原題:Gadjo Dilo

愛と現実と音楽と、僕の人生を変えたこと。 希望に満ちあふれたエネルギーが大地を感じさせてくれる。

☆1997年ロカルノ国際映画祭豹賞、全キリスト教会賞、YOUTH賞、FICC/IFFS賞5部門受賞 ☆1997年モントリオール世界映画祭特別賞受賞 ☆1998年ロッテルダム国際映画祭観客賞受賞 ☆1998年トロムセ映画祭観客賞受賞

1997年フランフ・ルーマニア映画/ビスタサイズ/100分 日本語字幕:柴田香代子/後援:フランス大使館 協力:ユニフラランス・フィルム/配給:日活

2002年03月22日よりDVD発売開始 1999年09月24日よりビデオ発売&レンタル開始 1999年2月6日よりお正月第2弾、銀座テアトル西友にてロードショー!!

公開初日 1999/02/06

配給会社名 0006

公開日メモ 愛と現実と音楽と、僕の人生を変えたこと。希望に満ちあふれたエネルギーが大地を感じさせてくれる。

解説


一本のテープを頼りに幻の歌姫を探して旅をするスティファンは、ロマ(ジプシー)の村にたどりつく。「あの“ガッジョ・ディーロ”は一体誰だ。」よそ者に対して冷たい態度をとるロマ。スティファンのことを気に入っている老人イジドールは、皆を説得し、村に招き入れる。情熱的なサビーナとの恋、質素でたくましいロマとの共同生活。ある事件をきっかけに、ロマの魂に触れ、自分にとっての愛と真実を発見していく。国境と民族をこえて、音楽と魂とで結ばれた純愛物語。“ガッショ・ディーロ”とはロマ=ジプシー語で“よそ者”を意味する_。
前作『モンド』(97)で観客の心を確実にとらえたトニー・ガトリフ監督。彼の集大成ともいえる作品が本作『ガッジョ・ディーロ』です。自らもロマ系(ジプシー)出身だという彼は、常にマイノリティーな人々に焦点をあてて作品を撮り続け、自然への官能的讃歌、鎮められることのない生きる喜びをもっているのロマのたくましい生き方や迫害に対する忍耐など、ガトリフの尽きることのないロマへの熱い想いが今まで以上に注がれています。ガトリフが描くロマの姿は観客に本当の力強さ、自由を感じさせ、それさえあれば逞しく、前向きに生きて行けるのだ、というエネルギーを与えてくれます。海外では早くもその作品評価が認められ、97年ロカルノ国際映画祭では、ジム・ジャームッショ監督『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(84)以来の長く、熱いスタンディングオベイションを受け、銀豹賞、主演女優賞ほか5部門を受賞しました。
主人公ステファンを演じるのは『ドーベルマン』(98)に出演しているロマン・デュリス。ロマとの心の交流を通じて成長していく青年を自然体の姿で瑞々しく演じています。フランスの若手監督セドリック・クラピッシュ、ヤン・クーネンも認める彼の演技は、この作品で一気に開花しています。情熱的なサビーナ役には、ガトリフに抜擢された新人ローナ・ハートナー。ロマの魂の叫びを情熱的な踊りで演じきり、97年ロカルノ国際映画祭主演女優賞を獲得しました。98年9月バラエティ誌(米)では“今後最も注目される俳優10人”に『スイートヒアアフター』(98)のサラ・ポーリーとともにあげられています。

ストーリー


パリから来た青年ステファン(ロマン・デュリス)は幻の歌姫を探してルーマニアを旅する。彼の唯一の手がかりはカセットテープに記された謎の名前ノラ・ルカとその歌声だった。そのカセットは彼の父が晩年繰り返し繰り返し聞いていたいたものだった。
ルーマナアの中央で、雪と風に凍え切っていたステファンは、ジマ(ジプシー)の村に降り立つ。そこで彼は老人、イジドールに出会う。彼はウォッカを飲みながら、息子を監獄に入れてしまった村の者たちを罵る。言葉が通じないステファンはノラ・ルカの歌を聴かせ、イジドールの反応をみる。2人はなみなみと注がれたウォッカを何杯も飲みながら歌い、笑い、一夜を共に過ごした。フランスの青年とロマの老人は友情で結ばれた。翌日、村中が動揺している。“イジドールのベッドに見知らぬ青年が寝ている。汚い、穴の空いた靴を履いたこの若いガッジョ・ディーロ=よそ者は誰だ。鶏どろぼうか、子供を誘拐に来たのか。”その中でもひときわ冷やかな目で見ているサビーナ(ローナ・ハートナー)の姿があった。イジドールは動揺を鎮め、説明を待っている者たちにこのフランスの青年は自分の友人で、ジプシーの言葉、ロマ語を学びにやってきたのだと自慢げに説明した。一方、ステファンは動揺している村人たちを見て、村を出ようとする。イジドールはステファンの出会いを息子とひきかえの神の送りものだと感じていたので、必死に彼をつなぎとめた。
村中が彼をもてなし食事をつくったり、泊めようとした。子供達は彼と一緒に遊ぶ。ステファンはイジドールと、演奏するために招かれた結婚式に連れて行かれた。踊り子としてサビーナも一緒だった。彼女はベルギーに住んだことがあり、唯一フランス語のわかる女性であった。村の人々と自然に溶け込むステファンの姿を見てサビーナは次第に心を開き、そして二人は引き合う。
やがてイジドールとサビーナのお陰でステファンは、念願だったテープの歌声の主を探し出す。しかしノラ・ルカは既にこの世になく、わかりに彼は現在のロマの歌声の録音を始める。その歌声は本当に心の痛みを感じた人々の恐怖や辛さを訴える魂の叫びであった。その後、ある事件をきっかけにステファンの中で何かが変り始めていく。ノラ・ルカを探す旅を通じて、ステファンが出会ったものは一体何だったのだろうか…。

スタッフ

監督・脚本・音楽: トニー・ガトリフ
撮影: エリック・ギシャール
美術: ブリジッド・ブラッサール
録音: ニコラ・ネジョレン
編集: モニック・ダルトンヌ
製作指揮: ドリュ・ミトラン
エクゼクティブ・プロデューサー: ギー・マリニヤンヌ
音楽: トニー・ガトリフ
音楽助手: ローナ・ハートナー
製作: ブランスフィルム

キャスト

ステファン: ロマン・デュリス
サビーナ: ローナー・ハートナー
イジドール: イジドール・サーバン

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