原題:nami

「死んでるの?」「生きてるよ・・・意識がないんだ」「いつから?」 「ずっと」「ずっとって?」「おれがこいつにはじめて会ったときから」

第31回ロッテルダム国際映画祭・最優秀アジア映画賞(NETPAC AWARD)受賞 第23回ぴあフェスティバル正式招待作品

2001年/日本/35mm/カラー/ヴィスタサイズ/111分/ 配給:Index Office、リトルモア

2003年06月27日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年06月27日よりDVD発売開始 2002年テアトル新宿にて5月18日(土)〜5月31日(金)まで、 連日夜9:20より1回上映(英語字幕版での上映となります) 2001年7月31日より新宿シアタートップスにてロードショー公開

公開初日 2002/05/18

公開終了日 2002/05/31

配給会社名 0093/0208

公開日メモ 2000年の夏、フィルムに写し撮られた空気が、世紀をまたいだ2001年の春、まったく新しい拝情性を備えた青春映画の傑作となって、ここに誕生した。

解説


もう夏の匂いが消えてなくなりそうな夜
彼らは西伊豆の凪いだ海を見ていた
孤独が、寂しいとおもうことがどうしようもないことで
べつに嫌でもなかった
彼らは弱くはなかった

劇場デビュー作『タイムレス メロディ』で、”独特な空気感”を持つと評された監督・奥原浩志。二作目の作品となる『波』においても、潤沢とはいえない製作予算でありながら、西伊豆町の完全協力の下、若者の持つ繊細な感受性を見事に表出させ、海外各国で賞賛された才能が、さらなる重要な一歩を踏み出したことを示した。
また主要な登場人物に、映画を製作するなかで知己を得た俳優歴のほとんどない同世代の表現者を配し、脚本をアテ書き(役者の性格や言動に則して、役の人格を形成)することで、”独特な空気感”の中に埋没しない魅力的な人物像をつくりあげた。
2000年の夏、フィルムに写し撮られた空気が、世紀をまたいだ2001年の春、まったく新しい拝情性を備えた青春映画の傑作となって、ここに誕生した。

ストーリー



「死んでるの?」
「生きてるよ・・・意識がないんだ」
「いつから?」
「ずっと」
「ずっとって?」
「おれがこいつにはじめて会ったときから」

晩夏。西伊豆。静謐言な町。
ケンサクはその町のホテルで働いている。ナイトフロントのアルバイト。太陽が昇る時間に帰宅する生活。「ただいま」の挨拶も随分していない。彼を待っているのは意識の無い老人だけ。ケンサクは三年以上、自分の父親か判然としないこの老人の世話をして過ごしてきた。
ミカは毎年、夏にやってくる。親戚のジイさんのガソリンスタンドを手伝い、趣味の写真を撮る。ケンサクと会うのも一年ぶり。ケンサクとは去年、付き合っていたが、今年、ミカにその気は無かった。ミカはこの町で新しい恋人と待ち合わせをしていた。
バスからユカが降りてくる。西伊豆町に一人で訪れたユカ。失恋、の痛手から逃れるように。ホテルでケンサクと出会い、お互いの崩れたバランスを支えあうように関係する。
やがてユカは、恋人から待ちぼうけをくらっているミカと偶然出会い、いつしかミカの家で暮らし始める。ケンサクを含めた三人の間に流れる微妙な空気は常に乾いていた。静かな海辺の街で三人の暮らしは淡々と進み、まるで凪いでいる海のように穏やかに、時は過ぎていった。
タツは東京にいた。借金で首が回らなくなったタツは、幼馴染みのケンサクがいる西伊豆町にやってくる。軽薄なノリのタツは三人の関係に無邪気に入りこみ、均衡がとれていた彼らのバランスは徐々に崩れていく。
そしてタツの暴走が始まる。現金輸送車の襲撃。唯一、止めることが出来るケンサクは実行寸前のタツの前に姿を現すが……。

スタッフ

製作:フイルムメイカーズ、lMAGlCA、ドラゴンキング、リトルモア
企画:ドラゴンキング
プロデューサー:福井政文、大森立嗣、渡辺謙作

監督:奥原浩志
脚本:奥原浩志
撮影:三木匡宏
照明:愼憲治
音楽:サンガツ (サントラ盤:P-VINE)
美術:平井亘
衣装:松井郁子
編集:奥原浩志
整音:鈴木昭彦

キャスト

ケンサク:乾朔太郎
ユカ:小林麻子
ミカ:紺野千春
タツ:大森立嗣

タツの後輩:笠原大
競馬好き:三浦景虎

映画館主:飯田孝男

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