原題:Mauvaises frequentations

15才、愛があればなんでもできる!!

2000年フランス映画祭横浜正式出品オープニング作品

1999年10月20日フランス公開

1998年/フランス映画/1時間38分カラー/ドルビーSRD&DTS 後援:フランス大使館 サウンドトラック:ヴァージン 協力:Garcia Marquez 提供:ニューセレクト 配給:アルバトロス・フィルム デザイン:フィッシュ・デザイン

2001年8月3日DVD発売/2001年8月3日ビデオ発売&レンタル開始 2001年2月17日よりシネマカリテにてお正月第弾夢見るロードショー

公開初日 2001/02/17

公開終了日 2001/03/30

配給会社名 0012

公開日メモ 15歳の少女デルフィーヌにとって、‘愛'とは恋人を喜ばせるために自分を犠牲にすることであり、それはまるで魔法のように自分を変えるきっかけになると信じていた。この幼くも一途な想いがやがて彼女の運命を危険な方向へと向かわせることを知る由もなく...。

解説


「1日5人、計400人の男と関係を持てば、夢が叶う…」
15歳の少女デルフィーヌにとって、‘愛’とは恋人を喜ばせるために自分を犠牲にすることであり、それはまるで魔法のように自分を変えるきっかけになると信じていた。この幼くも一途な想いがやがて彼女の運命を危険な方向へと向かわせることを知る由もなく…。
この衝撃的なストーリーは、91年にパリ郊外で実際に起こった少年少女たちの事件を監督が新聞の三面記事で発見し、映画化したものである。映画の中に登場する若者たちも、皆それぞれが先の見えない将来に対する不安や、家庭環境の問題などなんらかの悩みを抱えて生きている。現実から逃げられなくなり、希望を失いかけ、時には自暴自棄になりながらも試行錯誤していく様子は、そのまま現代のティーンエイジャーの姿なのである。そして無秩序な同世代の若者や、むなしさの漂う大人の世界に対するただ一つのデルフィーヌの答えは、自分を差し出すという性的犠牲の精神であった。理想べの渇望、脱出への憧れ、永遠の愛という幻想…これらは、病みきった現代におけるキーワードであり、本質的な価値への回帰という意識の現れでもある。
すべての登場人物が犠牲という意識のもとに繋がっており、エゴイズムがはびこる今の時代においては、彼らの結びつきが美しくさえ思える。若者たちをいきいきと、あまりにもリアルな等身大の姿で描ききったこの作品は、『なまいきシャルロット』以来最良の青春映画と絶賛され、同世代の若者を中心に絶大な支持を得て、観客動員数がフランスだけで40万人を記録する大ヒット作品となった。
同時にこれはデルフィーヌという少女を通して見た、ティーンエイジャーの成長物語である。誰もが一度は経験する思春期の悩みを経て彼女は大人になっていく。彼らが企てた危険な計画は、一度はデルフィーヌを絶望の淵に陥れるが、そこからもっと大切なこと、自分にとって本当に必要なものを見出していき、無垢な一人の少女は徐々に意志をしっかり持った’女’へと変貌していくのである。
そして愛することで裏切られた彼女を最後に救うのはやはり愛であり、それがこの映画に希望の光と爽やかさを与えている。
主人公の少女デルフィーヌを体当たりで演じたのは、2万人の中から選ばれ、この作品がスクリーン・デビューとなるモード・フォルジェ。
この衝撃的なデビューと演技力が批評家に絶賛され、ソフィー・マルソーやヴァネッサ・パラディなど数々のロリータ・アイドルを世に送り出してきたフランスの新星として、今後の活躍が最も期待される女優の一人である。
大人びた友人オリビアを演じるのは、歌手として、女優として世界的に有名なジェーン・バーキンと『ボネット』の名匠ジャック・ドワイヨンの娘であり、モデルとしても大活躍のルー・ドワイヨン。恋人ロランには名優ジャン・フランソワ・ステヴナンの息子であり、本作でセザール賞有望若手男優賞にノミネートされた若手のホープ、ロバンソン・ステヴナンと次世代のフランス映画界を担う若手俳優たちが競演したのも大きな話題となった。
また『すべての道はローマヘ』等数々の名作に出演した往年の大女優ミシュリーヌ・プレールなど名優が脇を固めているのも見所の一つである。
監督はこの作品が3作目となるジャン=ピエール・アメリス。『デルフィーヌの場合』について、「単に社会学的な関心を呼ぶ三面記事の事件としてではなく、常識を越えた愛のパッションの物語として描きたかった」と語る。
思春期の性という難しいテーマを、それぞれの役者にいきいきと演じさせ、彼らの持つ魅力を最大限に引き出すことに成功している。
プロデューサーは、『フォー・ウェディング』『ユージュアル・サスペクツ』などの作品をヨーロッパにて配給した後、90年代にはいって『パパと呼ばないで』『八日目』など数々をプロデュースするフィリップ・ゴドー。
主題歌”WHERE I’M HEADED”を歌うのはノルウェー出身の女性歌手レネ・マーリン。デビューアルバム「Playing my Game」が日本でもゴールドディスクとなり、その後も世界中でスマッシュヒットを飛ばし続ける19才の期待の新星。

ストーリー



デルフィーヌ(モード・フォルジェ)はまじめで内気な15歳。母は画廊勤め、父は医者という堅い両親の間で少し窮屈さを感じながら暮らす毎日。
ある新学期の朝、一人の転校生と出会う。彼女はオリビア(ルー・ドワイヨン)。とてもハデでクラスでもはみだし気味な存在。しかし、デルフィーヌにとっては自由奔放で少し大人びたオリビアは憧れであり、気になる存在だった。
ある日「大人になるとは?」という作文のテストでクラスで一人高得点を取ったオリビア。彼女の作文は「大人になんてなりたくない、夢を見なくなるから。人生には可能性があると信じていたい。やがて、夜明けが来るように…。」と。デルフィーヌは強く心を打たれた。放課後、彼女がよく行くカフェヘ「すばらしい作文だったわ」と打ち明けにいくが、オリビアはお嬢様の戯言だと相手にしない。
デルフィーヌは家に帰り、オリビアに宛てた手紙を書いた。手紙を受け取ったオリビアは彼女が自分と精神的に同じ匂いがすると感じ、自分の分身とさえ感じてしまう。オリビアは母親と二人で暮らしていること、父親は母を捨て再婚したこと、そして恋愛やセックスのことなどを話した。
じっと聞き入るデルフィーヌ。二人は程なく意気投合した。その日、デルフィーヌは初めて万引きを経験。そんなスリリングな体験がほんの少し自分の殻を壊した。
オリビアは「今度の週末の夜にクラブへ行かない?」と誘う。親が心配するかもとデルフィーヌは迷うが両親をなんとか説得。そしてオリビアの部屋で初めて彼女の姉が自殺したことを知る。
その夜、デルフィーヌは初めてクラブへ足を踏み入れる。そこは今までに自分の中で存在すらなかったエキサイティングでスリルのある場所だった!戸惑い気味ながらも自分が少し大人になった気がし満喫する。
オリビアは目が合ったアラン(マキシム・マンスィオン)と踊りに行ってしまい、少し退屈気味になったデルフィーヌの元へクラブ内で彼女とケンカをし、腹いせに声をかけてきたのは、ロラン(ロバンソン・ステヴナン)というちょっぴりワルっぽい少年だった。
デルフィーヌはそんな彼に一目惚れしたのだった。皆が踊り狂う中、デルフィーヌはロランと初めてのキスをした。
それを見たロランの彼女は激怒。ロランは彼女の後を追う。キスの余韻に酔いしれ、ふと我に返ったデルフィーヌの元から彼の姿はなくなっていた。
次の日、昔からの男友達ジュスタン(シリル・カニャ)と映画を見に行くが、ジュスタンが映画について熱弁をふるう中、彼女の頭の中は昨夜出会ったロランの事でいっぱいだった。ジュスタンに昨日会った男の子が好きになったと打ち明ける。
彼は「愛しているんだね」と複雑な心境で帰路に着いた。翌日、オリビアがアランとロランは親友でロランの兄の家で大晦日の日、新年のパーティに二人が招待を受けたことを話す。もちろんデルフィーヌの両親の説得役を買って出たオリビア。そのかいあって無事にパーティに出席する。彼女にフられたロランをそっと慰めるデルフィーヌ…。いつしか二人はお互いに惹かれあっていったのであった。
ある日、Wデートで偶然アランとロランが夏休みにジャマイカへ旅行へ行く計画をしていることを聞く。
そんな中、遂にデルフィーヌとロランは結ばれる。どんどん彼への恋心を募らせ深みにはまるデルフィーヌ。だが、彼はそんな彼女の重い恋心に戸惑い、逆に利用してやろうと目論んでいくのだった。そんなロランの思いなど知る由もない彼女はオリビアをも巻き込んでとんでもない青春のクライマックスヘと階段を転がり落ちていくのだった…。

スタッフ

製作:フィリップ・ゴドー/アラン・サルド
監督:ジャン=ピエール・アメリス
脚本:アラン・ライラック
撮影:イヴ・ヴァンデルメーレン
美術:ジャン=ピエール・クレシュ
衣装:ミック・シュミナル
音楽:ヴァレリー・リンドン

キャスト

モード・フォルジェ
ルー・ドワイヨン
ロバンソン・ステヴナン
マキシム・マンスィオン
シリル・カニャ

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