原題:CHILL FACTOR

アメリカの運命は、偶然にもふたりの若者に託された。 だから、奴らにゃ渡せない! 科学の狂気が生み出した“それは<エルヴィス>” 華氏50度(1O℃)を超えると爆発し、 そこにいる全ての人間を焼き尽くす。

1999年9月1日全米初公開

1999年/アメリカ/カラー/シネスコ-サイズ/ドルビーSRD/101分 提供:ポニーキャニオン 配給:ムービーテレビジョン

2002年4月17日ビデオ発売 2001年10月27日より新宿東映パラス2・銀座シネパトスほか全国ロードショー!

サブ題名 チルファクター

公開初日 2001/10/27

公開終了日 2001/11/09

配給会社名 0102

公開日メモ 全米で、公開するや並みいるCG満載の超大作群を蹴散らして、スマッシュヒット!

解説


ひとりのありふれた青年に国家の命運が託された!襲いかかるテロリスト集団、頼りになるのは己の知力、体力、そして運の良さだけ!一度走り出したら、もう止まれない!息が切れたら、即、死が待ちうけるトラップ満載のデス・レース!トラック、ボート、ヘリコプター、あらゆる輸送機関を使った、陸・海・空に渡る壮絶チェイスの幕が今、開く。CG満載、特殊効果ばやりのハリウッド超大作の中、映画の原点に戻った徹底的なフィジカル・アクションが観客を熱狂させ、全米大ヒット!『チルファクター』の興奮が遂に上陸する。
ひよんなことから事件に巻き込まれる主人公に扮するのは、『スクリーム』でワケありのボーイフレンドを演じて注目を浴びたスキート・ウーリッチ。『楽園をください』で演技派としても心境著しいスキートが、いきなり降りかかった重大な運命にとまどいながらも、やがて敢然と立ち向かう、新しいヒーロ一像を作り上げた!21世紀早々登場した、等身大のアクション・ヒーローにも注目だ!
物語は、密かに開発されていた究極の化学兵器が武装集団に襲撃されるところから始まる。狙われた化学兵器とは、華氏50度(10℃)以上になると爆発を起こし、半径8マイルに渡って植物を含む、生物全てを焼き尽くしてしまう“エルヴィス”。瞬時に国家の危機と気がついた科学者は、武装集団の目をかすめ、“エルヴィス”を持ち出すが、銃撃によって瀕死の重傷を負ってしまった。そして、その“エルヴィス”を託されたのが、スキート・ウーリッチ扮するコーヒーショップのアルバイト店員メースンだった。華氏50度(10℃)以下を保つには、冷凍庫が必要だが…そこに現われたのが、アイスクリームの配達人アーロ。メースンは有無を言わせず、その冷凍トラックに.“エルヴィス”を積み込んでアクセルを踏み込む!アルバイト店員とトラック運転手、急ごしらえのコンビは、最新鋭の装備と鍛えぬかれた精鋭たちからなるテロリストの追撃を振り切ることができるのか?知能と肉体の能力の限界に挑戦するレースが始まった!
スキート・ウーリッチと成り行きでコンビを組むアイスクリーム・トラック運転手アーロに扮するのは、トム・クルーズ主演『ザ・エージェント』でアカデミー賞最優秀助演男優賞を獲得したキューバ・グッディング・Jr.。実はプロフィール上では二人はすでに『恋愛小説家』で共演しているが、芝居で絡む場面はなかった。それだけに、今回の完全共演は二人ともやる気充分。時に演技の火花を散らし、時には絶妙なユーモアを見せ、そして、二人とも一切のゴマカシなしのアクションに挑戦した!彼らを囲んで、ロマン・ポランスキー監督の往年の名作『テス』やシドニー・ルメット監督作品『エクウス』などで印象的な演技を見せたピーター・ファース、『シティ・スリッカーズ』シリーズや『ゲット・ショーティ』などのコミカルな演技で知られるデヴィッド・ペイマー、モデル出身のハドソン・レイクらが賑やかに共演する。監督はリドリー・スコットに師事し、『GIジェーン』『白い嵐』で撮影監督を担当したヒュー・ジョンソン。この作品が監督デビューとなる。ヤン・デ・ボンやヤヌシュ・カミンスキなど、近年、カメラマンの監督進出が続いているが、冒頭のヘリコプターの登場、チェイスの数々などで、そのスピード感を強調しながらも、随所に人物のキャラクターから来るユーモアを活かした絶妙な演出はデビュー作とは思えない。脚本は新鋭ドリュー・ジトリン、マイク・チェダの共作。製作総指揮は『シックス・センス』のジョナサン・A・ジンバートとビル・バナーマン。音楽は『パール・ハーバー』のハンス・ジマーと『フェイス/オフ』のジョン・パウエルが担当する超豪華版。

ストーリー




1987年8月。ある化学兵器の実験によって、島の植物がすべて失われた。そして18名の米軍兵士の生命も。兵器の名前は“エルヴィス”。華氏50度(10℃)以上になると、爆発を起こし、半径8マイルに渡って生命を焼き尽くす、驚異のケミカル・ウェポンだ。実験の責任者はリチャード・ロング博士(デヴィッド・ペイマー)だったが、化学兵器実験の機密漏洩を畏れた米軍は、ロング博士を不問にするかわりに、実験に立ち会ったブリナー少佐(ピーター・ファース)に責任を被せ、レベンワース刑務所へと送り込んだ。すべてはそこで終ったはずだった。だが…10年の月日が流れ、刑務所を出たブリナーは国家への復讐の念に燃えていた。怒りは10年の間、消える事はなかったのだ。
一方、ロング博士はモンタナにいた。コーヒーショップのアルバイト店員ティム・メースン(スキート・ウーリッチ)と釣りを楽しむ博士の姿に、10年前、化学兵器の実験を推進したエキセントリックな姿はもう見られなかった。が、その平穏な日々もやがて破られる。

たまったもんじゃねえ!奴らはプロ!
それも超驚級のプロフェッショナル。

ブリナーが、“エルヴィス”の保管されているジェローム陸軍研究所を襲撃したのだ。ロング博士は銃撃を受けながらも、“エルヴィス”を持ち出し、夜のアルバイトに出ているメースンの元へと走った。何が起こっているのか全く理解できないメースンだったが、ロング博士が命をかけて運んできた物なら、手を貸さないわけにはいかない。しかも、博士は自分が抱えてきた物が、華氏50度(10℃)以上になると爆発する、とだけ告げて絶命した…。
が、その直後メースンがバイトをしている店に、ブリナーも姿を現した。博士を殺したのが彼だと気が付くメースン。ブリナーはそれとなく博士の姿を探すが、メースンは見事に追及を交わした。

<エルヴィスのゆりかご>は、老いぼれアイスクリーム・トラック

メースンにとってツイていたのは、アイスクリーム・トラックを運転していたアーロ(キューバ・グッディング・Jr.)が偶然、居合わせたことだった。嫌がるアーロを強引に説得し、トラックに“エルヴィス”を乗せて走り出すメースン。目的地は90マイル離れたマグルーダー米軍基地。メースンは博士の指示どおり、米陸軍に保護してもらおうと計画したのだ。

「エルヴィス、エルヴィスって煩いぜ。欲しかったら、CDショップに行きな」

だが、ブリナーも深夜に町から急発進していった不審なアイスクリーム・トラックのナンバーはチェック済みだった。ブリナーと精鋭たちはアッという間もなく、トラックに追いつき、たちまち、カーチェイスが始まった。トラックの上にまで、飛び乗ってくる人影。慣れないまま、メースンは格闘を繰り広げる。なんとか、トラック上の格闘には勝ったもののメースンには次の危機が押し寄せる。ブリナーがロケット・ランチャーを使って、山道を爆破したのだ。もともと細い道が崖崩れを起こして、さらに通りにくくなってゆく。クルマ1台がかろうじて通れるかどうかの道をアイスクリーム・トラックで乗り越えようとするメースンとアーロ。

行く先は、このボートに聴いてくれ。

次々と放たれるブリナーの攻撃に、遂にアイスクリーム・トラックは大破してしまった…もはや、絶対絶命。が、ここでも、ギリギリのところで運命は二人に味方した。爆発によって破損された対向車に積載されていたボートを使って、山の急斜面を滑り降りる二人。急斜面を下った二人のボートは川へ。“エルヴィス”は冷たい川の水で、見事に冷却された。何か怪しいとは思っていたが、ア一ロの正体は、アイスクリームの配達人ではあったが、彼のアイスクリーム・トラックはアーロが会社から横領したものだったのだ。大破した今となっては、もはやどうでもよいことだったが。
危機をクリアしたメースンとアーロは別れるが、本当のピンチはそれからだった。ア一ロの正体を割ったブリナーは、彼を先回りして拉致し、メースンに取引を要求してきたのだ。今や、ア一ロに対して友情を感じ始めていたメースンはやむを得ず、ブリナーとの取引に応じ、呼び出されたダムヘと向かう。
睨み合いを続けるメースンとブリナー。遅れ馳せながら、事態に気が付いた米陸軍もヘリで駈け付け、メースン&アーロ、ブリナー率いる特殊部隊、米陸軍の三すくみの緊張状態が続く。メースンはブリナーに“エルヴイス”を渡してしまうが、“エルヴィス”がブリナーの手元にあっては、陸軍も手が出せず、撤退を余儀なくされる。そして、陸軍が撤退した後、ブリナーの本当の計画が判明した。
ブリナーは“エルヴィス”の実験=効果をインターネットで配信し、世界中の武器商人を相手にオークションを行おうと企んでいたのだ。そして、その実験の場所こそ、このダムの上だったのである。今や、囚われの身となったメースンとア一ロの前に“エルヴィス”が置かれた。強い太陽の日差しを受けて、華氏50度(10℃)以上になる瞬間も近い…。
全く身動きの取れないメースンとア一ロ。冷酷に時が刻まれ、太陽が“エルヴィス”の温度を一度また一度と上昇させて行く。
ニ人に逆転の方法はあるのか?

スタッフ

製作総指揮:ジョナサン・A・ジンバート、ビル・バナーマン
製作:ジェームズ・G・ロビンソン
監督:ヒュー・ジョンソン
脚本:ドリュー・ジトリン、マイク・チェダ
撮影:デヴィッド・グリブル
編集:パメラ・パワー
音楽:ハンス・ジマー、ジョン・パウエル
衣裳デザイン:デボラ・エバートン
美術:ジェレミー・コンウェイ

キャスト

メースン:スキート・ウーリッチ
アーロ:キューバ・グッディング・Jr.
ブリナー少佐:ピーター・ファース
ロング博士:デヴィッド・ペイマー
ヴォーン:ハドソン・レイク

LINK

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http://www.chillfactorthefilm.com/
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