ホリデイ
原題:The Holiday
人生に一度だけ、誰にでも運命の休暇がある
2006/12/22
2006年/アメリカ/135分/ユニバーサル映画&コロムビア映画提供/ Vista Vision/DTS,SRD,SDDS,SR/7巻 12,195ft : 3,717m/翻訳:古田由紀子 配給:UIP映画
2010年09月23日よりDVDリリース 2008年06月12日よりDVDリリース 2007年08月09日よりDVDリリース 2007年3月24日より日劇3ほか全国一斉ロードショー
(C)2006 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
公開初日 2007/03/24
配給会社名 0081
解説
◆アマンダとアイリス、ビバリーヒルズとロンドン郊外
すべてを交換する2週間。運命の休暇が今、はじまる ─
世界中で愛され、観る者を魅了してきたラブ・ロマンスが教えてくれたこと ─ 「恋することで人は変わるけれど、何かを変えることによって人は愛を受け止められるようになる」。ところが、変化を恐れて新しいステップがなかなか踏み出せない時、ドラマチックに背中を押してくれるのが、恋に破れ、使い古しの愛を捨てて旅に出ることだったとしたら……。男女4人が織りなす、洗練された大人のロマンスを描いた『ホリデイ』は、そんな恋物語の系譜に魅力的な1ページを書き加える作品。「もしあの時に失恋していなければ、新しい愛には出逢えなかった」 ─ そんな視点に立てば、きっとこれまでにないストーリーが見えてくる。今の自分をほんのひと時だけ忘れられる時間を与えてくれた運命の休暇。しかもそのバケーションのきっかけが<ホーム・エクスチェンジ>と呼ばれるものだったことが、想像もできない2つの出逢いを生み出していく。旅に出たのはキュートでチャーミングなキャメロン・ディアスとケイト・ウィンスレット。旅先で待っていたのはセクシーでエネルギッシュなジュード・ロウとジャック・ブラック。超豪華なキャスティングが今までにないシチュエーションで恋に落ち、鮮やかな2色のロマンチック・カラーで世界を虜にしていく。
<ホーム・エクスチェンジ>とは、条件の合う者同士が休暇中に家も車もそっくり交換すること。主にネット上でのコミュニケーションによって成立し、欧米では一般化していることもあって密かな注目を集めている。そして本作品は、2人の女性主人公が「今の私にとっては、見知らぬ土地へ行って環境を変えることが必要なの!」と思ったところからストーリーが始まる。
アマンダはハリウッドの映画予告編製作会社の社長。アイリスはロンドン郊外に住む新聞記者。順調に見える2人の人生だが、実はクリスマス直前だというのにそれぞれ恋に別れを告げていた。そんな時に見つけた<ホーム・エクスチェンジ>の休暇。成功を絵に描いたようなプール付き豪邸と、まるでおとぎ話のような田園風景のコテージを2週間だけ交換したアマンダとアイリス。そこで2人に訪れたのは予想もしていなかった心のときめき。アイリスは映画音楽作曲家のマイルズと出逢い、アマンダはアイリスの兄グラハムとハプニング。ところがマイルズは振り回されるだけの恋に悩み、グラハムも何かを隠しているような影がある。やがて刺激的でアバンチュールな恋と、気がついたら手をつないでいたような恋が、雪の舞うロンドン郊外と、太陽の光が降りそそぐビバリーヒルズで同時進行していくのだった……。
◆上質感漂う贅沢なアンサンブルキャストと、
チャーミングな恋愛映画の名手による<大人の遊び心>
ロサンゼルスからロンドンへと向かうアマンダを演じているのは、『シュレック』、『チャーリーズ・エンジェル』といった大ヒット・シリーズへの出演で、今やハリウッドNo.1女優の座を不動のものとしているキャメロン・ディアス。映画の予告編を作る才能には恵まれているのに、男女関係を作るのは上手くいかない ─ そんなキャリア・ウーマンの姿を、『メリーに首ったけ』の小悪魔的魅力と、『イン・ハー・シューズ』で見せた心の葛藤を融合させた演技で披露している。
まるで逃げるようにロンドンからロサンゼルスにやってきたアイリス役は、あらゆる映画史を塗り替えた『タイタニック』をはじめ、これまで4度アカデミー賞にノミネートされたケイト・ウィンスレットが演じている。思いを寄せていた男性の婚約に傷つき、環境を変えることによって過去を忘れたいけれど、彼からの再アプローチを拒否できない ─ 大女優の風格を感じさせる彼女が、揺れ動く女心を見事に表現している。
一方、旅先で待ち受ける“恋人たち”は、まったくタイプの違う2人の男優が顔を揃えている。アイリスの兄であり、ロンドンでアマンダと出逢うグラハムに扮するのはジュード・ロウ。『アルフィー』や、アカデミー賞にノミネートされた『リプリー』、『コールドマウンテン』と同様、女性を惹きつける色気を放ちながら、本作品では落ち着いた大人の円熟味も兼ね備えている。
『スクール・オブ・ロック』、『キング・コング』等、登場するだけで場面をさらってしまうほど圧倒的な存在感を持つジャック・ブラックは、アイリスの相手役マイルズを好演。純粋なラブ・ストーリーへの出演は少ないが、彼の愛すべきキャラクターがラブ・ロマンスでも十分に魅力的であることを証明している。
その他、『ゴッドファーザーPARTIII』、『ミスティック・リバー』のベテラン俳優イーライ・ウォラック。『サウンド・オブ・サンダー』等の俳優としてだけでなく、監督・製作・脚本も手がける才人エドワード・バーンズ。『レジェンド・オブ・ゾロ』、『トリスタンとイゾルデ』で深い印象を残したルーファス・シーウェルといった、いずれも主役級の俳優が豪華に脇を固めている。また、ある有名俳優がほんの一場面だけ顔を出しているが、それが誰かは見てのお楽しみ。
監督は『ハート・オブ・ウーマン』、『恋愛適齢期』のナンシー・メイヤーズ。女流監督らしく2組の恋愛関係に心地良いほど柔らかな視線を向けながら、恋する男女の繊細な心の動きを小さな仕草ひとつで絶妙に表現。また演出だけでなく脚本も手がけ、流れるようなストーリーラインの中に思わず頷きたくなるような名セリフを散りばめている。それはまるでメイヤーズ流の恋愛指南。集大成ともいえる作品を作り上げた彼女が、誰よりもこの物語を愛していることが伝わってくる。
ロンドン郊外とロサンゼルスの美しい風景を見事に切り取りながら、恋する心の機微を流麗なカメラワークで見せてくれる撮影は、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ、『アポロ13』のディーン・カンディが担当。物語の心象表現に欠かせない音楽は、『ライオン・キング』でアカデミー賞に輝き、最新作『ダ・ヴィンチ・コード』も記憶に新しいハンス・ジマーが手がけている。
ストーリー
ロンドンの新聞社に勤めるアイリスは、人生で最も惨めな瞬間を迎えていた。3年間も愛し続けてきた同僚のジャスパー(ルーファス・シーウェル)が、目の前で他の女性と婚約発表をしたのだ。2人の関係はとっくに終わっていたが、彼のことが忘れられずにいたアイリス。ひとり寂しく郊外のコテージに帰り、哀れな自分を思うと涙が止まらなかった。
ロサンゼルスで映画の予告編製作会社を経営するアマンダは、同棲中の作曲家イーサン(エドワード・バーンズ)とひどい別れ方をしていた。原因はイーサンの浮気だったが、恋愛に不器用なアマンダにも問題があった。彼女は怒りにまかせてイーサンを家から追い出したものの、そんな恋人との別れにも涙すら流せないでいた。そして ─ 。
9,600キロ離れたロンドンとロサンゼルスで、見ず知らずのアイリスとアマンダがパソコンの前に座っていた。最悪の状況を抜け出すための旅に出たいと考えていたアマンダが、アイリスの出した“貸しコテージ”の広告を見つけたのだ。2人はパソコンを通じて話し合い、<ホーム・エクスチェンジ>をすることに。それは条件の合うもの同士が、お互いのバケーション中に家も車もすべて交換するというもの。環境を変えることは、今の2人にとって願ってもないことだった。
●アマンダの場合 ─
ロンドン郊外のコテージに到着したアマンダの頭には、職業病で映画のナレーションが流れていた。「アマンダはすべてを手に入れていたが、この休暇には足りないものがある」。そして静かすぎる夜を迎えた時、突然の訪問者がやって来る。アイリスの兄グラハム(ジュード・ロウ)だった。初対面にもかかわらず、アマンダはグラハムに恋を終わらせたばかりなことや、かつてないほどの孤独に襲われていることを告白。そして気持ちが高揚するのを感じながらキスを交わし、やがて……。これこそバカンスで起こるハプニング。一方のグラハムもアマンダに心惹かれていくのだった。
翌朝、グラハムの携帯電話が鳴る。それは“ソフィ”という名前の着信。グラハムには彼の人生があり、アマンダは滞在2日目にして早くも元の生活に戻る決意をしていた。その時、再びナレーションが聞こえてくる。「求めていたわけではないが、愛が彼女をとらえた」と……。そしてその夜、ロスに帰るはずだったアマンダは、グラハムの行きつけのパブへと足を向けるのだった。
次の朝、再びグラハムの携帯が鳴る。今度の着信は“オリヴィア”から。彼は単なるプレイボーイなのだろうか? 2人は“夜を共にした後の初デート”に出かけ、お互いに自分の人生を語り合う。しかし恋人同士のように戯れてはいたが、アマンダは恋することに自信を失っていた。
「アマンダはいつも男と距離を置こうとする」というナレーションを振り払った彼女はグラハムの自宅を訪ね、そこで意外なものを見せられる。2年前に離婚したグラハムには、ソフィとオリヴィアという2人の子供がいたのだ。「他人が自分たちの生活に入ってくることが怖かった」というグラハム。アマンダはショックを受けながらも、今までとは違う一面を見せる彼とその子供たちを受け入れている自分に気づく。ロンドンとロスの“遠距離恋愛”が上手くいくとは思えなかったが、2人にとって一番の問題は、すでに本気で愛し合っているということだった……。
●アイリスの場合 ─
ロスでバカンス気分を満喫しているアイリスの元を、アマンダの仕事仲間だというマイルズ(ジャック・ブラック)が、恋人のマギー(シャニン・ソサモン)と共に訪ねてくる。少しエキセントリックだが、人の良さそうなマイルズ。それがアイリスにとって大切な出逢いになろうとは……。
今までの自分を忘れられそうだったアイリスを再び過去に引き戻したのはジャスパーからの電話だった。アイリスにひどい仕打ちをしておきながら、仕事のことでは都合のいいように彼女を頼ってくる。そんなアプローチを断りきれない自分を悔しく思っていたアイリスに、2つ目の出逢いが訪れる。かつてハリウッドの有名な脚本家であった老人、アーサー(イーライ・ウォラック)だった。アーサーは数々の名セリフを生み出してきただけあって、アイリスのことを映画に例えて励ましてくれる。「映画の中には主演女優とその親友がいる。君は主演女優のはずなのに、なぜか“親友役”をやっている」 ─ アイリスはそんな言葉に心を打たれるのだった。
「カリフォルニアに“サンタアナの風”が吹くと何かが起こる」とマイルズが語った通り、アイリスの周りには見知らぬ土地でできた友人たちが集まって賑やかになってきた。アーサーが脚本家協会から表彰されるための準備やマイルズとの交流を通して、彼女の中で何かが変わろうとしている。特にマイルズと過ごす時間がかけがえのないものに思えてきたが、彼にはマギーという恋人がいる……。ところがマギーは、マイルズに隠れて他の男とデートをしていたのだ。「叶わないと知りながら恋に落ちてしまう」 ─ アイリスとマイルズは似た者同士なのだった。お互いの心を慰め合いながら、2人の距離は急接近。しかしアイリスは「愛してる」の一言がどうしても言い出せなかった。
マイルズがマギーを忘れられないのと同じく、アイリスもジャスパーに心を残していた。そんな彼女の前に何とジャスパーが現れる。はるばるロンドンから会いにきた自分を許してほしいと語るジャスパーに、アイリスの心は大きく揺れ動くのだった……。
スタッフ
監督・脚本:ナンシー・メイヤーズ
製作:ナンシー・メイヤーズ、ブルース・A・ブロック
製作総指揮:スザンヌ・ファーウェル
撮影:ディーン・カンディ,ASC
プロダクション・デザイン:ジョン・ハットマン
編集:ジョー・ハッシング,ACE
衣装デザイン:マーレーン・スチュアート
音楽:ハンス・ジマー
キャスト
キャメロン・ディアス
ケイト・ウィンスレット
ジュード・ロウ
ジャック・ブラック
イーライ・ウォラック
エドワード・バーンズ
ルーファス・シーウェル
ミフィ・イングルフィールド
エマ・プリチャード
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