2014年/日本・フランス合作/カラー/100分 配給:プロダクション・エイシア

2015年1月2日より東京・ポレポレ東中野ほか全国順次ロードショー

公開初日 2015/01/02

配給会社名 0835

解説


このドキュメンタリーは、日本人が食とどう向き合ってきたのか、その歴史と風土を、根源から見つめ直そうとした作品です。行き着いたのが「だし」「しょうゆ」という2つのキーワード。

「だし」
「だし」は、雄大な自然から“うまみ”を抽出したもの。仏教の肉食禁止のもと日本人は肉に代わる“うまみ”を探し、カツオ節、昆布、干しシイタケを得ました。これらが一般化するのは江戸時代に入ってからの 17 世紀。いわば「食の革命」ともいうべきものでした。
この「食の革命」を追体験しながら、自然と日本人との関係を見つめます。
また「だし」をめぐる最新の食品科学の知見は、「だし」がいかに健康によく理にかなっているかを明らかにしており、「だし」を大切にすることが「和食」を守ることにつながることを教えています。

「しょうゆ」
「だし」が日本人と大自然との関係を描くのに対し、「しょうゆ」は日本人と「目に見えない自然」(ミクロの世界)との長く深い関係を見つめました。それは「カビ」による和食創成のドラマ。和食の“うまみ”がつまった調味料(しょうゆ・さけ・みりん・みそ)は、1種類のカビによって作られるのです。特撮を駆使したミクロの映像で、千年にわたって磨かれた職人たちの知恵を浮かび上がらせます。
この作品に登場するのは、北海道の昆布漁の家族、九州の焼畑農家、鰹節・醤油・日本酒作りの職人たち、発酵のカギを握る商い“もやし屋”、禅寺で作られる精進料理、京都の料亭、そして赤ちゃんの初めての離乳食を鰹だしで作る母親 — 。

観終わったあとは、ふだん何気なく口にしている和食が、まったく別の、愛おしいものに見えてくることでしょう。

ストーリー


第 1 章「だし」
【日本列島の雄大な自然の恵みと人々はどう向き合ってきたか、その叡智を探る】

第 2 章「しょうゆ」
【目に見えないミクロの自然の恵みと人々はどう向き合ってきたか】

スタッフ

監督:柴田昌平
プロデューサー:大兼久由美(プロダクション・エイシア、『ひめゆり』『森聞き』ほか)
牧野望(NHK 大型企画開発センター)
伊藤純(NHK 大型企画開発センター(当時)、NHKエンタープライズ(現))
Luc Martin-Gouset(フランス人、映像制作会社 Point du Jour 代表)
Catherine Alvaresse(フランス人、ARTE France)
撮影:春日井康夫(『映像詩 里山〜命めぐる水辺』でイタリア賞受賞)
音楽:Dan Parry

キャスト

加藤宏幸(京都・祇園の料亭「川上」主人)
藤本ユリ(北海道羅臼町、昆布ひろい漁、90 歳)
三浦利勝さん一家(北海道羅臼町、昆布漁)
今給黎秀作(鹿児島県枕崎市、カツオ節作り職人)
坪川民主(神奈川県横浜市、曹洞宗大本山總持寺 典座)
椎葉クニ子(宮崎県椎葉村、伝統的焼畑農民、90 歳)
福知太郎(東京都、はじめて「だし」を口にする赤ちゃん、生後 6 ヶ月)
澤井久晃(京都市、醤油醸造業「澤井醤油本店」5 代目主人)
大野考俊(千葉県香取郡神崎町、酒造業「寺田本家」杜氏)
助野彰彦(京都市、種麹屋主人)

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