ぼくらの世代
原題:La mia generazione
日本におけるイタリア年イタリア映画祭2001「イタリア旅行」90年代秀作選
1996年/91分 主催:朝日新聞社、テレビ朝日(東京のみ)、開催会場、イタリア・シネマ(イタリア映画海外普及協会) 後援:日本におけるイタリア年財団、イタリア大使館、イタリア文化会館ほか 協力:(財)国際文化交流推進協会ほか
会期・会場:(2001年末まで全10会場) 2001年4月28日(土)〜5月6日(日)有楽町朝日ホール/ 2001年5月11日〜13日東北福祉大学/ 2001年5月16日〜19日高知県立美術館/ 2001年6月8日〜10日大阪市旭区民センター/ 2001年6月20日〜29日広島市映像文化ライブラリー
公開初日 2001/04/28
公開終了日 2001/05/06
配給会社名 0467
公開日メモ 日本におけるイタリア年、イタリア映画祭にて未公開作品を10本上映。
解説
シチリアからミラノへ向かう囚人護送車から見るイタリアの風景は、今回の「イタリア旅行」の中でも、ことさらに繊細で悲しげだ。シチリアの海から次第に刑務所の訓練の様子が映る冒頭のロング・ショットとそれにかぶさる音楽から、見る者はただならぬ緊張と静謐さに包まれる。
学生運動によって捕らえられ、仲間の名前を明かさなかったばかりに、長い拘留となった主人公は、今度こそミラノに住む恋人ジュリアに会うことができると信じて、護送車の中でその瞬間を待っている。ミラノではフランチェスカ・ネリ演じるジュリアが、男の帰りを待ちながら、ミラノの街をひたすら歩く。
ここでは、ミラノ名物の市内電車さえ、切なく見える。
胸の詰まるような二人の沈黙を、名撮影監督アレッサンドロ・ペーシがなめるようなカメラワークで交互に描いてゆく。単純といえば、単純すぎる話だが、こうした物語は、世界中にあったはずだ。少なくともある世代までは。
自らの学生運動世代への挽歌とも言える映画を作ったヴィルマ・ラバーテは、1949年生まれの女性監督で、今回紹介される若手監督たちより一世代上にあたる。米国留学の後、エットレ・スコーラの助監督を務めてから、RAIでテレビ・ドキュメンタリーを作って注目された後、1991年に「アンブロージョ」で監督デビューした。本作が二本目にあたる。今年のロカルノ映画祭では第3作のDomenica「日曜日」が好評を得ている。
ストーリー
ブラッチョは、数年前に起こったテロの犯人のひとりとして、シチリアの刑務所に収容されている。ミラノに恋人のいるブラッチョは一年前にミラノヘの移動を願い出ていたが、突如、一ヶ月の制限付きで面会のための移動が許可される。
政治犯を護送するというこの「特別任務」についた大尉は、その道中、ブラッチョに事実を話すよう説得を試みる。ミラノではフィアンセのジュリアが、刑務所でのブラッチョヘの面会を申し込むが、警察はミラノに来ることは予定されていないと言う。
ミラノに着く手前で、ブラッチョはこの「特別任務」の真意を知らされる。ブラッチョを心理的に追い込み、発砲したのは誰だったのか、武器の隠し場所はどこかを供述させるという軍の目論見だったのだ。ブラッチョはジュリアとの再会を賭けた選択を迫られるが、ついに何も言わずにシチリアの刑務所に帰る決断をする。
スタッフ
監督:ヴィルマ・ラバーテ
脚本:ヴィルマ・ラバーテ、パオラ・ラッポーニ、アンドレア・レオーニ、サンドロ・ペトラリア
撮影監督:アレッサンドロ・ペッシ
美術:マルタ・マッフッチ
録音:ブルーノ・プッパロ
編集:エンツォ・メニコニ
衣装:メテッラ・ラボーニ
助監督:オリヴィエ・ジェラール製作:マウリツィオ・ティーニ
音楽:ニコラ・ピオヴァーニ
製作会社:Compact
協力: RAI & Dania Film
キャスト
大尉:シルヴィオ・オルランド
ブラッチョ:クラウディオ・アメンドラ
ジュリア:フランチェスカ・ネーリ
コンチリオ:ヴィンチェンツォ・ペルーゾ
警察官:ステファノ・アッコルシ
ガブリエレ:マウロ・マルケーゼ
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