NAGISA-なぎさ-
原題:NAGISA
とってもまぶしくて なんだか むしょうにセツなくて… きっと誰にでも 忘れられない 特別な夏がある——
第51回ベルリン国際映画祭のキンダーフィルムフェスト・グランプリ 2000年ヨコハマ映画祭特別大賞(小沼勝監督) 2000年キネマ旬報新人女優賞(主演 松田まどか) 2000年度報知映画賞最優秀新人賞(主演 松田まどか) 第9回あおもり映画祭招待作品::http://www.infoaomori.ne.jp/cinema/special/spe041/spe041.htm
2000年/日本映画/89min/カラー/ヴィスタサイズ/モノラル 製作・配給:フィルム・シティ 宣伝・配給協力:アルゴ・ピクチャーズ
2001年6月29日ビデオ発売&レンタル開始 2001年4月21日より吉祥寺バウスシアターにてアンコール上映決定 2001年2月17日より名古屋キノシタホールにて公開。 2000年8月26日より吉祥寺バウスシアター2/JAVで都内ロードショー決定! (初日のみ吉祥寺バウスシアターにて公開、舞台挨拶あり) 2000年6月17日より小樽プレミアシネマズで、地方先行ロードショー公開。 2000年6月10日より高山旭座、札幌ポーラスターにて
公開初日 2000/06/10
配給会社名 0090
公開日メモ とってもまぶしくて なんだか むしょうにセツなくて… きっと誰にでも 忘れられない 特別な夏がある—— 『龍 RON』や『六三四の剣』で知られる名匠・村上もとかの青春漫画『NAGISA(なぎさ)』が待望の映画化! 「小学館ヤングサンデー」誌に連載された原作は、西宮なぎさの小学6年から美大受験浪人までの成長を描いた青春ストーリー
解説
今すぐ大人になりたい…
無傷ではいられない 12才の夏——
『龍 RON』や『六三四の剣』で知られる名匠・村上もとかの青春漫画『NAGISA(なぎさ)』が待望の映画化! 「小学館ヤングサンデー」誌に連載された原作は、西宮なぎさの小学6年から美大受験浪人までの成長を描いた青春ストーリーだが、映画では12才の“少女”の部分にスポットを当てている。
舞台は1960年代、江ノ島の夏。スクール水着が似合う元気印の少女・なぎさは、流行りのレコードプレーヤー欲しさに、せっせと海の家でのアルバイトに励む毎日。早く大人になりたいと願うなぎさの前に、東京から帰省したホテルの美少女、避暑に来ている鵠沼の少年、従姉の家出娘らが現れたことから、彼女の心は揺れ動き始める。今年の夏はきっと何かが起こりそう…!? だが運命は多感な少女に、全く予期せぬ出来事を用意していた——。
大人にもなれずに戸惑い揺れ動く、思春期の少女が経験する特別なひと夏の物語を演出するのは、日活出身の最後の異端監督・小沼勝。主演の松田まどかは、オーディションで500人の中から選ばれたミレニアム・シンデレラだ。少女から大人へ脱皮しようとする心のざわつきを体当たりで表現。《小沼ウィーブ》と評されるほど、女性を描かせては細やかに紡がれた演出をする監督の、ハードな要求に見事に応えてみせた。
脚本は、OV作品でも小沼監督とのコンビが多い齊藤猛(『雀鬼』シリーズ)と村上修(『真夏の地球』)が共同で担当。撮影は田口晴久(『ちぎれた愛の殺人』)、照明は矢部一男(『渚のシンドバッド』)他ベテランスタッフが参集。音楽は遠藤浩二(『漂流街』)が手がけ、挿入歌にザ・ピーナッツの「恋のバカンス」等’60sポップスを採用、清冽な感動を呼び起こす魅惑のサントラを堪能させてくれる。
歓びや苦しみと出会いながら、大人への道の第一歩を踏み出す少年少女たち。ファミコンもカラオケも携帯電話もまだない、昭和の十代の少女の最も多感な思春期。湘南の陽ざしと共に哀感を込めて、黄金の’60sミュージックをバックに、人生で最も熱くセツない特別な「ひと夏」を描いた、珠玉の“湘南少女ムービー”が誕生した!
ストーリー
湘南・江ノ島、昭和の夏。片瀬海岸は海水浴客でごった返している。小学6年生の西宮なぎさ(松田まどか)は、4年前に漁師の父を台風で亡くし、居酒屋を営む母の正子(片桐夕子)との二人暮らしだ。夏休み前日、バカンスの始まりに胸を弾ませながら、下校するなり親友・典子(吉木誉絵)と約束していた岩場にまっしぐら。地元の者しか知らないとっておきの穴場は、水泳が得意な彼女のお気に入りの場所だった。だが、典子にすっぽかされ、代わりに見かけない色白の少年が…。ノゾキだ大変! となぎさが睨みつけると慌てて逃げ去った。それが竹脇洋(佐々木和徳)との初めての出会いだった。翌日も洋の姿は砂浜で見かけられた。東京から避暑に来ていた彼は、単に漂着物の収集をしていたのだ。
なぎさ達の幼なじみで東京の私学に通う桑島真美(稲坂亜里沙)も帰省してきていた。
真美は桑島ホテルの一人娘。なぎさ達とは育ちも違う上流家庭の女の子だ。すっかり大人びてアカ抜けた真美に反発を覚えるなぎさ。羨ましさとは裏腹に、真美の前ではどうしても素直にふるまえない…。そんなななぎさに、吉岡のおばちゃん(根岸季衣)から海の家のバイトの口がかかる。前々からレコードプレーヤーが欲しくてたまらない彼女には、願ってもない稼ぎ口だ。翌日から早速、配膳のバイトに精を出し始めた。
仕事の後も、岩場での大好きな泳ぎは欠かさなかった。なぎさは、やがてそこで、親しくなった洋に泳ぎを教えてやるようになった。ひ弱な洋は全く泳げなかったのだ。
ある日、吉岡のおばちゃんの家出娘・従姉の麗子ちゃん(松本智代美)が突然帰宅した。
アメ車を乗り回す恋人のタツヤ(島村勝)と一緒だ。不良娘の麗子にはいつも驚かされることばかり。帰って来るといきなり海の家を手伝い始めた。そして、この世で一番肝腎なものはときめくハートなんだと、なぎさにとっておきのアドバイスをするのだった。海の家でのバイトにも慣れた頃、真美と典子が冷やかし半分に訪れた。なぎさは逆に、麗子風の“不良ファッション”を見せびらかしたり、更に悪ノリして、麗子を迎えに来たタツヤの車にも同乗し、二人の意表を突いて見返してやった…。
そんな真美との関係にやがて変化が訪れた。きっかけは、電器屋でお目当てのプレーヤーを争った時、なぎさに優先権を譲ってくれたことだった。以来、真美とは打ち解けて、一緒に水族館に行ったり、桑島家の方にもしばしば遊びに行くようになった。なぎさは、母が昔ホテルで働いていた頃、真美の母・澄子(芦川よしみ)とライバル関係にあったことを知らされた。そして、娘の私達が入れ替わったら…というゲームなどに付き合わされ、真美にまんまと一杯食わされる。気まぐれ娘の他愛ない悪戯だと解っていても、なぎさには面白くなかった。そんな時、麗子から不良仲間の浜辺のナイト・パーティに誘われた。憂さ晴らしに嬉々としてOKするなぎさ。ブルーな気分も吹っ飛んだ。
一方、洋は自主トレで少しだけ泳ぎが巧くなった。この分では向こう側に見える岩まであと一息だ。ご褒美にそっとキスをしてやるなぎさ。典子と観た洋画を真似たウソんこのキスだ。ぽかんとする洋への照れ隠しに海に飛び込んだ。
なぎさは意を決して美容院で不良っぽい髪型に変えてもらい、浜のパーティに出かけた。
麗子はタツヤと喧嘩して現れなかった。が、実は遅れてやって来て、こっそり焚き火の方を窺っていたのだ。気まずそうな二人。だがそのうち、なぎさの髪型の話題が仲直りのきっかけを作った。パーティは酒も入って異常に盛り上がり、みんなで踊りまくった。
少し眠ってしまったなぎさが目を覚ますと、折しもチークタイムで、抱き合う麗子とタツヤが熱いキスの真最中——映画ではない本物のキスだ! タツヤにちょっぴり憧れてたなぎさは、気を利かせてそっとその場を離れた。とその時突然、天から流れ星が流れ落ちたような気がした。波打ち際で光る緑色の小石を拾い上げるなぎさ。何てことのないガラス片だけど、洋の漂着物のコレクションに加えてあげたくなった。なぎさは洋に会う前に、散髪屋で髪型を元通りに戻した。そして、緑のガラス片を手に、喜ぶ洋の顔を想像しながら、足取りも軽く岩場を目指した。どこかで救急車のサイレン音が聞こえていた。いつもはほとんど誰もいない岩場の方角の辺りだ。嫌な予感がして走り出した。
「東京の男の子だ、どうもダメだな、ありゃ」駆けてきた神主(柄本明)がそう教えてくれた。洋が溺れたらしいと解った瞬間、なぎさの顔から血の気が引いて気を失った。
スタッフ
製 作:半沢 浩
企 画:植木 実
プロデューサー:横田修一
キャスティング:窪田昭子
コーディネイト:吉田 格
原 作:村上もとか
「NAGISA」(小学館「ヤングサンデーコミックス」刊)
脚 本:齊藤 猛/村上 修
監 督:小沼 勝
撮 影:田口晴久
照 明:矢部一男
録 音:菊地進平
美 術:岩本一成
編 集:矢船陽介
音 楽:遠藤浩二(SOUND KID'S)
スクリプター:飯塚美穂
助監督:杉山 順
製作担当:黛 威久
使用曲◆「恋のバカンス」ザ・ピーナッツ
(岩谷時子作詩/宮川泰作曲)
「夜空の星」加山雄三
(岩谷時子作詞/弾厚作作曲/寺内タケシ編曲)
「花のように」ベッツィ&クリス
(北山修作詞/加藤和彦作曲/青木望編曲)
製作・配給◆フィルム・シティ http://www.filmcity.co.jp/
宣伝・配給協力◆アルゴ・ピクチャーズ
キャスト
西宮なぎさ(江ノ島の小学6年生):松田まどか
桑島 真美(桑島ホテルの娘):稲坂亜里沙
杉田 典子(なぎさの幼なじみ):吉木 誉絵
竹脇 洋(避暑に来た少年):佐々木和徳
西宮 正子(なぎさの母):片桐 夕子
吉岡 麗子(なぎさの従姉):松本智代美
桑島 澄子(真美の母):芦川よしみ
杉田 民恵(典子の母):佳那 晃子
吉岡のおばちゃん(なぎさの叔母):根岸 季衣
杉田 亮助(典子の父):つまみ枝豆
タ ツ ヤ(麗子の恋人):島村 勝
電器屋の主人;出光 元
お ミ ズ(居酒屋の常連):深水 三章
竹脇 宗徳(洋の父):石丸謙二郎
神 主(なぎさの天敵):柄本 明
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