東京小説 人魚姫と王子
2006年/日本/カラー/28分/ 配給:バイオタイド
2007年6月2日よりユーロスペースにて期間限定レイトショー
公開初日 2007/06/02
配給会社名 0330
解説
ストーリー
他人に心を閉ざし、拒食症的な生活を送っている20歳の学生ナジュ(つぐみ)は、白い服しか着ない。それは「打算の関係=黒」に染まりたくないという、人間不審と拒絶の表れだった。
感情の入らないダーツゲームでその日デートする相手を決め、刹那的な関係で、孤独を埋め合わせているが、ひとときの優しさとセックスだけで「真実の愛」を与えてくれないメイサ(高良健吾)ら男友達はみんな「黒」とみなし、サイボーグのように無機的に接する。
バイト先の税理士事務所では女性社員、不倫関係の山科セリ(真中瞳)や所長(山川直人)に腫れ物に触るように扱われ、ますます孤立を深めていくナジュ。
そんなある日、いきつけのクリーニング屋のバイト学生、高瀬恒史(柏原収史)が、捨てようとしていたシミのとれない白い服を、美しい色に染めてくれたことで、彼女の心にかすかな火がともる。だが、彼は就職が決まりバイトをやめてしまう。そんな高瀬と映画館で偶然、再会したナジュ。
ただの「クリーニング屋のバイト」としか見ていなかった彼が、自分の拒食や白い服しか着ないことを心配し、色彩を勉強するうちにカラーリストという職業を選んだことに感動する。
心と色の間にある深い関係。
世界に心を閉ざし、白と黒しか見えなかったナジュは高瀬の深い思いやりに触れることで、自分を包む豊穣な感情の色に目覚めていくのだった。
傷つくことを恐れ、心を開かずに他者と接する現代の女の子たちにとって、自分の心を「開く」ことは愛のない性関係より遥かに恐怖が伴う。
心の眼に見える色彩という極めて映像的なモチーフによって、こうした心理に「愛」がどのように作用するかを問いかける。
スタッフ
脚本・監督:桜井亜美
撮影:尾道幸治
製作:松下洋平
音響:宮田睦子
照明:梅田のぶお
スタイリスト:相澤樹
(幻冬舎刊「MERMAID SKIN BOOTS」表紙など)
ヘアメイク:橘房図
編集:桜井亜美
編集協力:尾道幸治
撮影助手:佐藤圭
撮影協力:高原成博
製作協力:篠原一朗
音楽:salyu「landmark」「彗星」
柏原収史「ANSER」
ルルティア「愛し子よ」「トロイメライ」
キャスト
綾戸ナジュ:つぐみ
高瀬恒史:柏原収史
山科セリ:真中瞳
メイサ:高良健吾
所長:山川直人
亜由美:阿久根裕子
篠原:小林俊
ショップ店員:星川玲奈
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