原題:blue

彼女は親友。 彼女は恋人。 海辺の女子校、記憶はブルー。

第24回モスクワ国際映画祭コンペティション部門出品 第24回モスクワ国際映画祭 最優秀女優賞(市川実日子)受賞作品 第12回にいがた国際映画祭出品::http://niigata.cool.ne.jp/film/index.htm

2001年/日本/35mm/ヴィスタ/116min 配給:オメガ・ミコット+スローラーナー

2003年09月12日よりビデオレンタル開始 2003年09月26日よりDVDリリース 2003年3月29日より渋谷シネアミューズにてロードショー公開

最優秀女優賞報告会見レポート::http://www.cinematopics.com/cinema/c_report/index3.php?number=232

公開初日 2003/03/29

配給会社名 0011/0048

公開日メモ 女子高校生2人の友情と愛情の物語。作者の高校時代の体験がモチーフで、新潟の風景がふんだんに出てくる青春映画です。

解説



濃い海の上に広がる空や
制服や幼い私達の一生懸命な不器用さや

あの頃のそれらが
もし色を持っていたとしたら
それはとても深い青色だったと思う。

海辺の街にある女子高。三年に進学した桐島カヤ子は、同じクラスになった遠藤雅美のことが気になっていた。去年、何かの理由で停学して同級生になった彼女。どうして?クラス中が彼女に興味を持ちながら、無視している毎日。いつでもひとりでいる雅美。そんな彼女をじっと見つめるカヤ子。ある日、カヤ子は、そんな雅美を屋上での仲間たちとの昼食に誘った。それから、二人は急速に仲良くなった。いままでの仲間たちと遠ざかっていくカヤ子。雅美の部屋で見たセザンヌの画集。雅美から借りたCDから流れ出す少し背伸びした音楽。二人で見た海の青色。歩いた道。空の青。憧れ。不器用なキス。小さな、しかし、とても悲しい裏切り。そして、カヤ子はささやかな決心をする…。濃い海の上に広がる空や、制服や、幼い彼女たちの一生懸命な不器用さや、あの頃のそれら全部が、もし色を持っていたとしたら、それはとても深い青色なのかもしれない。

魚喃キリコの傑作コミックス、初映画化!
新鋭、安藤尋監督とつむぎだした“青”という色にたくした10代のリアル。

奔放で傷つきやすく、無垢だからこそ切ない。そんな10代の感情の揺らめきを“青#という色にたくして描いた映画の誕生です。『blue』は、『南瓜とマヨネーズ』『痛々しいラヴ』など、恋愛や友情のリアルな感情の機微を描いた傑作を生み出した魚哺キリコの人気コミックスの初めて映画化です。彼女の長篇デビュー作『blue』は、少女たちの誰もが経験する淡い恋心、嫉妬、憧れを静かなトーンの中に、激しく揺れ動く彼女たちの切ない感情を描き出し、96年の発売以来、ロングセラーとして支持され続けています。監督は、『pierce/LOVE & HATE』『dead BEAT』の新鋭、安藤尋。『blue』は、安藤監督があたため続けた念願の映画化。原作の魚喃キリコ自身も、最も大切な作品として脚本、音楽、キャスティングに積極的に参加。安藤監督とともに映画『blue』をつむぎだした。

市川実日子、小西真奈美、今宿麻美たちの清例な“イノセンス”。
それを支える大友良英【音楽】、川内倫子【スチール】の“イノセンス”。

ひとつ年上の同級生、遠藤雅美に憧れを抱く主人公、桐島カヤ子を演じるのは、同世代の女性たちの圧倒的な支持を受ける市川実日子。『タイムレスメロディ』『とらばいゆ』と女優としての歩み始めた彼女は、初主演となる『blue』で、第24回モスクワ国際映画祭最優秀女優賞を獲得した。また、共演として、カヤ子がひかれていく遠藤雅美を、舞台、TVドラマ、そして映画にと若手演技派女優として飛躍を続ける小西真奈美が、様々な思いを内に秘めた難役を清洲に演じ切った。また、遠藤の過去を知る親友、中野を、ストリートファッションシーンでカリスマ的な人気を誇るトップモデルであり、今回が映画初出演となる今宿麻美が演じている。脚本は、故神代辰巳監督の遺作『インモラル』でデビューし、安藤監督とはコンビ三作目となる本調有香。撮影に塩田明彦監督『どこまでもいこう』、篠崎誠監督『忘れられぬ人々』など若手監督とのコンビが続く鈴木一博。音楽を、相米慎二監督『あ、春』『風花』をはじめ、田壮壮監督など中国映画のサウンドトラックを手掛け、世界的ターンテーブル奏者でもある大友良英、また、2001年木村伊兵衛賞を受賞したフォトグラファー川内倫子が映画初挑戦し、スチールを担当している。

◎原作 魚喃キリコさんから市川実日子さんへのコメント

市川さん、おめでとうございます。
たまらなくなるような仕草をする。
こんなふうに愛しく、桐島を実在
させてくれた市川さんに感謝します。

魚哺キリコ

ストーリー

海辺の街にある女子高。三年に進学した桐島カヤ子は、同じクラスになった遠藤雅美のことが気になっていた。カヤ子は、雅美がひとりで海岸に向かって歩いて行く後ろ姿を、バスの中から偶然見た。雅美は、何を考え、何を感じているのだろう。去年、何かの理由で停学して同級生になった彼女。どうして?クラス中が彼女に興味を持ちながら、無視している毎日。いつでもひとりでいる雅美。そんな彼女を、カヤ子はいつも見つめる。

そんなある日、カヤ子は、そんな雅美を屋上での仲間たちとの昼食に誘った。ちょっと遠藤は居心地が悪そうなのが、カヤ子は気になっていた。雅美に誘われて行った、彼女の部屋。彼女が口にする煙草。本棚にあったセザンヌの画集。彼女から借りたCDからは、すこし背伸びした音楽が流れ出した。少しだけ自分よりも大人びた世界に雅美は住んでいた。

それから、二人は急速に仲良くなった。そして、いままでの仲間たちに少しだけ違和感を感じ、少しずつ遠ざかっていくカヤ子。ある日、誘われて参加した合コンで、彼女はひとりの少年にホテルに誘われた。そして、促されるようにしてセックスをしてしまう。でも、その少年は、これまでの親友が気になっていた男の子だったのだ。カヤ子は、親友になじられた。落ち込むカヤ子を雅美は、海に誘った。そこでカヤ子は、雅美に告白するのだ。男の子は、好きなのでもなんでもなかった。自分が好きなのは、雅美なのだ、と。雅美は、自分もカヤ子が好きだ、と言った。

そして、二人は少しだけ唇を合わせた。

雅美といる時、カヤ子は幸福だった。でも、彼女の1年前に何があったのか、それは知らないままだった。雅美の部屋に泊まった夜。深い眠りの中で、カヤ子は電話のベルが鳴っているのを聞いた。そして、雅美が起き上がるのも…。

夏休み。
カヤ子の進路は、まだ決まっていなかった。
そして、雅美はこの海辺の街にいなかった。自分に、その理由もつげずに、彼女は自分の知らない場所に行った。そのことに、カヤ子は、少し違和感を感じていたのだ。そして、カヤ子は知る。同級生で唯一雅美の停学の理由を知る中野から、雅美が今どこにいるのかを知らされたのだ雅美は、つき合っていた男に会いに行っているのだと。あの日の電話は、その男からの電話だったのだ。雅美は、ひとりの冴えないグラフィックデザイナーとつき合った。彼には、妻子がいた。あの少し背伸びしたような音楽は、その男の趣味だったのだ。雅美は、その男と長くは続かなかった。そして雅美は停学になった。その男が、妻子ともうまくいかなくなり雅美に電話をかけてきたのだと…。

それは、カヤ子にとって、とても悲しい裏切りだった。カヤ子は、あの日、雅美の部屋で見たセザンヌの静物画を真似て果物を描いてみた。そして、美術の先生に絵を見せ、美大に進みたいと告げたのだった。それから、カヤ子は美術室にこもってデッサンをしていた。誰とも会わずに。だから、雅美がカヤ子に会いに来た時も、彼女を許すことが出来なかった。

二人で見た海の青色。歩いた道。空の青。不器用なキス。そして、「好き」という言葉。カヤ子が好きなのは、雅美だけだった。濃い海の上に広がる空や、制服や、幼い彼女たちの一生懸命な不器用さや、あの頃のそれら全部が、もし色を持っていたとしたら、それはとても深い青色なのかもしれない。

スタッフ

監督:安藤尋
原作:魚喃キリコ(マガジンハウス刊)
脚本:本調有香
音楽:大友良英
プロデューサー:宮崎大
撮影・照明:鈴木一博
録音:鈴木昭彦
美術:鈴村鏡子
編集:冨田伸子
助監督:久万真路
製作担当:毛利達也

製作:blue PRODUCTION PARTNERSHIP オメガ・ミコット/広美/衛星劇場
製作プロダクション:オメガ・ミコット
協力:高岡フィルムコミッション、にいがた映画塾

キャスト

桐島カヤ子:市川実日子
遠藤雅美:小西真奈美
中野美恵子:今宿麻美
渡辺千加:仲村綾乃
隅田笑美子:平山葉子
村井綾奈:太田綾花
水内学:高岡蒼佑
桐島アツシ:天岸将
合コンの女の子:尾道凛
年上の男:村上淳
美術の先生:吉田朝
世界史の先生:河原崎建三

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