ずっとずっといっしょだよね、ママ。 原作・鈴木光司×監督・中田秀夫 衝撃のグランド・ホラー

2001年/日本/101min/ビスタサイズ/DTSステレオ 配給:東宝

2002年7月1日よりビデオ&DVD発売 2002年1月19日より東宝邦画系にて全国ロードショー公開

(C)2002/「仄暗い水の底から」製作委員会

公開初日 2002/01/19

配給会社名 0001

公開日メモ 鬼才・中田秀夫最新作には、「リング」を創り出した同じ製作スタッフが結集。主演には黒木瞳が中田演出のもと、これまでのイメージを覆すほどの熱演で主人公・淑美役に取り組んだ。

解説



あなたは憶えているだろうか……

98年に公開された鈴木光司原作(角川ホラー文庫刊)『リング』は、1本のビデオテープという身近に存在する題材と、我々の生活に密着する都市伝説が融合し、息もつかさないストーリーテリングと繊密に計算された独特な映像世界で、超一級のエンターテインメントとしてホラー映画という概念をも一気に覆した。
その恐怖は見る者すべてにトラウマを与えるほどの衝撃を与え、公開当時の映画館では見終わった観客が、たった今味わった恐怖を次々に携帯電話で伝え合うという『リング』現象を巻き起こしたほどであった。
映画界のみならず社会現象を起こした『リング』の衝撃は、その後に続くホラー映画の「金字塔」として映画界に歴史を刻んだ。
『リング』の出現により、「ホラー」は出版・映像とメディアをまたぐ一級のエンターテインメントとして、そのジャンルを確立した。
以降、当然として、幾人もの映像作家が、果敢にも「あの恐怖」に勝るホラー映画の製作に挑んだが、一定の評価を受けながらも、誰ひとり、「あの衝撃」を超えたと観客を捻らすレベルに到達する事が出来なかったのも事実だ…
あれから4年…。
前人未到といわれた『リング』の恐怖は、それを生み出した自らの手【鈴木光司×中田秀夫】によって、そのレベルを超える恐怖【グランド・ホラー】へ到達し、新たなホラー映画への枠組みへと突入する…。
比較の対象が新たな作品に移る瞬間。映画史上に残るマスターピースの扉が、今、開け放たれたのだ。

鬼才・中田秀夫最新作には、『リング』を創り出した同じ製作スタッフが結集。主演には黒木瞳が中田演出のもと、これまでのイメージを覆すほどの熱演で主人公・淑美役に取り組んだ。狂おしいほど情念で【ある存在】から我が子を護り通すその姿は、女性しか持ち得ない母性の本心に迫る姿をスクリーンに映し出し、見る者の心を揺さぶるだろう。また小日向文世、小木茂光、第3回ミス東京ウォーカーの水川あさみをはじめ多彩なキャストがバイプレーヤーとして脇を固めている。

ストーリー



松原淑美(黒木瞳)は、時折ふと自分の幼い日々を思い出す。それは幼稚園の頃、それぞれの親が迎えに来る中で自分だけが取り残される姿だ。淑美の母は、淑美を省みない自分勝手な母であった。そんな母の姿を見て、自分は家庭を大切にし必ず子供を想う親になろうと決意したのだった。しかし、現実には、淑美自らも夫・浜田(小日向文世)と結婚生活が上手く行かず、遂に家庭裁判所に離婚調停を行う結果となっていた。ただ自分の実母と違ってかたくなに守ってきたのは、一人娘をだれよりも大切にする母ならではの“想い”であった。家庭裁判所では、5歳になる娘・郁子(菅野莉央)の親権を巡って離婚調停が最終段階を迎えていた。親権を主張し自立を目指すために淑美がまず始めたのは新居探しであった。
不動産屋の太田(徳井優)の仲介により築年数はあるが2人で住むには充分なマンションに入居を決める。しかし、淑美にはどうも気になる「何か」を感じていた。特に娘・郁子はその「何か」を敏感に感じとっていた。室内の湿気、水道水の不味さ、転居後すぐの天井からの雨漏り、そして上階の部屋から響く子供の足音。さらに郁子が淑美に無断で屋上に上がってしまい、誰の物かわからない子供用の赤い手提げバックを持ちかえってきたのだ。その赤いバックを欲しがる郁子を無視して、淑美は紛失物として管理室に届ける。しかし、数日後、その赤いバックは管理人も知らないうちに、また屋上の元の場所に戻っていた。あの赤いバックの持ち主は一体、誰のものなのか!臆に落ちない事が多々ありながらも、なんとか新生活を始める決意をした淑美と郁子であった。
一方、回を重ねる離婚調停はなかなか進展を見なかった。それは、元夫が淑美の過去に精神科へ通院していた事実を調停員に訴えるなど、陰湿な手段を使っていたからだ。どうしても親権を得たい淑美は、郁子に対する思いがあまって家庭裁判所内で夫・浜田に掴みかかる。その現場に居合わせた弁護士・岸田(小木茂光)は、見るに見かねて淑美の弁護を買って出る。岸田のアドバイスによって、調停は淑美に有利に動き始めるのだが…。
そんな中、娘・郁子が突然、幼稚園で昏倒する事件が起こった。誰もいない幼稚園の片隅で何かを目撃したらしいのだが、その時の記憶は一切、郁子には残っていない。さらに、自宅療養中にも「何か」が郁子を取り巻いていた…。
マンション全体に漂う雰囲気、郁子の事故、そして赤いバッグ。尋常でない何かを感じはじめた淑美の前に、次々と怪奇現象が起こり始めた!淑美の狂おしいほどまでの娘に対する想いが、【ある存在】をも引き付けてしまったのだ!これらの真相は、2年前に郁子と同じ幼稚園に通っていた女の子が行方不明になった未解決の事件と共に、想像を絶する展開へと繋がって行く…。

スタッフ

プロデューサー:一瀬隆重
原作:鈴木光司(角川ホラー文庫刊)
脚本:中村義洋、鈴木謙一
監督:中田秀夫
音楽:川井憲次
主題歌:スガシカオ「青空」
サウンドトラック:キティMME
撮影:林淳一郎
照明:豊見山明長
美術:中澤克巳
装飾:松本良二
録音:岩倉雅之
整音:柿澤潔
サウンドエフェクト:柴崎憲治
編集:高橋信之
視覚効果:橋本満明
特殊効果:岸浦秀一
助監督:安達正軌
ライン・プロデューサー:福島聡司、横手実
製作:『灰暗い水の底から』製作委員会:角川書店、日本テレビ放送網、バップ、日活、オフィスオーガスタ、オズ
制作プロダクション:オズ
配給:東宝

キャスト

松原淑美:黒木瞳
松原郁子(5歳):菅野莉央
美津子:小口美澪
浜田郁子(高校生):水川あさみ(第3回ミス東京ウォーカー)
弁護士・岸田:小木茂光
不動産屋・太田:徳井優
管理人・神谷:谷津勲
淑美の元夫・浜田邦夫:小日向文世

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