべては2週間前、稲妻によって焼き殺された2人の裕福な男、ベルモンとヴェラルディの事件が始まりだった。ベルモンは軍事兵器の製造者で、ヴェラルディはどんなものからも火薬を作り出してしまう優秀な化学者だった。
警視総監のロートレンヌは直々にヴィドックに捜査を依頼する。次の豪雨の稲妻でまた犠牲者が出る、それまでに解決してほしいと。しかし稲妻をある標的一しかも人間に向けて落とすのは容易なことではない。調整可能な避雷針が必要なうえに、そもそも標的は金属を身に付けていなければならない。
ヴィドックはベルモンがいた軍事兵器工場へと向かった。そこで彼はベルモンの洋服に疑念を抱き、専用の洗濯所を訪れた。はたして、ベルモンの洋服を担当した男は、血で書かれた手紙と金を受け取りその日だけは自分は洗濯をしなかったことを白状した。そしてヴィドックは、焼け焦げた遺留品の中から、帽子の中に猿の頭を持つ悪魔が描かれた銀の櫛を発見する。

ヴィドックが死んだガラス工場では炎が消え、職人たちが個別に取り調べを受けている。中心になっているのは警視総監のロートレンヌとその部下のトゼだ。しかし、まったく情報も得られなければ、ヴィドックの遺体も灰と化してしまって手がかりすら残っていなかった。
探偵事務所では、酔いがさめたニミエが事務所を出たすきに、エチエンヌが忍び込んでいた。秘密の部屋への入口を発見するエチエンヌ。その中には、無数のからくり人形や様々な衣装があった。さらに奥には実験室があり、そしてそこには稲妻で焼け焦げた2本の銀の櫛があった。
エチエンヌは次に、踊り子プレアの元へ向かった。クメール族のダンスを踊る彼女の髪には、見つけたものと同じ銀の櫛がさしてあった。控室に戻ったプレアに事件のことを問い詰めるエチエンヌ。

事件の調査中、ヴィドックもプレアを疑っていた。プレアは金とともに送られてきた手紙に、ベルモンとヴェラルディの帽子に櫛を入れるように指示があったことを白状する。しかしその手紙は血で書かれたものではなく、きれいな手書きのものだった。そして次の標的はパリの廃兵院のトップであるラフィットであることも判明した。
ヴィドックとプレアは郊外の廃兵院へと急いだ。すでに雲行きは怪しい。そしてラフィットに稲妻が落ちようかというまさにその瞬間、ヴィドックは間一髪で彼の帽子を遠くへ投げ飛ばした。その直後、帽子に稲妻が直撃し炎に包まれる。
ヴィドックとプレアは怪しい人影を追って屋根裏へと上がっていった。そこへ、突然黒いマントの人物が現れた。その顔は、鏡。驚くヴィドックに向けて、その鏡から鳩がいっせいに飛び出してくる。なんとか追いつきマントをつかんだヴィドックだったが、鏡の人物は60フィートの高さから地面へと飛び降りてそのまま消えていなくなった。
ヴィドックとプレアが下へ降りると、ラフィットはすでに殺されていた。ヴィドックはラフィットの帽子からそっと銀の櫛を抜き取った。

ガラス工場の捜査に収穫はなかったが、ロートレンヌはトゼから、ガラス職人のかしらが行方不明だという知らせを受ける。ロートレンヌはその男を朝までに探すよう命じた。
エチエンヌはヴィドックが目をつけていたという赤線地区へと向かい、「トラピーズ」という売春宿で、殺された3人が処女を求めていたこと、そして貧困な家庭から処女の娘を買い取っていたことをつきとめる。
エチエンヌは新聞記者のフロワサールが情報を持っていることもっかむと、さっそくそのオフィスヘと向かった。フロワサールもエチエンヌ同様、この事件を追いかけていた。そして、夫の死以来阿片窟から出てこなくなったラフィットの妻マリーヌに会えとエチエンヌに告げる。エチエンヌが去った後で、フロワサールは突然咽喉をかき切られる。そして、黒いマントの殺人鬼は、フロワサールの集めた資料をすべて持ち去った。
阿片窟でマリーヌ・ラフィットに会ったエチエンヌは、夫たちが若返るために様々な努力を重ねていると、あるとき鏡の顔を持つ人物が現れて、永遠の若さを与えるかわりに処女とその魂を提供しろと言われていたことを聞かされる。鏡の顔の人物はアルシミスト=錬金術師で、不老の霊薬を作るには処女が必要だという。しかし8人の処女を渡しても薬は与えられず、ついにラフィットは妻マリーヌにこれまでのことを告白してしまう。その直後、3人は殺されたのだ。
エチエンヌが去った後で、マリーヌの咽喉を鋭い刃が切り裂いた。そこにいたのは、黒いマントの鏡の顔を持つ人物、アルシミストだった。
エチエンヌがヴィドックの事務所を物色していると、そこヘロートレンヌとトゼが現れた。エチエンヌの言葉に耳を貸さず彼を逮捕しようしたとき、トゼは壊れたマスクを見つける。そして、やはりヴィドックがアルシミストを追ってガラス工場に向かったことに気づくのだった。
その隙を見て逃げ出すエチエンヌ。

ヴィドックは馬が道順を覚えているかもしれないと、ラフィットの馬車を走らせ、ついにアルシミストの研究室を突き止めた。そこにアルシミストが現れる。2人はもみあい、押さえつけられたヴィドックはついにマスクをつかみ取った。しかし、アルシミストはいつのまにか消えていた。
アルシミストは処女の血で延命し、魂を吸い取ることで時間と戦っていた。しかしマスクは自分では作らず材料を提供しているだけだった。マスクを作るのは共犯者、すなわちガラス職人だった。

ニミエが、ヴィドックの死を見届けたガラス職人から防護を条件に話を聞く約束を取り付けていた。エチエンヌ、そしてプレアもニミエとともにガラス工場へと向かう。
隠れていた年老いたガラス職人が怯えながら出てきた。そして、彼はヴィドックが命を落としたその瞬間の話を………。

スタッフ

監督:ピトフ
脚本:ジャン=クリストフ・グランジェ
脚色・台詞:ジャン=クリストフ・グランジェ、ピトフ
キャラクターデザイン:マルク・キャロ
美術:ジャン・ラバス
衣装:カリーヌ・サルファティ
編集:ティエリー・オス
撮影:ジャン=ピエール・ソヴェール
録音:ブリジット・タイヤンディエR
調整:ヴァンサン・アルナルディ
音楽:ブリュノ・クレ
製作担当:シルヴェストレ・グワーノ
製作:ドミニク・ファルジア
オリヴィエ・グラニエ
音編集・音響効果:ロラン・コサイヤン
錬金術効果:クリストフ・コルゾン、セドリック・デノーズ
格闘術効果:ベルXー1、ジルベール・クルトワ、カース・ヴォイチェコフスキ
ステディカム:アレックス・ブランビラ
特殊効果:"レ・ヴェルサイイェ"
ジュリアン・ポンセ・ド・ラ・グラーヴ
メイク:クーノ・シュレーゲルミルヒ
振付:コリンヌ・ドヴォー

キャスト

ヴィドック:ジェラール・ドパルデュー
エチエンヌ・ボワッセ:ギヨーム・カネ
プレア:イネス・サストレ
警視総監ロートレンヌ:アンドレ・デュソリエ
シルヴィア:エディット・スコブ
ニミエ:ムサ・マースクリ
警視総監の部下トゼ:ジャン=ピエール・ゴズ
マリーヌ・ラフィット:イザベルリレノー
ベルモン:ジャン=ポル・デュボワ
ヴェラルディ:アンドし・パンヴェルン
ラフィット:ジル・アルボナ
ルヴィネール:ジャン=マルク・ティボー
フロワサール:フランソワ・シャトー

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