2013/日本/93分/カラー 製作・配給:すかいふぃっしゅ

2014年1月25日(土)より渋谷ユーロスペースにてレイト2週間限定公開!!

公開初日 2014/01/25

配給会社名 1466

解説


表現への渇望。本当に夢は破れたのか?
「クズにもなれない馬鹿野郎」たちにおくる
出口なき思想が爆発する、羞恥心あふれるロードムービー

夢は叶えるためにある!のか?

 才能があれば夢は叶うのか。なければ叶わないのか。現実に直面し、挫折し、その幻を払拭して人は大人になっていくのだろうか。そもそも、夢が叶うというのはどういうことなのか。誰かに認められるということなのか。だとすると、夢は自分のためのものではないということなのか。叶わなければ「夢」ではないのか。夢は夢のままでは、挫折から逃げているだけなのか——。
 
 誰もが一度は考えたかもしれない青臭い想いを、恥ずかしげもなく曝け出す『花火思想』はストーリーを語ることより、正解のない疑問を語る作品である。主人公の出口なき思想に対する苛立ちは観る者にそのまま反射する鏡になる。作り手も主人公に時に苛立ち、時に共感しつつ自らの夢を「現実」へと変えていく。人に認められる事より、無力さを曝け出すことでしか夢を実現する術はないかのように。

主人公を見守るかつて「才能」にぶち当たった男の影
北野武監督作品『キッズ・リターン』において圧倒的な存在感を放ち、今なお精力的に活動を続けるモロ師岡が、今作では主人公を遠目に見守る男として登場する。かつて彼が『キッズ・リターン』で演じたのは才能にぶち当たり、それでも才能にすがりつく一人の男だった。「才能」という言葉に疑問を抱き、それでもなお表現をしようとする主人公をどのような気持ちで見つめているのか。

主人公の優介を演じるのは『犀の角』(井土紀州監督)『青二才』(サトウトシキ監督)など、多数の自主映画に出演している櫻井拓也。本作では「表情で語る芝居」が印象的であり、今後の活躍が期待される役者である。
 
 主人公と交流する自由気ままなホームレスの船田を演じるのは、本作が映画初出演となる久保健司。
 また『生きてるものはいないのか』(石井岳龍監督)、『船を編む』(石井裕也監督)で独特の存在感が注目される芹澤興人、『犀の角』(井土紀州監督)の富岡英里子など実力派の役者が脇を固める一方、主人公・優介と全く異なる価値観を持つ表現者として登場する小説家の松波を、『絵のない夢』(長谷部大輔監督)などで知られる、脚本家の金村英明が演じる。

ストーリー

コンビニのアルバイトをしながらうだつの上がらない毎日を過ごしていた優介は、夢に出てきた男のことが頭から離れずにいた。ある日、昔組んでいたバンドのベーシストであった幸雄が優介の前に現れる。その再会は、忘れようとしていたこととの再会でもあった。恋人が拾ってきた不気味な人形の存在、ホームレスの船田、馬の顔。次第に夢の世界と現実世界の境界線が不明確なものになっていく。そして優介は夢に出てきた男に導かれるように、此処ではない何処かへ旅立つのだったが……

スタッフ

監督:大木萠
脚本・撮影:阿佐谷隆輔
照明:草?秀興
録音・整音:野崎芳史
美術・メイク:大沼史歩
楽曲提供:髭 SOUL 黒木明佳
宣伝:カプリコンフィルム
製作・配給:すかいふぃっしゅ

キャスト

櫻井拓也
久保健司
モロ師岡
芹澤興人
勇人
富岡英里子
ほか

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