原題:John Q

本年度アカデミー主演男優賞受賞 デンゼル・ワシントン最新作 ジョンQの勇気ある行動に全米が興奮し涙した———今すべての人に贈る感動超大作!!

東京国際映画祭特別招待作品::http://www.tiff-jp.net/

2001年11月2日全米公開

2002年/アメリカ映画/ビスタサイズ/ドルビーSR、ドルビーデジタル、DTS、SDDS/ 上映時間:1時間56分/ノベライズ:小学館文庫 刊/ 配給:ギャガ=ヒューマックス共同

2003年04月02日よりビデオ発売&レンタル開始 2002年11月23日より日劇1他全国東宝洋画系にて<拡大>ロードショー!

公開初日 2002/11/23

配給会社名 0025/0145

公開日メモ 息子の病気、高額の医療費、苦悩する父親。愛する息子を守るため、父はICUを占拠した。緊迫した愛情は衝撃の結末を迎える。

解説



「聞こえただろ、頼むからやってくれ。
息子が死ぬのを黙ってみているとでも思っているのかっ。
本気だ、これは冗談なんかじゃない!」

 ある日突然、最愛の息子が心臓病を患い、昏睡状態に陥る。適応されるはずの保険が利かない。会社が社員に内緒で保険ランクを下げていたのだ。オプションで付けていた高額医療保障も受けられない。仕事はリストラされ、パートタイマーに格下げされていた。国の補助も受けられない。その間にも、子どもはどんどん弱っていく。…信じられるのは自分だけだ。男は決断する。「俺が助けてみせる、息子を死なせない」男の名はジョン・クインシー・アーチボルド。愛称ジョンQ。拳銃を手に、大病院の救急病棟を占拠。医師、看護婦、患者らを人質に立て篭もった。要求はただ一つ、息子の命を救うことだった。

 38年ぶり、アフリカ系アメリカ人の男優として2人目のオスカー像を手にした名優デンゼル・ワシントンが、息子の命を救うため大病院の救急病棟をジャックするジョンQ役を熱演。2002年2月の全米公開時、「いまアメリカ映画はデンゼルの時代の真っ只中に いる。彼と同じ時代に生きられることを幸せに思う」と、批評家やマスコミから絶賛、さらに劇場の出口調査では男女・年齢問わず全てのカテゴリーでA以上の評価を得て、大ヒットを記録した。

 「ジョンQは、私自身かもしれない。いや、誰の中にもジョンQはいるはずだ。家族を、子どもを助けるためなら、私はジョンQと同じような行動を取るかもしれない」とデンゼル・ワシントンは言う。アメリカ社会に限らず、いま日本でも社会問題として論議されている医療制度、医療保険に関して、『ジョンQ—最後の決断—』は一石を投じている。「本作は、現代社会の様ざまな問題を取り上げている。リストラ、雇用機会の不安。健康保険が受けられると思っていたら、実は給付されなくなっていた、そんなことが誰の身の上にも起こる可能性があること。そして、誰もが自分に問うだろう、いつどこで自分は法律を破ろうか、とね。本作は〈いま〉そのことへの一つの問いかけの映画なんだ」製作総指揮のブッチ・カプランはそう話す。
 ジョンQ役のデンゼル・ワシントンとのコラボレーションを楽しむように、そうそうたる名優、性格派俳優が結集。社会問題を巧みなエンタテインメントに昇華させた優れたストーリー(ジェームズ・キアーンズ)の脚本に惚れ込み、俳優組合が定めた最低保障の出演料で参加した。立て篭もったジョンQの説得にあたるシカゴ市警のベテラン警部補フランク・グライムズに、まさにベテラン中のベテラン、アカデミー俳優ロバート・デュヴァル。ジョンQによって救急病棟に人質にされるホープ記念病院の心臓科局長レイモンド・ターナーにジェームズ・ウッズ。病院経営のためには高所得者を優先せざるを得ないことを割り切っている同病院の院長レベッカ・ペインにアン・ヘッシュ。ジョンQの事件を売名のきっけに使おうと躍起になるシカゴ市警警察本部長モンローにクセ者俳優レイ・リオッタ。

 シカゴのダウンタウンにある実際の病院を使ってオールロケを敢行、アメリカ・インディーズ・アートの父、と評価の高いジョン・カサヴェテスと、名女優ジーナ・ローランズを両親に持つ〈映画的サラブレット〉ニック・カサヴェテス監督の、アツい人間群像を導き出す名タッチが全編を貫く渾身の一作に仕上がっている。手に汗握る巧みなストーリー展開、豪華キャストによる迫真の演技、そしてジョンQの息子を愛する気持ちに涙せずにはいられない、感動超大作の誕生である。

ストーリー




 ある日、マイクが野球の試合中に倒れ、ホープ記念病院にかつぎ込まれる。診断の結果、心臓に中隔欠損が見つかる。微小の穴が開いていたのだ。心臓から血液が十分に送り出されず、肺の組織に溜まっていたため心機能を低下させた。重体だった。持ってあと数週間、最悪の場合は数日の命。心臓外科医レイモンド・ターナー(ジェームズ・ウッズ)による病状説明は、〈死の宣告〉に等しく、残された道は「心臓移植」しかなかった。

 心臓移植のためには、マイクを「レシピエント・リスト」(※移植待機者名簿のこと)へエントリーしなければならない。しかし手術費は約25万ドル、リストに載せるだけでも30パーセントの約7万5千ドルを現金・前払いで支払う必要があった。

「医療保険で賄えるはずでは?」
「調べさせてもらいましたが、アーチボルドさんの保険は移植手術には適用されません」    
院長のレベッカ・ペイン(アン・ヘッシュ)の冷静な口調が、ジョンとデニスをさらに苦境へ追い込む。ジョンは長年勤めた工場で半日勤務のパートタイマーへリストラさせられた際、自分の知らない間に、補填額上限2万ドルの医療保険ランクに変更されていたのだ。

「何年間も払い続けてきて…うちの子に死ねというのかっ!」やり場のない怒りが込み上げてくる。

 ジョンは家財を売り、わずかでも治療費にあてるため、テレビに乾燥機、ソファーなどを売りに出す。マイクが産まれて買ったもの、いっしょに遊んだ、たくさんの思い出がつまったもの。一つ一つが子どもとの日々の思い出だった。教会の牧師からは、地域住民の人たちが寄せてくれたカンパを渡される。みんなが心配してくれていた。
 しかし、ジョンを待っていたのは、病院理事会からの退院勧告だった。
「お金ならわずかだが昨日払ったじゃないか。残りはこれから一生かかっても絶対に払うから、お願いだ、あの子を見捨てないでくれっ!」

 病院の冷たい対応に、我慢はもはや限界だった。そしてついにジョンは決断する。ターナーに銃を突きつけ、通用口をロック。救急病棟に12人の人質を取り、立て篭もった。わが子を救うための、たった一人の決起だった。

 やがて、シカゴ市警が病院を包囲した。周辺地区は完全封鎖され、クーデターのような物々しさ。報道陣が殺到し、一斉に実況中継を始めた。

 シカゴ市警のベテラン警部補フランク・グライムズ(ロバート・デュヴァル)が説得に乗り出す。
「名前は?」
「…ジョンQと呼んでくれ」
「分かった。ジョンQ、君を騙すことはしない。要求は?」

「子どものマイクの名前をリストに載せるように言ってくれ。俺の要求はただ一つ、子どもを救うことだ」

 グライムズへジョンからの連絡が入る。一刻も早くマイクの名前をリストに載せてほしかった。そのための条件として、赤ん坊と女性を含む人質4人を解放するという。グライムズはペインに、ジョンQの子どもを思う気持ちを伝え、リストへの手続きを急がせる。

「…治療を拒まれた男が人質を取って立て篭もっている、それが事実なんですよ」
「それは違います。医療保険に加入していないか、なにかの事情で解約された人がこの国に5千万人いるということが事実なのです。リストに載せろというなら言う通りにします。でも、国中の病院に銃を持った人が詰めかけることになります」

 進展しない状況に業を煮やした警察本部長モンロー(レイ・リオッタ)は、狙撃命令を下す。
「なんで、事をそんなに急ぐんだっ」激昂するグライムズ。
「人質を殺さないという保障はない。狙撃するしかない」モンローは一歩も引かない。

 マイクの心拍数が落ち始める中、病院の周囲には大勢の市民が集まってきていた。ジョンQとマイクを、まるで自分の家族、友人を励ますかのように声援し見守ってくれている。  

 彼らの大きな声援がジョンにある決断をさせる。
「俺の心臓を使ってくれ…」
 ジョンQからの連絡にグライムズ、モンロー、ペインは驚く。ターナーは、ジョンのわが子を思う強い決断に言葉を失う。救急病棟内には緊迫した空気が流れていた…。

スタッフ

監督/ニック・カサヴェテス
製作/マーク・バーグ&オレン・コーレス
製作総指揮/エイブラム・ブッチ・カプラン
脚本/ジェームズ・キアーンズ
撮影/ロヒール・ストッフェルス
美術/ステファニア・セラ
衣裳デザイン/ベアトリックス・アルーナ・パストール
編集/ディディ・アレン

キャスト

ジョン・Q・アーチボルド/デンゼル・ワシントン
フランク・グライムズ/ロバート・デュヴァル
レイモンド・ターナー/ジェームズ・ウッズ
レベッカ・ペイン/アン・ヘッシュ
モンロー/レイ・リオッタ
デニス・アーチボルド/キンバリー・エリス
レスター/エディ・グリフィン
ミッチ/ショーン・ハトシー
マイク・アーチボルド/ダニエル・E・スミス

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