原題:ESTHER KAHN

わたしの魂が、鼓動をはじめる。

2000年カンヌ国際映画祭出品

2000年10月4日フランス公開

2000年/仏・英合作/145分/カラー/ヴィスタ/ドルビーSRD/日本語字幕:細川直子 配給:セテラ・インターナショナル 提供:日活/セテラ

2002年10月25日よりDVD発売開始 2002年09月27日よりビデオ発売&レンタル開始 2001年10月13日(土)より日比谷シャンテシネにてロードショー公開

サブ題名 めざめの時

公開初日 2001/10/13

公開終了日 2001/11/09

配給会社名 0117

公開日メモ トリュフォー、ロメールといったフランス恋愛映画の豊かな遺産を受け継ぎながら、独自の世界を築き上げた大ヒット作『そして僕は恋をする』から4年、アルノー・デプレシャンが満を持して贈る愛の物語

解説



《トリュフォー、ロメールといったフランス恋愛映画の豊かな遺産を受け継ぎながら、独自の世界を築き上げた大ヒット作『そして僕は恋をする』から4年、アルノー・デプレシャンが満を持して贈る愛の物語》
“トリュフォーの再来””カラックスを凌ぐ映像作家”と謳われ、映画監督としての賛辞を一身に受けるアルノー・デプレシャン。その鋭い洞察力と繊密な演出カで独自の世界を展開する彼が、新作『エスター・カーン めざめの時』では、ひとりの女性の成長をみつめる——自己の殻に閉じこもり、心の闇から抜け出せない〈エスター〉を演じる、サマー・フェニックスの痛々しくも美しい姿に我々は感動をおぼえずにはいられない。デプレシャンの新たな挑戦と、野性的でありながら瑞々しい存在感で圧倒するサマー・フェニックスとの奇跡的なコラボレーションは、フランス映画界に更なる驚愕と刺激を与え、今後ますます目が離せない。

《『エスター・カーン めざめの時』は『そして僕は恋をする』のリメイクといっても過言ではない》
『エスター・カーンめざめの時』は、実は『そして僕は恋をする』のリメイクだといっても、もちろんまるっきり同じではない。デプレシャンは「この二作品は明らかに違うが、自分が大切だと思うところはやはり同じ。真実の人生はどこにあるかということ」と語る。ポール(『そして僕…』の主人公)とエスターは二人とも、自分の周囲の実存在さえ疑っている懐疑主義者である。両作品とも三部から構成されており、時には同じ進行をする。ポールはとてもおしゃべりだが、エスターはとても無口。しかしエスターと同じく、ポールも恐ろしいほど予見的で頑固で頑ななキャラクターとして描かれている。

《時代を超えて共通する〈アイデンティティの確立〉に対する問題》
本作は、アーサー・シモンズの短篇集「心の冒険」の一篇、「エスター・カーン」を原作(平凡社ライブラリー刊)として映画化。シモンズの短篇集タイトルにあるように、文字通り〈心の冒険〉をテーマにした「エスター・カーン」は、個々が抱える心の闇に焦点を置く。誰もが抱え得るアイデンティティの確立に対する不安やジレンマ時代を超えて共通する問題を、エスターは演劇を通じて自らの<生>に目覚めていく。

《故リバー・フェニックスの妹、サマー・フェニックスが本作で本格的デビュー!》
エスター演じるサマー・フェニックスは、故リバー・フェニックス、『グラディエーター』等で活躍中のホアキン・フェニックスの実妹で、今後の活躍が大いに期待される個性派女優。彼女を脇で支えるのは、イアン・ホルム、フランシス・バーバーといった英国の名優が顔を揃える。また、デプレシャンが敬愛するトリュフォーが英国で撮影した『恋のエチュード』で出演したキカ・マーカムが登場するのも興味深い。撮影監督はデプレシャンの処女作『二十歳の死』で共にデビューした盟友、エリック・ゴティエ。音楽は、映画音楽界の重鎮ハワード・ショアが担当。様々な才能が結集された本作は、新たな〈デプレシャンの世界〉に無限の豊かさをもたらしている。

ストーリー



《いつも本当の自分を探してた、自分の居場所を探すために。》
1881年ロンドン、イーストエンドのユダヤ人街で生まれ育ったエスター(サマー・フェニックス)は、家業の洋裁を手伝いながら女学校に通う。エスターは感情も意志も表現せず、内気で頑固で可愛気がなく、まるで石のような少女だった。彼女は外の人間と上手くコミュニケーションがとれないばかりか、家族の中でさえ完全に浮いた存在だった。
そんな彼女に転機が訪れる。ある晩、天井桟敷にかじりついて観た芝居に彼女は触発されたのだ。密かに女優への挑戦が始まる。エキストラ出演を重ね、着々と女優への道を歩み始めたエスターは、老優ネイサン(イアン・ホルム)より演技の個人指導を受けるようになる。女優としての将来に不安を抱く彼女はネイサンに相談する。ネイサンは言う「チビだろうがデブだろうが関係ないね」「君にはなにかが欠けている。救いは君の手の中にある、世の中を拒絶するな。恋をしなさい、今のままでは死人同然だ」
考えたエスターは、演劇界で影の実力を持つ批評家フィリップ・ヘイガード(ファブリス・デプレシャン)を恋の相手に選ぶ。…そして失恋。生まれて初めて知る恋から、魂の昂揚と例えようのない痛みに、彼女は混乱しきっていた。しかしそんな状態のエスターをよそに、彼女にとって初の主演舞台”ヘッダ・ガブラー”初日の幕は開ける。果たして彼女が真に望むものは手に入るのだろうか…

スタッフ

監督:アルノー・デプレシャン
脚本:アルノー・デプレシャン、エマニュエル・ブルデュー
音楽:ハワード・ショア
翻訳:ナイジェル・ギアリング
劇中劇演出:ラミン・グレイ
ライヴ音楽:ポール・クラーク
振付:スージー・ウィルソン
配役:レオ・デイヴィス、ウェンディ・ブレイズィントン、ジェイムズ・カレーリ
撮影:エリック・ゴティエ
美術:ジョン・ヘンソン
衣装:ナタリー・デューリンクス
室内装飾:ジョン・ブッシュ
録音:マルコム・デイヴィス、レイ・ベキット
メイク:ピーター・ロブ=キング
ヘアー:アニー・タウンゼント
編集:エルヴェ・ド・リューズ、マルティーヌ・ジョルダーノ、カーチャ・ブタン(台詞)
音編集:パスカル・ヴィラール
調整:ジャン=ピエール・ラフォルス
製作:パスカル・コシュトー、クリス・カーリング
スティール:サイモン・マイン
ユダヤ語監修:バリー・デイヴィス
衣装監修:マーカス・リーバーマン
時代公証:アリアーヌ・フネトー

キャスト

エスター・カーン:サマー・フェニックス
ネイサン・ケラン:イアン・ホルム
フィリップ・ヘイガード:ファブリス・デブレシャン

母リヴカ・カーン:フランシス・バーバー
父イツォーク・カーン:ラースロー・サボー
ブバ、祖母:ヒラリー・セスタ
サミュエル・カーン:アクバル・クルタ
ミーナ・カーン:クラウディア・ショルティ
ベッキー・カーン:バーナ・レイフ
ジョエル:ポール・リーガン
ラバ:アーノルド・ブラウン
劇場支配人:レオン・リセック
ノートン:イアン・バーソロミュー
クリステル:サマンサ・ラヴェル
オールマン、写真家:ポール・リッター
シルヴィア、伊女性:エマニュエル・ドゥヴォス
トリシュ:キカ・マーカム
ショーン:アントン・レッサー
カスリン、女優:テレーザ・ボーダン
ヴィヴィアン、女優:マギー・マカーシー

エスター:フィラデルフィア・ディダ
サミュエル:ユスフ・アルフィン
ミーナ:マルヴァ・ザーリ
ベッキー:ティナ・ニコルズ

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