2000年/デジタル・ビデオ/カラー/84分 配給:シネマロケット

2002年1月11日ビデオレンタル開始 2001年3月17日よりシネマ下北沢にて公開

公開初日 2001/03/17

公開終了日 2001/04/13

配給会社名 0036

公開日メモ あらゆるジャンルで撮り続け、今、日本で一番多忙な映画監督・三池崇史が贈る爆弾級の超・問題作かついに登場!!

解説


家庭内暴力の息子は外では虐められっ子。家出した娘は援助交際で食いつないでいる。息子に怯え、愛に飢えた母は薬物で俗世の憂さと痛みを忘れ、キャスターを降板させられた父は息子のいじめの現境をドキュメンタリーに撮り、現役復活を目編んでいる…。そんなめちゃくちゃな家庭に謎の男がやってきて同居することに。が、この男の出現で家族4人の頭に.身体に、異変が・・・?!
あらゆるジャンルで撮り続け、今、日本で一番多忙な映画監督・三池崇史が贈る爆弾級の超・問題作かついに登場!!

父・山崎清は『月はとどっちに出ている』『ドッグス』『金融腐食列島・呪縛』『歯科医』の遠藤憲一。あの顔力と眼力はもちろんのこと、エンケン全身から漲るパワーは圧巻。切れ長の眼に湛えた哀愁と狂気はつい芝居だということを忘れさせる…そして妻・恵子役には漫画家・小説家として熱狂的なファンをもつ内田春菊。『顔』で見せた色気とは打って変わって尋常でないくたびれ感と安ッぽい生活感を見事表現、その変貌振りには自を見張るものが。また彼女ならではの「水芸」は必見である。そして謎の男・秀臣に『19』で一躍世界の映画祭の注目を集めた若手映画監督、渡辺一志。挙動不審な役柄の上、居るだけでどこか愉快な存在感と独特の飄々とした持ち味が謎メキ度を増している。また女子高生の娘・美貴を不二子が小悪魔ぶりたっぷりに演じ、『FULLMETAL極道』の中原翔子、『アンラッキー・モンキー』の鈴木一功が脇を固める。皆が皆体当たりの力強さに、もう目が離せない!!!

目を疑う特撮的シーンに驚愕の嵐!生生しいカラミに生唾の滝!荒唐無稽な話なのにこんなにもリアルなのは何故?くるくる回るカメラ、躍動感溢れるタッチ。気だるく雑多で生々しく溢れ出る生活感、醜い現実と鮮やかな映像表現がごちゃまぜになって狂ったように疾走し脳味噌をフッ掻き回す84分!

ストーリー


とあるラブホテルの一室。「やめなさい」と口では言っているものの、しっかり勃っている自分が悲しい。挑発する眼前の女子高生に狂ったように貪り付き、無我夢中で歓喜の声をあげているのは元・ニュースキャスターの山崎清(遠藤憲一)。援助交際する今時の女子校生の姿をドキュメンタリーに撮るつもりだったのだが…。
家では足の不自由な母・恵子(内田春菊)が黙々とジグソーパズルに耽っている。息子の卓弥(武藤洵)は何かにつけキレまくり、愛用の布団タタキを振り回して荒れ狂う。「かっ、顔だけはやめてください!」絶叫する恵子。恵子の身体は虫蚯蚓腫れと痣だらけだ。息子の暴力、夫の不貞、体中の傷の痛み…全ての苦痛から開放されたくて、恵子は客をとってはクスリを打つ。母を
投げ飛ばし、あと少しで完成しそうなパズルを破壊して荒々しく自分の部屋に戻る卓弥。外から呼び声がして窓を覗けば、罵声と一緒に爆竹や花火が炸裂しながら飛び込んでくる。今日も部屋の隅にうずくまって震えるばかり…外では思いっきり虐められっ子なのだ。
一方、家出した娘の美貴(不二子)とホテルで予想外の展開になってしまった山崎は、帰り道、突然背後から石で頭をカチ割られた———その晩1人の若者を連れて帰宅する。「この人は私の友達だ。しばらくこの家に住む」どうやらそういう記憶になってしまったらしい。こうして頭をカチ割った男、秀臣(渡辺一志)は、崩壊寸前の山崎家に住みつくことになる。

夜のニュース番組には、昔愛人だったキャスターの麻子(中原翔子)が映っている。あんな失態さえなければ、本当は自分もこの隣に映っているはずだったのに…。山崎は涙ながらに思い出す。以前、路上にたむろする若者にマイクを向けるも取り押さえられ、恥を晒して降板した番組だ。何とか再起復活を図りたかった。
その翌朝。出勤途中の山崎は息子のいじめの現場を発見し、あるアイデアか閃く——虐められている息子とそれを追う実父の真実の姿。これぞ再起復活を図る迫真のドキュメンタリーだ…!
——そう確信した山崎は、その光景をビデオに収録し始める。
一方恵子は、秀臣に優しく頭を撫でられ抱き締められて、身体がみるみる変化していくのを感じていた。クスリではない、真の開放を知った恵子は、愛の歓びへと目覚めていく…。

山崎は引き続き「真実の虐め」を取材するべく、卓弥が虐められている現場付近に車を停め、麻子を口説く。彼女にこのレポーターをさせ、危険なところで止めに入る魂胆なのだ。麻子は付き合い切れず車を降りるが、逆ギレした山崎は麻子を追いかけ押し倒し、今までの恨み辛みを吐き出しながら無我夢中で凌辱してしまう。いつのまにかその光景は<美人キャスターをレイプし絞殺>というドキュメンタリー収録へと様相を変え、秀臣が回すビデオカメラに向かって叫ぶ山崎の姿が。「息子に対する取材を通じて、父である私が何を感じているのか。今、やっとわかりました。怒りでもない、悲しみでもない。アソコが感じてしまったんです」元気いっぱい死姦する山崎。死後硬直を生命の神秘と勘違いし、興奮して腰を振るそのうちに、麻子の身体は締まり続け、山崎と結合したままついに抜けなくなってしまった…!

一方、秀臣と出会って愛に目覚めた恵子は、どこからともなく聞こえた夫の叫び声を聞きつけ、一目散に飛び出して行く。
死体にハマった夫を手際良く浴槽に運び入れ、身体を軟らかくさせるため酢浸しにする恵子。山崎にいつものクスリを1本打ってあげると、みるみる機嫌が良くなり痛みが引いていく様子だ。恵子の必死の介抱で見事死体から離脱した山崎は、頼もしい妻の姿に心を打たれる。いよいよ2人は手と手をとり合い、虐められる息子を、家出した娘を救出するため、そして何よりも家族の絆を取り戻すため、夫婦一丸となって立ちあがる…!!!

スタッフ

監督:三池崇史
製作:斎藤晃・遠藤久典
プロデューサー:中島進・荒川礼子・小林誠一郎
アソシエイトプロデューサー:菊田昌史
ラインプロデューサー:杉浦敬
脚本:江良至
撮影:山本英夫
録音:小原善哉
美術:仰木豊
音楽:遠藤浩二
音響効果:柴崎憲治
編集:島村泰司
整音:白取貢
監督助手:安達耕平・清水匡
撮影助手:鈴木次郎
録音助手:小松崎永行
装飾:竹内洋平
スタイリスト:宮田弘子
ヘアメイク:高森優子
スチール:平野晋子
エンディングテーマ:水のあぶく
アーティスト:リアルタイム/作詞:葛西つぐみ/作曲:池田龍治
音楽協力:メディアム(CINEMA MONSOON)

製作:シネロケット十日本トラステック
制作協カ:アルファヴィル

キャスト

山崎清:遠藤憲一
山崎恵子:内田春菊
秀臣:渡辺一志
村田麻子:中原翔子
山崎美貴:不二子
山崎卓弥:武藤洵
佐々岡:鈴木一功

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