化粧師−KEWAISHI
原題:KEWAISHI
忘れかけた美心(Bijin)を・・・ 石ノ森章太郎原作を映画化
第14回東京国際映画祭コンペティション部門出品::http://www.tiff-jp.net/
2002年/日本/113分 配給:東映
2002年11月21日よりビデオ発売開始 2002年11月21日よりDVD発売開始 2002年8月9日DVDレンタル開始/2002年8月9日ビデオ発売&レンタル開始 2002年2月9日より全国東映系ロードショー
公開初日 2002/02/09
配給会社名 0004
公開日メモ 時は大正。化粧師の小三馬はその繊細な化粧で女性たちの生き方に影響を与える。夢を追う時子や小三馬に恋する純江…と、小三馬の元に集う女性たちはみな前向きに。だが、小三馬には誰にも言えない秘密があり…!?
解説
時は大正。化粧師の小三馬はその繊細な化粧で女性たちの生き方に影響を与える。夢を追う時子や小三馬に恋する純江…と、小三馬の元に集う女性たちはみな前向きに。だが、小三馬には誰にも言えない秘密があり…!?
《忘れかけた美心(Bijin)を・・・》
“もっと美しく、もっと輝きたい”・・・それはいつの世にも変わらぬ、女性の飽くなき願望。この映画『化粧師 KEWAISHI』はそんな女性たちの願いをかなえ、心まで癒してくれる物語。
今は使われなくなった美しい日本語、化粧師〈けわい〉・・・その意味は、頭の先からつま先まで女性を美しくすること・・・(人の内外面まで気[KE]を配[WAI]ること)。
人の心を豊かに化粧(けわい)していく化粧師・小三馬を演じるのは椎名桔平。
彼を取り巻く女性たちには、菅野美穂・池脇千鶴・柴咲コウの若手から、いしだあゆみ・柴田理恵・岸本加世子・小林幸子・菅井きんなどのベテランまで、彩りも鮮やかな女優陣が顔を揃える。
そして田中邦衛・佐野史郎・岩城滉一・大杉漣ら演技派俳優陣がさらなる味わいを加えていく。
小三馬にかかわる女性は、「化粧」によってカを与えられ、生き方に対する大きな影響を受け、前向きに羽ばたいていき、そして、感情までも豊かに描かれていく。21世紀に生きる女性たちへの応援歌である。
ストーリー
大正時代の初め、舞台は東京の下町。
女性たちを勇気づける一人の化粧師がいた。その名は小三馬(椎名桔平)。あたかも時代は、女性の夜明け。『原始、女は太陽である』の青鞜の発刊、女優の出現など、女性解放の予感に満ちていた。だが、一方で、化粧は、まだ大衆的にはなっていない。一部、上流階級の女性たち、あるいは、客商売の女性たちのものであった。
小三馬は、今で言えば、カリスマ化粧師である。
化粧の腕は抜群で、誰もがその技術に驚嘆する。自分で、薬草から化粧品を作る程のプロフェッショナルであり、そして小三馬に化粧して貰うと不思議にいいことがあるらしいのだ。しかし彼の評判には、偏屈で強情、金の亡者だと言う噂もある。果たして、どちらが本当なのか。
小三馬は、女の世界で暮らしている。
彼を取り巻くのは、華やかな芸妓たちや、大店の女将、女優志願の研修生たち。一方では、化粧には縁のない庶民の女たちもいる。
その一人、天麩羅屋の一人娘、ちゃきちゃきの青野純江(菅野美穂)——。
純江は、どうやら小三馬に気があるようで、小三馬に弟子入り志願。だが、小三馬は、そっ気なく、つれない。
もう一人は、かつての深川の大火で焼け出され、身寄りのなくなった沼田時子(池脇手鶴)——。
時子は、呉服店の女将、三津森鶴子(いしだあゆみ)に拾われ、今は、住み込みで下働きをしている。
時子は、鶴子の身の周りの世話をしながら、次第に、鶴子が好きな芝居の世界に引き込まれていく。だが、彼女は鶴子の持っている戯曲が読めない。
時子は、一念発起して、文字を覚えようとした。
それにカを貸したのが、小三馬だ。
純江は、小三馬が時子のカになっているのを知り、心を痛めた。
お節介が嫌いな小三馬が、時子にカを貸したのは、世渡り下手の時子に、かつての自分の姿を重ねたからだ。
実は、小三馬には、誰一人として気付いていない秘密があった。
いや、たった、一人、心配を抱き始めた女がいる。純江だ。
小三馬には、もうひとつの世界がある。
草原で薬草を摘んでいた時に知り合った少年、脇本光夫(秋山拓也)だ。
友達にいじめられ、言葉を失い、家では母親藤子(岸本加世子)に暴カを振るわれていた光夫は、なぜか小三馬に興味を示した。
光夫は、絵を描くのが好きだった。
お互いに言葉は交わさなくても、小三馬と光夫の間には、ゆったりとした、時間が流れていく。
藤子は、嫉妬を見せる。
自分には気を許さない光夫が、小三馬とは心が通じている。それが許せなかったのかもしれない。
小三馬は、そんな藤子に化粧をしてやった。藤子は、驚いた。化粧して貰った自分の顔に、今までにはなかったもう一人の自分を見た。自分の知らない自分がいた。藤子の中で、何かが変わる。
一方、次第に字を覚え、鶴子に貸して貰った。戯曲も読めるようになった時子は、仲間たちが暮らしている焼け跡のバラックに帰った時、子どもたちに、童話を読んで聞かせるようになっていた。それを聞く子どもたちの生き生きとした顔。時子は、いつしか、女優になる夢を膨らませていた。
そんな時、時子はバラックの仲間たちを守るため、役人から強制執行書を奪い取り、小三馬の家に逃げ込んだ。
小三馬は、時子に化粧を施し、別人に見せかけて官憲の目を騙し、逃がしてやった。小三馬は、自分が罪を被っても、時子を逃がそうとした。
その姿を見た純江は、小三馬への思いを断ち切り、親の持ってきた見合い話を承諾するのだった。
好きな小三馬に、一世一代の婚礼化粧をして貰う純江。
純江の気持ちに気付きながらも、黙々と化粧を続ける小三馬。
その頃、小三馬が時子を逃がしたことを知った官憲は、小三馬の逮捕に向っていた。果して小三馬は——そして小三馬の秘密とは——。
小三馬に化粧をして貰うことは、ちょっと背中を押して貰うこと。
女たちは、自分の迷い、ためらい、戸或い、恐さに踏ん切りをつけて、一歩足を踏み出そうとする。
スタッフ
監督:田中光敏
エグゼクティブプロデューサー:河端進
プロデューサー:藤田重樹、新藤淳一
原作:石ノ森章太郎(「化粧師」小学館ビッグコミック刊)
脚本:横田与志
音楽:大谷幸
撮影:浜田毅
美術:西岡善信
照明:渡邊孝一
録音:武進
編集:川島章正
記録:松澤一美
助監督:猪腰弘之
俳優担当:前島良行
音楽:プロデューサー:石川光
ラインプロデューサー:坂本忠久、酒井実
アソシエイト・プロデューサー:小林正道、大原恒晴、橋本明
アシスタントプロデューサー:宮林和男
組付大道:福田敏雄
結髪:大槻隆子
メイク:広瀬紀代美、山崎邦夫、吉田志帆
衣裳:木田丈雄、山崎正美
キモノ・コーディネイター:冒田伸明
音響効果:柴崎憲治、北田雅也、伊藤瑞樹
音曲指導:中本哲
キャスト
小三馬:椎名桔平
青野純江:菅野美穂
沼田時子:池脇千鶴
北沢宏介:佐野史郎
青野うめ:柴田理恵
中津小夜:柴咲コウ
森山五郎:大杉漣
トメ:菅井きん
ふさ:あき竹城
脇本光夫:秋山拓也
大島朝吉:仁科貴
小吉の母:奥貫薫
三枝しのぶ:酒井若菜
影山:平泉成
刑事鮫島:井上博一
刑事剛:谷口高史
回想の化粧師:minoru
劇場の守衛:北見唯一
北見春子:内田チエ
常連客:泉裕介
松尾勝人
鶴子の友達:宮田圭子
坂下百合子
女給:勇家寛子
染太:池田真紀
弘子:山本奈々
正次:梅林亮太
小吉:森田直幸
車夫:宮崎信哉
置屋の芸姑:平井景子
劇団研修生:岡村亜紀
結城集
三浦優
下元明子
焼け跡の子供:岩井大
中森健
亀谷浩未
堀注麻衣
五十嵐愛生
藤原千咲
木島由利香
いじめっ子:松永智
若林遼馬
青木雅大
北方哲太
脇本健太:岩城滉一
飛行機:小林幸子
脇本藤子:岸木加世子
青野茂蔵:田中邦衛
三津森鶴子:いしだあゆみ
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