さて、ボクの本当の目的は何なんでしょう?

2000年/デジタル・ビデオ/カラー+モノクロ/79分 製作協力:ボノボ/製作:シネロケット+日本トラステック 配給:シネロケット

2004年11月17日よりDVD発売開始 2002年06月19日よりDVD発売開始 2002年6月14日ビデオレンタル開始 2001年1月20日よりシネマ・下北沢で公開

公開初日 2001/01/20

配給会社名 0036

公開日メモ 縦横に張り巡らされた罠。あちこちに仕掛けられた事件の布石…『月とキャベツ』、『洗濯機は俺にまかせろ』、『はつ恋』の篠原哲雄監督がモノクロとカラーで描く、快心のサイコ・サスペンス。

解説


自殺が相次ぐある団地。そこに住む主婦、スミレの家に、張り込み担当の刑事がやってきた。最近マスコミを賑わせている、駅やホームセンターの爆発事件のエリアがこのあたりに移ってきているという。その犯人が、どうもスミレの住むマンションの向かいの棟に潜伏しているという話なのだ。張り込みにはこの部屋の立地が最適だという。警察手帳を見せられ、仕方なく中に通すのだが…

饒舌、強引、無神経な上、とても張り込みしている様には見えない刑事の態度に不快と不安が増大するスミレ。逃げても避けてもどこまでも視界に入ってくるこの男は本当に刑事なのか?それよりこの男の目的は本当に「張り込み」なのか?
縦横に張り巡らされた罠。あちこちに仕掛けられた事件の布石…『月とキャベツ』、『洗濯機は俺にまかせろ』、『はつ恋』の篠原哲雄監督がモノクロとカラーで描く、快心のサイコ・サスペンス。

殺人は謎じゃない。謎なのは、この男の目的だ。

追い詰められる主婦、スミレを演じるのは、「天までとどけ」(TBS)の長女役で人気を獲得した若林しほ。秘密を抱えながらも一見平凡に暮らしている主婦を、繊細かつ大胆に、身体一杯に演じる表現力は圧巻。スミレを追い詰める張り込み刑事、古岡には、京都の人気劇団M.O.P.の主力俳優であり、多数の舞台で演劇界に名を馳せる小市慢太郎が扮し、息苦しさと圧迫感をスクリーンに充満させる様は見もの。そして物語の鍵となる、スミレと関係を持ったサラリーマン、荒川に東の小劇団のプリンス、堺雅人。『火星のわが家』『ひまわり』に続く待望の映画出演となる。

ストーリー



ある団地に住む主婦・スミレ(若林しほ)の家に、張り込み担当の刑事、吉岡(小市慢太郎)がやってきた。最近マスコミを賑わせている、駅やホームセンターの爆発事件のエリアがこのあたりに移ってきているという。その犯人が、どうもスミレの住むマンションの向かいの棟に潜伏しているという話なのだ。振り込みにはこの部屋の立地が最適だという。警察手帳を見せられ、仕方なく中に通すスミレ。
「椅子をお借りできますか?」「ここ禁煙ですか?」「あの一、ビールあります?」「勝手に頂いちゃいました」———刑事は注文が多い。
「スミレさん、外でした事ってあります?」「旦那のいない間に、人妻と車のセールスマンなんかがね…」「ご主人ってほんとにいらっしゃるんですか?」……スミレは、自分のテリトリーに上がり込んできた、饒舌かつ無神経な吉岡にやり場のない憤りを感じ始める。
暗くなっても帰る気配のない吉岡は、任務の遂行上、24時間体制で見張らないといけないという。相棒もいなければ無駄口ばかりきいているこの男が、なんで泊まってまで「張り込み」しなければならないのか。吉岡をこのまま放置して家を出るにも出れないし、相手にするにはあまりに労力が要る。仕方なしに泊める事になったが、スミレの寝室に侵入した上、赤外線ビデオまで回す。しかし、何よりスミレが不愉快なのは、団地で起こったある事件の話題を頻繁に振ってくることだった。1年前、英会話教材のセールスマン、荒川(堺雅人)がこのマンションの一角から飛び降り自殺した話である。

吉岡の存在に耐えかねたスミレは、彼をなんとか誘き出してベランダに閉じ込めることに成功する。困惑する吉岡をそのままに、本当にこの男が刑事なのかどうか、正体を調べにかからねばならない。しかし、閉じ込めたはずの吉岡は、今、戸外で、紛れもなく自分の視界に写っている。存在を忘れたくても否応無しに視堂に聴覚に飛び込んでくるこの男は一体…?
もはや「他人」とは呼べないところまで、2人の距離は近づき過ぎていた。そして吉岡は、スミレのことを知り過ぎていた。「スミレさん、あんた荒川の子供いたんでしょ?」「荒川さんが落ちたのって丁度その辺りでしょ。ほら、スミレさんのベランダの…丁度真下」…管轄の青葉署に、「吉岡」という刑事はいなかった。

実は、吉岡は1年前、この事件で鑑識係を務めた男だった。荒川の現場は、自殺と見るには不可思議な点が多すぎた。検死で大量の睡眠薬が検出されたこと。死亡推定時刻には、旨睡状襲であったこと。そして現場に1番にかけつけた彼は、野次馬に混じって死体を覗き込んでいるスミレの、憎しみに満ちた顔を見て、確信した———。
しかし、吉岡はこの鑑識を報告しなかったのだ。

スミレの過去を執捌に追い詰めた吉岡。そして今、物理的に、精神的に、接近し過ぎているこの男…。一体、この男の目的は何なのか?

1、スミレを荒川事件の真犯人として逮捕したい。
2、欲望に任せてスミレをレイプしたい。
3、このままスミレが餓死するまで撮影し続けたい。
4、そのどれでもない。…………さあ?

スタッフ

監督:篠原哲雄
脚本:豊島圭介
音楽:村山達哉
製作:斎藤晃・遠藤久典
プロデューサー:笹岡幸三郎・中島進・荒川礼子
企画:成田尚哉
企画協力:松岡周作
原作:華倫変(講談社)
アソシエイトプロデューサー:菊田昌史
キャスティングプロデューサー:水永久美子
撮影:上野彰吾
Bカメラ撮影:感の宏彰
撮影助手:杉村慶
照明:赤津淳一
録音:廣瀬武彦
美術:稲垣尚夫・相田敏春
持道具:作田一子
スタイリスト:花谷律子
メイクアップ:百瀬広美
助監督:武正晴・河合勇人・ちろ瀬千比呂・金子裕美
製作担当:土本貴生
製作主任:前村祐子
製作進行:村田亮
スチール:平野晋子
編集:中村靖日
効果:岡瀬晶彦
演奏:加藤道明(ギター)
桑原幹子(ヴァイオリン)
村山達哉(ビオラ)
礒江俊道(シンセプログラミング)
音楽製作:加藤敏樹

キャスト

一宮スミレ:若林しほ
吉岡タスク:小市慢太郎
荒川ヤスオ:堺雅人
伊藤ヨシコ:榊ゆりこ
隣人の主婦:木村つかさ
向かいの主婦:伊沢麿紀
溝口康彦:伊藤洋三郎

伊藤俊輔
上野清隆
加藤勝正
荒居光夫
阪本葵

SPECIAL THANKS
田中要次
森下能幸
山中聡
留美
中村ゆう子(bayfmマジカルパッセージ)

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