原題:Body Shots

1999年10月22日全米公開

1999年/アメリカ/106分/DTS , Dolby Digital , SDDS/ 配給:日本ヘラルド映画

2000年11月18日(土)よりシャンテシネにてロードショー 2001年4月18日DVD発売/2001年4月18日ビデオ発売

公開初日 2000/11/18

配給会社名 0058

公開日メモ 「スクリーム」「ラストサマー」など、ハリウッドの若手俳優を起用した作品が次々とヒットを飛ばす中、同じく若手俳優を起用しながらも、あまりの過激な描写と衝撃的な内容で全米にセンセーションを巻き起こしたのがこの「ボディ・ショット」である。

解説


「スクリーム」「ラストサマー」など、ハリウッドの若手俳優を起用した作品が次々とヒットを飛ばす中、同じく若手俳優を起用しながらも、あまりの過激な描写と衝撃的な内容で全米にセンセーションを巻き起こしたのがこの「ボディ・ショット」である。ロサンゼルスというきらびやかな大都会に暮らす8人の男女の性を通して孤独感や愛の渇望、傷つくことへの不安など人間の複雑でデリケートな感情を赤裸々に描き出し、現代の若者の姿をまさに等身大に描き出した問題作である。
一夜の楽しみを求め、L.A.のナイトクラブへ向かう8人の男女。そこには、女を口説く為の飲み物「ボディ・ショット」と過激なダンスが待っている。若さゆえの好奇心が8人を引き合わせ”セックス”という欲望が彼らを飲み込む。そんな中一組のカップルがデイト・レイプにまで発展した…。
翌朝になり、それぞれが自分たちの行動を振り返る。そこにはアルコールのために曖昧になった記憶と取り返しのつかない事実だけが刻み込まれていた。責任の無いカジュアルなセックスを望む一方、強い孤独感を抱え、本物の愛を渇望する現代の若者たちの姿は、一見相反したもののように写るが、実は表裏一体である。この作品の魅力は、彼らのそのジレンマをインタビュー方式という独自の手法で精密にかつリアルに表現しているところにあるといえる。そのリアルな姿勢が観客の感情に距離を置かずストレートに響く。加えて、8人それぞれのキャラクターを、批判的にも同情的にも描かず、常にニュートラルな視点で捕らえようとする監督の姿勢は全米批評家からも高い評価を受けている。
本作で描かれた8人の若者は決して例外的な存在ではない。“愛し愛される”ことの難しさは普遍的なテーマであり、日本でも社会問題化する事件にもなっている。情報に溢れ、日々めまぐるしく変化する時代の波が次々と押し寄せる現代社会だからこそ誕生した恋愛映画なのである。
また〈恋愛とセックス〉というテーマは、日本のジャーナリズムにおいても、真摯な「セックス特集」が若者たちに多く支持されていることからも判るように、現代社会を語る上で最も欠かせない主題の一つとなっている。「アメリカン・ヒストリーX」の脚本家として衝撃的デビューを飾ったデヴィッド・マッケンナならではの着眼点といえよう。
監督はピュリツァー賞受賞経験をもち、俳優、脚本家としてもマルチな才能を発揮している、マイケル・クリストファー。脚本家として手掛けた「恋におちて」(84)「虚栄のかがり火」(90)など一つの出来事を通して人間の心の奥にある複雑な感情を巧みに表現する手法はこの作品の中でも存分に生かされている。脚本は、上記の通り、今年日本でも公開され、若者たちに衝撃と感動を与えた「アメリカン・ヒストリーX」(98)の脚本家デヴィッド・マッケンナ。弱冠28歳にしてその才能を広く世界に知らしめた彼が、今度は欲望の街L.A.を舞台に新たなるセンセーションを巻き起こす。
また幅広い演技に定評のあるハリウッドスター、マイケル・キートンが製作総指揮として手腕を振るっている。キャストには、アメリカのTVドラマ等で活躍中の若手スターが一挙に名を連ねる。「スタンド・バイ・ミー」(86)でデビューを飾るも、一旦学業に専念、「ザ・エージェント」(96)「スクリーム2」(97)で再びカムバックしたジェリー・オコネル。「アメリカン・パイ」(99)でのキュートな演技で日本でもブレイクの兆しのあるタラ・リード。「パウダー」(95)で高い評価を受けた実力派俳優ショーン・パトリック・フラナリー。インディー系の映画やTVでの活躍で注目を浴びるロン・リビングストンなど今後に期待のかかる俳優陣が勢ぞろいした。
過激な言葉使いや、リアルなセックス描写など、作品のいたる所で観客の興味をそらさない演出が施され、そこに潜む彼らの深意が巧妙に見え隠れする。「ボディ・ショット」は、間違いなく日本でも衝撃を巻き起こすだろう。

ストーリー


 降りしきる雨の中、一台の車かハイウェイを走る。激しい雨に視界をふさがれ、運転していたサラは危うく事故を起こしそうになる。ボロボロの下着姿で体中は痣と傷たらけのサラは、自分の身に起こったことを振り返り嘔吐する。恐怖と不安か彼女を襲い、涙が降りしきる雨のように頬をつたう。
そして再び車を走らせたサラは親友ジェーンの家に向かうのたった。 同じ頃、ジェーンとリックはベッドの上で目を覚ます。昨夜クラブで知り合った2人は意気投合しジェーンの家にたどり着いたのだった。アルコールで曖昧になった記憶をたぐりよせ、2人はセックスせずに眠りについたことを思い出す。互いの名前すらも思い出せない自分達に苦笑いし、初対面のように話し始めたその時、激しくドアを叩く音とともにずふ濡れのサラか姿を現す。変わり果てた彼女の姿に驚いた二人は、錯乱し泣き叫ぶサラを必死でなだめ、何が起こったのか聞こうとする。悲痛な叫びをあけるサラだったがやがて、自分か暴行されレイプされたという衝撃の台詞と共にその場に崩れ落ちてしまった。

 事件は昨夜にさかのぼる。サラ、ジェーン、エマ、ホイットニーはLAで最もヒップなクラブに繰り出す。待ち合わせをしたジェーンの家で自分達のセックスについて、男について、恋愛について大胆に、赤裸々に語り合う4人。最新のファッションに身を包み、オープンカーに乗り込み、チャンスと好奇心を胸に秘め夜のLAへと出発する。
一方、マイク、リック、ショーン、トレントもクラブへ向かっていた。景気付けにショットバーに立ち寄り酒をあおる。そしてウィスキーを片手に自分達のセックスについて、女について、恋愛について語り合い、これから起きる出来事に大いに期待と欲望を膨らませていた。マイクたちかクラブヘと足を運ふと、すでにダンスフロアではサラたちか踊っていた。階段の上から体をくねらせ踊る彼女達を眺め、男達の興奮は更に膨れ上がる。彼らの視線に気づいたサラ達も彼らと視線を絡み合わせる。
魅惑的なまなざしを向け互いを意識し合うマイク達。そして体と体か密着するほど、多くの若者かひしめき合うダンスフロアに下りていったマイク達はサラ達と一緒に体をすりよせ踊り始める。いよいよクラブが最高潮に盛り上がり、このクラブのメインイベントが始まる。フロアで踊っている若者のもとにセクシーなスーツに身を包んだウェイトレスか“ボディ・ショット”と呼ばれる強いアルコールのショットを運んでくるのた。
ブルーに輝く魅惑的なショットを競うように手にした彼らは浴びるように次々とそれを飲み干す。やがてハイになった8人は自然と4組のカップルに分かれてく。サラと意気投合したアメフトチームの花形スターのマイクか2人で店を出ようとした時に、肩か触れた別の客とケンカを始める。相手が血だらけになって倒れるまで狂ったように殴りつけるマイク。
人々の視線を浴ひる中、マイクはその様子を不安げに見守っていたサラを軽々と抱きかかえ、さらうようにしてタクシーに乗せその場から消えていった。同じくその様子を見守っていたエマとひそかにサラに想いを寄せていたショーンはお互いに目を見合わせる。そして寂しさと欲望を満たすかのようにその場て激しく交わる。やるせない欲望につき動かされたその場限りのセックスは2人の独感をより深いものにしていく。そして2人はお互い目も合わすことなくバラバラにその場を離れていった。一方、トレントはフロントで4人の中で最もセクシーなホイットニーと共に彼女の部屋へ足を運んでいた。
色めき立つトレントだったが、いきなりベッドの上に縛り付けにされボンテージスーツに身を固めたホイットニーに鞭でたたかれる。高らかに笑いなからSMに興じる彼女に主導権を握られたトレントはあっけにとられる。そしてなすがままにされた挙句、家を追い出され、放心状態のまま路上て一夜を過ごすことになる。病院に運はれたサラは落ち着きを取り戻し、昨夜起こったことを語り始める。サラによれば、タクシーに乗った後、マイクはいやがる彼女の部屋に行き、抵抗するサラを殴りつけ、無理やりレイプし出ていったという。
詳細を聞き強いショックを受けるシェーン。一方、泥酔しハンバーガーショップに押し入ったところを警察に逮捕され拘留されたマイクは駆け付けたリックと共に事情聴取を受ける。サラの事を聞き、驚いたマイクは彼女のほうから積極的に誘ってきたと主張する。セックスは互いに同意のものであってその後、マイクがサラの名前を別の女性と呼び間違えたために追い出されたと言うのた。二人の言い分かまったく異なることに戸惑うリックとジェーン。そして弁護士でもある2人はそれそれの弁護に立つことになる。

スタッフ

監督:グレゴリー・ホブリット
製作:ホーク・コッチ/グレゴリーホブリット/ビル・カラロ/トビー・エメリッヒ
製作総指揮:ロバート・シェイ/リチャード・サパースタイン
脚本:トビー・エメリッヒ
撮影監督:アラー・キヴィロ
美術:ポール・イーズ
衣裳デザイナー:エリザベッタ・ベラルド
編集:デヴィッド・ローゼンプルーム
音楽:マイケル・ケイメン

キャスト

ジェリー・オコネル
タラ・リード
ショーン・パトリック・フラナリー
ロン・リビングストン

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