原題:SMALL TIME CROOKS

幸せの秘密は愛妻クッキー? オトナのための秘かな愉しみ、ウディ・アレン久々の本格コメディ

2000年/アメリカ/95分/ドルビーデジタル・DTS/ビスタサイズ 配給:ギャガ・コミュニケーションズGシネマクループ

2002年6月28日よりビデオ&DVD発売 2001年10月20日より恵比寿ガーデンシネマにてロードショー

公開初日 2001/10/20

配給会社名 0025

公開日メモ 幸せの秘密は愛妻クッキー? オトナのための秘かな愉しみ、ウディ・アレン久々の本格コメディ

解説



《銀行強盗の計画は、大失敗のレシピだった??
ウディ・アレン監督最新作は、スピルバーグ率いるドリームワークス全米配給、全米、フランスで大ヒットした、ニューヨーク式夫婦漫才。》

ニューヨークに住む落ちこぼれ犯罪者の夫と、天才的に口が悪い上流指向の妻が夢見る、リッチでハイソでカルチャーもたっぷりの《おいしい生活》。ある日突然それが実現してしまったら……。
ウディ・アレンにとって監督31本目となる本作は、スタンダップコメディアンから映画に進出した彼の原点に戻ったような本格的なニューヨーク式夫婦漫才(めおとまんざい)。ケンカばっかりしているけど実は仲のいい結婚25年の夫婦が、夢にまで見た《おいしい生活》を手に入れるべく繰り広げるハチャメチャな冒険を、洗練されたドタバタ・タッチと鋭い諷刺、顔をみればケンカが始まる仲良し夫婦ならではの、とびきり愉快な毒舌の応酬と、見ているだけで吹き出してしまいそうな成金ファッションの味付けで、とことん楽しませる映画に仕上がった。
スティーブン・スピルバーグ率いるドリームワークスがアート映画路線の大本命として配給した映画なのに……まあいいじゃない、アメリカで大ヒットし、フランスでは堂々興業第一位。本物のコメディ映画とは何かを知り尽くしたウディの傑作は、世界中で快進撃を続けている。
ウディ本人が『地球は女で回ってる』〔97〕以来3年ぶりに主演に復帰。神経質なインテリ役で定評がある彼が、『ブロードウェイのダニー・ローズ』〔84〕以来しばらく演じることのなかったもうひとつの得意技、ダメ人間の落ちこぼれ役で絶妙なコメディアンぶりを見せる。才能のある俳優なら誰でも出たいウディの映画のこと、今回は「アメリカで一番笑わせる女」の異名を誇るトレーシー・ウルマンをパートナーに迎え、関西漫才のボケとツッコミも真っ青の名コンビが実現。
さらに『バードケージ』〔96〕、『パーフェクト・カップル』〔98〕などの名脚本家で、実はニューヨークの通好みのあいだで最高の評価を受けるコメディエンヌのエレイン・メイが、主演二人の絶妙な掛け合いに負けていない大メイ演で全米の批評家の絶賛をかっさらった。『ブロードウェイと銃弾』〔94〕以来のアレン映画の常連で『グッドフェローズ』〔90〕などのギャング映画でもおとぼけぶりを発揮するトニー・ダロウ、『誘惑のアフロディーテ』〔95〕でのボクサー役のボケぶりをさらに凌駕する大ボケぶりを披露するマイケル・ラパポート、そしてウディの処女作『泥棒野郎』〔69〕を見てコメディアンを目指したという「サタデー・ナイト・ライヴ」の人気者ジョン・ロヴィッツも大活躍。そして意外な大物、なんとあのヒュー・グラントが、トレーシー・ウルマンの浮気心をくすぐるハンサムなイギリス人画商に扮し、今までの「気弱なお人好し」演技を覆すまさかの名演に、ウディも「彼は偉大なコメディアンだ」と大絶賛。
1969年の監督・主演第一作『泥棒野郎』から30年余1人奇しくもその主人公の25年後を描いたようにも見えるこの映画を支えるのは、ウディ組常連の美術のサント・ロカスト、キャスティングのジュリエット・テイラー、製作のジーン・ドゥーマニアン、ヘレン・ロビン、ウディの姉妹でもあるレッティ・アロンソンに加え、前作『ギター弾きの恋』〔99〕から参加の、中国出身の名撮影監督チャオ・フェイと、編集のアリサ・レプセルター、そしてこれまでの上品なウディ映画の衣装とはガラりと変わったド派手なコスチュームを手掛けたのは新規参入スザンヌ・マッケイブ新旧とりまぜた名スタッフが、ウディ・アレンならではの映画作りの名人芸をガッチリ固める。
舞台はおなじみニューヨークに、ウディがマンハッタン島の次にお気に入りというベネチアでのロケも加え、高級レストランにメトロポリタン美術館、最高級のワインに上品なコンサートに、あのウィンザー公の華麗なターコイズ・ブルーのシガレット・ケースも登場する、ゴージャスで、オシャレで、そしてときどき確信犯的に悪趣味な、最高の手作り愛妻クッキーのようなオトナの味わいの極上コメディ、じっくりご堪能下さい。

ストーリー

【本人は天才だと思ってる落ちこぼれ犯罪者と、天才的に口が悪い上流指向の妻。結婚25年、人生最後の賭けに銀行強盗を企てる。しかし、カムフラージュにと始めたクッキー屋が意外にも大繁盛。二人にとって夢だった《おいしい生活》が始まるのだが…。】

レイ・ウィンクラー(ウディ・アレン)は元ギャングで銀行強盗……ただし実際の体験は一度だけ。それも仲間がそろってロナルド・レーガンのお面を被っていたのでみんな混乱してしまい、あっけなく御用に。今はしがない皿洗いの彼は、結婚記念日を刑務所の面会室で過ごすハメになっても彼を棄てなかった愛妻フレンチー(トレーシー・ウルマン)の毒舌に頭が上がらない日々だ。
ある日レイがベルギー製手作りチョコレートをお土産に持って帰って来た。何か下心があるはず、と疑うフレンチー。案の定、レイはその晩夕食に来るデニー(マイケル・ラパポート)とトミー(トニー・ダロウ)と共に、”完全無欠”な銀行強盗を計画していたのだ。計画資金として夫婦の貯金6000ドルを出して欲しいというレイ。「ごめんだわ、あれはわたしがお客の爪をマニキュアして必死で貯めたお金なんだから!」

銀行の近所の空家になってるピザ屋を借り、フレンチーがカムフラージュでその店で商売してるあいだに、地下から銀行の金庫の真下にトンネルを掘ってすべてイタダキ、というのがレイのアイディア。「でもあたし、ピザなんてできないわよ」というフレンチー。「君の得意のクッキーでも焼けばいいだろうが!!」

ところが肝心の空家の店にもう借り手がろそこでレイはそこを借りて花屋にするという未亡人に会いに行く。ところが彼女の泊まっているはずのホテルにいたのは、うさん臭そうな小太りの男(ジョン・ロヴィッツ)。「なんだ、君は刑務所で一緒だったベニーじゃないか!」。かくしてペニーも仲間になるが、レイの”天才的計画”にちょっと疑いがも「心配するなよ、僕の刑務所時代のあだ名を憶えているだろ」「”切れ者”ってやつか?お前本気にしてたの?あれは皮肉だったんだぞ!」

かくしてフレンチーのクッキー屋”サンセット・クッキー”、実は銀行強盗計画本部は無事開店。しかもたちまち大繁盛で、この地域が担当の警官(ブライアン・マーキンソン)もクッキーが気に入り常連に。あまりの繁盛、ぶりに「一人じゃとてもやってらんないわ!」と言うフレンチーの一声で、彼女の従姉妹メイ(エレイン・メイ)が雇われる。店には突撃取材のテレビがやって来たり。”サンセット・クッキー”はすっかりニューヨークの話題のお店になってしまった。

そしてついにトンネルが完成、レイたちが大喜びで飛び出すと、そこはなんと洋服のブティック。どこで間違えたんだろうと思っていると、トンネルから銃を構えて飛び出して来たのは例の警官。だが彼にはレイたちを逮捕する気はなく、みんながハッピーになれる解決策があるという。その魔法の一言とは……「フランチャイズ!」。

この魔法の一言で、レイとフレンチーたちは大金持ちに。だが果たして”おいしい生活は”お金だけで手に入るものなのだろうか?

スタッフ

監督・脚本:ウディ・アレン
製作:ジーン・ドゥーマニアン
製作総指揮:J・E・ボーケア
共同製作総指揮:ジャック・ロリンズ、チャールズ・H・ジョフィー、        レッティ・アロンソン
共同製作:ヘレン・ロビン
撮影監督:チャオ・フェイ
プロダクション・デザイン:サント・ロカスト
編集:アリサ・レプセルター
衣装デザイン:スザンヌ・マッケイブ
キャスティング・ディレクター:ジュリエット・テイラー、
               ローラ・ローゼンタール

キャスト

レイ・ウィンクラー:ウディ・アレン
フレンチー・ウィンクラー:トレーシー・ウルマン
デビッド:ヒュー・グラント
メイ:エレイン・メイ
トミー:トニー・ダロウ
ベニー:ジョン・ロヴィッツ
デニー:マイケル・ラパポート
チー・チー・ポッター:エレイン・ストリッチ

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