第11回あきた十文字映画祭招待作品::http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Stage/4841/jcf/index.html

2001年/日本/ 配給:スローラーナー

2003年03月28日よりDVD発売&レンタル開始 2002年11月9日よりテアトル新宿にてレイトショー公開

©2002 「理髪店主のかなしみ」製作委員会

公開初日 2002/11/09

配給会社名 0048

公開日メモ 主人公の‘理髪店主’は脚フェチ・マゾヒスティックです。好きな女性の言いなりになり、何でもしてあげたいという気持ち。それは彼女のために殺人までしてあげましょうとまで考えるのです。痛ぶられることに快感を覚え、その姿は、コミカルでもありますが、他人から見ると哀しくもあります。しかし、‘理髪店主’にとってみれば、喜びなのです。

解説



 フェチズムは、人の数だけ有ると言っても過言ではないでしょう。サディスティックやマゾヒスティックのSMプレイ、同性愛など、現在では随分とオープンになってきました。インターネットには数限りないほどの、フェチズムや性癖のサイトがあります。マウスをクリックするだけで、その世界のことを知ることが出来るようになりました。
 人それぞれが感じる性の快感。他人から見ると、情けなく、かなしく感じることでも本人にしてみればそれは、最高の幸せだったりします。それがフェチズムなのではないでしょうか。理髪店主は、少年の頃家庭教師に初めて性的な快感を覚えます。それは巡り巡って麗子という女性に、家庭教師と同じ臭いを感じるのです。麗子は、アブノーマルな世界に溺れています。麗子を通し人々は哀しみや喜びを感じるのです。
それは確かに他人から見ると情けない姿に映るのですが、彼らはそれが快感なのです。

●「理髪店主のかなしみ」
 主人公の‘理髪店主’は脚フェチ・マゾヒスティックです。好きな女性の言いなりになり、何でもしてあげたいという気持ち。それは彼女のために殺人までしてあげましょうとまで考えるのです。痛ぶられることに快感を覚え、その姿は、コミカルでもありますが、他人から見ると哀しくもあります。しかし、‘理髪店主’にとってみれば、喜びなのです。

●「麗子のくるしみ」
 坂口とのアブノーマルなSEXから逃れられない麗子。逃げ出したいのはやまやまなのですが、どうも体が言うことを利かない。そこで、彼女はある計画を企てます。
‘理髪店主’の気持ちを知り、自分の計画に利用していこうとします。脚の美しさはもちろんのこと外見の美しさを利用し、坂口の運転手・黒崎とも関係を持っています。
周りの男達を振り回し、麗子の計画は成功するのでしょうか?

●「坂口のたのしみ」
 悪徳業でお金を稼いでいる坂口は、毎日‘理髪店主’に髭を剃ってもらうのが日課になっています。‘理髪店主’がいないと生きていけないと言うほど、彼に気を許しています。
しかし、‘理髪店主’の麗子への気持ちを知らず、彼女とのアブノーマルSEXについて話しをしてしまいます。そこからが彼の悲劇の始まりです。信頼している‘理髪店主’と、愛情を注いでいる麗子、そこに坂口の運転手・黒崎も関わり、3人に命を狙われてしまうことになるのです。

●「杉浦とキョウコのいつくしみ」
 SMの女王様であるキョウコとそのお客様の杉浦。縁あって‘理髪店主’のお店にやってきます。キョウコには犬畜生以下の存在と言われ、首輪をはめられ、虎刈りにされる杉浦ですが、それがもう幸せで幸せで仕方がないのです。ただ一つ、髭に触ることだけを除けば。
キョウコは‘理髪店主’を見てすぐにマゾスティックということを見抜き、またそんな‘理髪店主’に愛情を感じます。それは仕事柄なのかそれとも別のものなのか?
‘理髪店主’は戸惑うばかりです。

ストーリー




 主人公の理髪店主は、少年時代いつも家庭教師にお仕置きをされていました。
家庭教師がいなくなると、その温もりを感じるように、家庭教師の座っていた椅子のシートに頬をうずめていました。
「何してるの? 子供のくせにイヤらしい! そんなに椅子が好きなら、君が椅子になりなさい!!」
家庭教師は理髪店主の顔に座り、臀部を押しつけてきます。その行為に興奮が高まっていく理髪店主と家庭教師でした。そして二人の関係はエスカレートしていったのでした。

そして時は巡り巡って・・・
 理髪店主(田口トモロヲ)のお店には、いろいろな人々がやってきます。
運転手付きの黒塗りの車に乗り、毎日店主に髭を剃ってもらう坂口さん(柄本明)。
彼はすっかり店主に気を許しているので、イヤらしい話でも平気で店主に聞かせます。
「鏡ってイヤらしいよね。彼女の部屋の大きな鏡の前でシタんだよね。彼女凄く興奮しちゃって、いつもより凄くなっちゃったよ」
また、同業者の杉浦さん(綾田俊樹)はSMの女王様のキョウコさん(ひふみかおり)に首輪をはめられ、虎刈りにしてもらいに来たりします。
「私のような犬畜生には、虎刈りがお似合いです。ワォーン」

 理髪店主は、脚の美しい女性・靴屋の店員麗子さん(須之内美帆子)のことを密かに思っています。麗子さんの後を付けて都電に乗り、麗子さんの脚をいつも眺めてはうっとりしています。

麗子さんの働く靴屋へ理髪店主はプレゼントを買いに行きました。麗子さんは理髪店主のためにたくさんの靴を履いて見せてくれました。
そのお礼に理髪店主は麗子さんを食事に誘いましたが、あっさり断られてしまいました。

理髪店主が独りで食事をしていると、女王様のキョウコさんがテーブルに座りました。
キョウコさんは理髪店主の性癖を見抜き、わざとライターを拾わせ、その掌をハイヒールで踏みました。戸惑う理髪店主はその場を去ってしまうのでした。

 ある日、理髪店主の店へ麗子さんが何かから逃げるように、裸足で飛び込んできました。その後を追うように、坂口さんの運転手・黒崎さん(千原靖史)が入ってきました。そうです。麗子さんは坂口さんのイヤらしい話しに出てくる、彼女だったのです!
麗子さんをうまくかくまうことが出来た理髪店主は、麗子さんの汚れた脚をキレイに拭いてあげました。そして渡せなかった靴をプレゼントしました。理髪店主は初めからそのつもりで靴を買っていたのです。
二人は公園でワインを飲みました。麗子さんは理髪店主からプレゼントされた靴にワインを注ぎました。すると理髪店主はそれをすべて飲み干してしまいました。
「教えて下さい。あなたのこと。私があなたを助けます」と言う理髪店主でしたが、「あなたには無理よ」と麗子さんは答えるのでした。  
 それから坂口さんがお店に来るたびに完全犯罪を妄想する理髪店主でした。剃刀で首を切ってみたり、ハサミを頭に突き刺してみたり、さらにその後、強盗に踏み込まれ、自分も縄で縛られたり。完全犯罪を企てるために、麗子さんに縛ってもらい、蹴ってもらい、顔面に乗ってもらい。
どんどん理髪店主の妄想は大きく膨れ上がって行くのでした。  
 
そしてある日の事、麗子さんから
「助けて! すぐ来て!」
と電話がありました。

理髪店主はお店を飛び出し、麗子さんのもとへ駆けつけました。
そこで理髪店主が見たものは・・・・・!?
彼らの目の前にも少女の幽霊が現れるようになり…。

スタッフ

監督:廣木隆一
エグゼクティブプロデューサー:竹内宏文/横浜豊行/仁平幸男
プロデューサー:後藤正人/陶山明美/服巻泰三/笹岡幸三郎
原作:ひさうちみちお(イーストプレス刊)
キャスティング・プロデューサー:水永久美子
ライン・プロデューサー:鈴木嘉弘
撮影:鈴木一博
照明:白石成一
企画:成田尚哉
脚本:及川章太郎
音楽:TATSUYA
録音:深田晃
美術:松本知恵
編集:菊地純一
助監督:宮城仙雅
製作:吉本興業/オメガ・ピクチャーズ/ケイエスエス
制作プロダクション:ボノボ
配給:スローラーナー

キャスト

田口トモロヲ
柄本明
須之内美帆子
ひふみかおり
千原靖史
綾田俊樹
みのすけ

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