原題:Below

見える敵。見えない敵。 ドイツ軍の攻撃。3人の生存者。1人は女性。消えた艦長。次々と起こる怪奇な出来事。 すべては"女性"が乗船したことから始まった…。 戦慄の潜水艦サスペンス!!

2002年10月11日全米初公開

2002年/アメリカ映画/105分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル、ドルビーSR、dts、SDDS 配給:ギャガ=ヒューマックス共同配給

2003年09月05日よりビデオレンタル開始 2003年09月25日よりDVDリリース 2003年2月22日より、日比谷映画他、全国東宝洋画系にてロードショー

公開初日 2003/02/22

配給会社名 0025/0145

公開日メモ 「π」で全世界を驚愕させたダーレン・アロノフスキー が放つ全く新しい潜水艦密室ホラー大作。第二次大戦のさなか、アメリカの潜水艦に 救助された病院船の乗組員達は、 逃げ場のない潜水艦内で、いまだかつてない 恐怖を体験する。

解説



従来の「潜水艦映画」の枠を打破し、深層心理をおびやかす「潜水艦サスペンス」に観る者は固唾をのむことになるだろう。 舞台は第二次世界大戦中の大西洋海域。ドイツ軍のUボートとの交戦を繰広げる米国潜水艦タイガー・シャークの乗組員を震撼させたのは、敵艦の攻撃だけではなく、正体不明の”見えない敵”の脅威だった。
事の発端は、撃沈された英国病院船の生存者3名の救出。ところがその中のひとりは、潜水艦にとって”疫病神”とされる”女性”だった。この招かれざる客の乗船以降、暗黒の海底を背景に、次々と起こり来る謎の出来事。潜水艦という密閉された息苦しい空間で乗組員たちは、”外側の・・・見える敵” ドイツ軍と、艦内に潜む “内側の・・・・見えない敵”の両方から襲われ、まさに八方塞がり状態。 やがて身震いするほどショッキングな事実が判明し、観る者は足をすくわれる…。
潜水艦映画といえば、これまでは女性禁制ともいうべき、男性主体の骨太なサスペンス・タッチの作風が特徴的だったが、今作では敢えてそのタブーを逆手にとり、潜水艦サスペンスの新機軸を打ち出した。すなわち「女性が潜水艦にとって不吉な存在である」というミステリアスなエピソードでストーリーを肉付け。さらに得体のしれない謎の現象が伏線となり、登場人物だけではなく観客までをもかく乱させ、じわじわと心理的に追い詰めていくのだ。
そんな”新世紀の潜水艦ノワール”ともいうべき同作の原案を打ち出したのは、『π〈パイ〉』(97)や『レクイエム・フォー・ドリーム』(00)で心理的恐怖をえぐり出した鬼才ダーレン・アロノフスキー。この原案をさらに推し進め、新しい一大エンターテインメント大作に作りあげたのは、監督・脚本家として華麗なる経歴を誇る『アライバル 侵略者』(96)や『ピッチブラック』(00)などの監督デヴィッド・トゥーヒーである。また、リアルな身体的恐怖を体現する役者陣においても、実力派俳優が結集された。骨太の社会派サスペンス『13デイズ』(00)のケネディ大統領役で陰影に富んだ演技を見せたブルース・グリーンウッドや、『キューティ・ブロンド』(01)で軽快な演技を披露した若手注目株マシュー・デイヴィスなどが、力強い演技力で物語を引っ張っていく。さらに本作のサスペンスというジャンルに深みを与えているのが、 “美しき疫病神”の存在感。そのクレア役を大ヒット・サスペンス『シックス・センス』(99)でブルース・ウィリスの妻役を務めたオリヴィア・ウィリアムズが熱演し、観客の恐怖を一層煽っている。
また、潜水艦という舞台に生々しい臨場感を与えたのが、実在のガトー級米国潜水艦シルバーサイズと、技術アドバイザーが舌を巻いたというくらいに本物そっくりに作られた巨大なセットである。さらに最新鋭のデジタル技術が投入された視覚効果によって、これまでにないリアルな脅威が醸し出され、潜水艦映画の歴史に力強い足跡を残す超大作に仕上がった。

ストーリー



第二次世界大戦中、大西洋海域を航海中のアメリカ軍潜水艦タイガー・シャークの乗組員は、「ドイツ軍U ボートに撃沈されたイギリスの病院船の生存者を救助せよ。」という指令を受ける。生存者は3名。無事に救出が終了すると、その中のひとりは”女性”だということが発覚。一瞬のうちに乗組員に衝撃が走る。”女性は潜水艦に不吉な災いをもたらす”=この古い言い伝えは、艦内に大きな波紋を広げ始める。
その女性の名はクレア・ページ(オリヴィア・ウィリアムズ)。病院船で看護婦を務めていた彼女は重苦しい雰囲気の中、凛として同乗した怪我人の介護にあたる。乗組員たちは救助した3人を基地に送り届けようとするが、突如ドイツ軍の敵艦が急接近。緊迫感みなぎる中、やむを得ずスクリューを止め、息を殺し海底に身を潜めるタイガー・シャーク。どんな小さな音さえも海底では命とりになるのだ。ところが、静まり返った艦内に、突然ベニー・グッドマンのレコードが大きく鳴り響く。 即座にドイツ軍に所在地を見抜かれたタイガー・シャークは爆雷を受けて大打撃を被ってしまう。かろうじて逃走しきった乗組員たちだったが、艦内でレコードをかけた犯人は依然として不明のままだった。
そんな時、救助した3人のひとり、シリングスがナチスだということが判明。疑惑の矛先が彼へと向けられ、艦長代理であるブライス大尉(ブルース・グリーンウッド)の手によって射殺される。看護婦として患者を助けられなかったことを悔いるクレア。ところが再び、レコードの音が静寂を破る。一体何者の仕業なのか…!? それからというもの、乗組員たちは耳障りな音や不気味な囁き声を耳にしたり、亡霊らしきものを目撃したりと、次々と怪奇現象に襲われ、心身ともに追いつめられ始めるのだった。
このただ事ではない不穏な状況に若き乗組員のオデル少尉(マシュー・デイヴィス)は疑問を抱き始める。が、更なる過酷な出来事が彼らを見舞う。 海上への浮上を試みると、そこにはドイツの敵艦が待ち構えていたのだ。空気交換もできないまま、やむなく海底へと戻るタイガー・シャーク。敵艦は鋼鉄のケーブルを海中に流し、タイガー・シャークの潜望鏡を破壊。さらに潜水艦の亀裂からオイル漏れが生じ、上昇不可能な状態に! 乗組員たちの焦りが混乱が生じ、指揮系統も乱れていく。この危機から脱するため、オデルはクアーズ中尉(スコット・フォーリー)たちと潜水艦のタンク破損の修理作業にあたっていると、そこでクアーズの口から、前艦長ウィンターズの死について意外な事実を聞く。だが、クアーズはその話の直後、まるで何者かが手を下したように、不慮の事故によって死んでしまう。決死の修理作業を終えオデルが艦内に戻ると、潜水艦は得体の知れない力に操られるように暴走していく。更には艦内で蓄電池から水素が流出。空気中の水素の濃度が増していき、乗組員たちは水素中毒に見舞われる。中には自分を見失い幻覚を見る者も現れ、彼らの勇気や信念までもがそがれていき、艦内は大混乱に。しかし、「これは潜水艦の呪いだ!」 と訴えるオデルに耳を貸す者は誰もいなかった。
一方、逆境の中でも冷静さを失わないクレアは、偶然にも「米国海軍偵察日誌」を発見。前艦長が最近不可解な死を遂げたという事実を掴み始める。オデルと同じくただならぬ状況を察知した彼女は、詳しい調査に乗りだすが、事態は悪化の一途を辿るばかり。死傷者が続出するといった悪夢のような惨劇が、容赦なく乗組員たちを追い込んでいく。
果たして、謎の出来事の犯人は誰なのか?この潜水艦に隠された秘密とは…? そして、迫り来るドイツ敵艦や艦内の正体不明の敵から無事に逃げ切ることができるのか…!?

スタッフ

監督:デヴィッド・トゥーヒー
脚本:ルーカス・サスマン, ダーレン・アロノフスキー, デヴィッド・トゥーヒー
製作:スー・ベイドン=パウエル, ダーレン・アロノフスキー, エリック・ワトソン
製作総指揮:ボブ・ウェインスタイン, ハーヴェイ・ウェインスタイン, アンドリュー・ローナ 
共同製作:マーク・インディグ, マイケル・ゾウマス
撮影:イアン・ウィルソン B.S.C.
美術:チャールズ・リー
編集:マーティン・ハンター
音楽:グレーム・レヴェル
視覚効果監修:ピーター・チャン
衣装:エリザベス・ウォラー

キャスト

オデル:マシュー・デイヴィス
ブライス:ブルース・グリーンウッド
クレア:オリヴィア・ウィリアムズ
ルーミス:ホルト・マッキャラニー
クアーズ:スコット・フォーリー
ウォーリー:ザック・ガリフィアナキス
スタンボ:ジェイソン・フレミング
シリングス:ジョナサン・ハートマン
キングズリー:デクスター・フレッチャー
チーフ:ニック・チンランド

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